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書名

言語聴覚障害学 ―基礎・臨床

筆頭著者

石合純夫・編著(東京都神経科学総合研究所リハビリテーション部門・部門長)

出版社名

新興医学出版社

ISBNコード

ISBN978-4-88002-294-9

発行年

2001年9月

判型 / 頁数

B5判 / 367頁

分類

リハビリテーション/言語聴覚

価格

定価5,280円(本体4,800円 税10%)

内容

言語聴覚士は人間らしい包括的なコミュニケーションの能力を総合的に支援するきわめて重要な役割を担っており,そのために求められる知識は専門領域に加え基礎・臨床医学,人文科学,社会福祉と多岐にわたっています。
本書は
*各分野の中で言語聴覚士に必要な部分に重点を置き,基本を身につけられるように,
*単なる定義の羅列ではなく,実用的な知識が身につくように
構成されています。
たとえば,訓練対象者とかかわる中で必要な知識を得たり確認したりしたいと思ったとき,分厚い専門書にあたらなくても本書を見ればアウトラインがつかめるようになっています。
また,言語聴覚障害学の理解のためにも,言語聴覚士だけでなくリハビリテーション,看護,介護にあたる幅広い職種の方々にもぜひ一読していただきたい一冊です。

目次

I 基礎医学
1.医学総論
 医学とは何か/ヒトの生物学としての基礎医学
 病気の科学/実践の技術としての臨床医学と社会医学
 医学の流れ/新しい医学・医療と21世紀の展望
2.解剖学
 人体の大要/細胞と組織/系統/発生
3-1.生理学―一般生理学
 恒常性の生理学/神経と筋の細胞生理学
3-2.生理学―言語聴覚士に必要な生理学
 発声・発語の生理学/健常児の言語発達
 発声・発語の神経機構/Brocaの言語中枢
 聴覚の生理学
 Wernicke中枢とBroca中枢と結合関係を持つ脳領域
4.病理学
 神経障害のおこりかたと経過/病変
 遺伝性疾患の考え方/免疫

II 臨床医学・歯科学
1.内科学
 診断学/治療学/各論
2.神経内科学
 神経系の構造・機能・病態/神経系病態検査法
 臨床神経学
3.小児科学
 小児の成長と発達
 出生前医学,胎児医学,周産期障害
 脳性麻痺と運動障害/てんかんと痙攣性疾患
 感染症/知能や精神機能の障害/その他の疾患
4.精神医学
 精神疾患の分類,診断基準/正常と異常
 内因性疾患/神経症と心因性障害
 その他の障害/精神衛生学
5.脳神経外科学
 病態生理と主要症状/頭部外傷/脳血管障害
 脳腫瘍/先天奇形/機能的脳神経外科
6.耳鼻咽喉科学
 聴覚系の構造と機能/平衡系の構造と機能
 難聴・めまいの病態/鼻の構造と機能
 口腔,咽頭の構造と機能/喉頭の構造と機能
 頭頸部の悪性腫瘍と治療
7.形成外科学
 形成外科学総論/口唇裂・口蓋裂
 頭蓋・顔面の異常/外傷・その他
 頭頸部外科手術に伴う変形・機能障害
8.歯科・口腔外科学
 発声・発語器官としての口腔/口腔機能と摂食
9.リハビリテーション医学
 リハビリテーション医学総論/診断と評価
 治療学総論/各種疾患のリハビリテーション

III 認知科学・社会福祉
1.心理学
 学習・認知心理学/心理測定法
 臨床心理学/生涯発達心理学
2.言語学
 言語学の基礎/日本語学/心理言語学
3.音声学
 音声学とは/構音器官と構音/音声記号/音素
 音声連続/超分節的要素/日本語音声学/音韻の獲得
4.音響学
 音の物理的性質/音響管の周波数特性
 音声生成(産生)の音響過程
 母音の生成(産生)と知覚
 子音の生成(産生)と知覚
 超分節的要素の音響的特徴
5.社会福祉・教育
 社会福祉と社会保障/リハビリテーション概説
 福祉関連サービスの実施と専門職

IV 言語聴覚障害学
1.言語聴覚障害学総論
 言語聴覚障害学とは/臨床の基礎
 言語聴覚障害診断学
2.高次脳機能障害
 高次脳機能障害とは/全般的障害と検査法 痴呆
 記憶障害/右半球損傷に多くみられる高次脳機能障害
 視空間性障害/失認/失行/脳梁離断症候群
3.失語症
 失語症とは/主要言語領域と失語症の原因疾患
 失語症患者の診察/失語型の分類
 失語症候群―症状と病巣―
 内言語の障害がないか軽微な純粋型/失読と失書
4.失語症の検査とリハビリテーション
 失語症の評価・訓練の流れ/失語症検査/診断手続き
 言語訓練の原則/言語機能障害の訓練法
 実用的コミュニケーションの訓練/心理・社会的問題
5.言語発達障害
 言語の諸側面
 健常児の言語・コミュニケーション発達過程
 言語発達障害/臨床家としての要件
6.音声障害
 声の特性と機能および調節/音声障害の定義と種類
 音声の検査と評価/音声障害の治療
 喉頭摘出後の音声
 音声障害におけるチームアプローチ
7.構音障害
 構音障害の概念と分類/機能性構音障害
 器質生構音障害/Dysarthria
8.吃音
 吃音に関する基礎的問題/吃音の診断
 吃音の治療・指導
9.嚥下障害
 正常嚥下の生理とメカニズム/成人の嚥下障害の要因
 摂食・嚥下障害の評価と検査/治療手法
 小児の嚥下障害の評価と対応
10.聴覚障害学
 聴覚の障害がもたらす心理的・社会的問題
 聴覚の診断と評価/聴覚補償の手だて
 聴覚障害にかかわる訓練や指導
 聴覚障害の指導の実際