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書名

厄介で関わりたくないアルコール依存症患者とどうかかわるか

筆頭著者

成瀬暢也・著

出版社名

中外医学社

ISBNコード

ISBN978-4-498-22950-1

発行年

2023年9月

判型 / 頁数

A5判 / 196頁

分類

臨床医学系/精神神経科学/精神医学

価格

定価3,300円(本体3,000円 税10%)

内容

アルコール依存症というだけで厄介で関わりたくない患者とされる.本書を一読すれば自らの誤解と偏見に気づき,依存症は「回復する病気である」ということが分かるだろう.

目次

目 次

はじめに

I 厄介で関わりたくない依存症患者を理解する
  1アルコール依存症とはどんな病気なのか?
  2アルコール依存症患者とはどんな人なのか?
   1 依存症患者によくみられる具体的な特徴
    1.本当は,完璧主義できちんとしなければ気がすまない
    2.本当は,柔軟性がなく不器用で自信がない
    3.本当は,頑張り屋で,根はきわめてまじめである
    4.本当は,やさしく人がいい
    5.本当は,気が小さく臆病で寂しがりである
    6.本当は,人に受け入れられたいが,受け入れられないと思い込んでいる
    7.本当は,生きていることがつらくて仕方がない
   2 アルコール依存症患者を理解した支援
  3厄介なアルコール依存症患者とは?
  4どうして依存症患者は厄介なのか?
  5依存症患者にとってアルコールとは?
   ストーリー1
   ストーリー2
  6依存症患者の背景にある6つの特徴
  7依存症患者の背景にある「人間不信」
  8厄介な患者ほど人間不信が強い
  9患者は不安で苦しんでいる
  10どうして患者は素直でないのか?
  11どうして患者は強がるのか?
  12どうして患者はいざというときに飲むのか?
  13どうして患者は死にたくなるのか?
  14どうして患者は素直にSOSを出せないのか?
  15患者には頑張っていた時期が必ずある
  16生育環境が依存症患者を作る
  17「孤独な自己治療」としての飲酒
  18患者の「人間不信」の背景を想像する

II 厄介で関わりたくない依存症患者に介入する
 1依存症患者の「人間不信」に介入する
 2厄介な依存症患者に具体的にどう関わるか?
  1 問題行動のある患者の対応
   1.酔って絡む患者
    2.すべてに反発する患者
    3.家族や身内に威張る患者
    4.飲酒問題を指摘すると激昂する患者
    5.酔って暴言・暴力がある患者
    6.受診・相談を拒む患者
    7.酒をやめようとしない患者
    8.反省しても懲りない患者
    9.酒を買ってくることを強要する患者
    10.他人の批判や愚痴ばかりの患者
    11.平気でうそをつく患者
    12.平気で約束を破る患者
    13.飲酒運転を繰り返す患者
    14.「死にたい」と繰り返す患者
    15.自殺企図を繰り返す患者
    16.「人に危害を加える」と言う患者
    17.刃物を持ち出す患者
    18.酒を万引きしてくる患者
    19.反社会的勢力と関係のある患者
    20.容易に自暴自棄になる患者
    21.執拗に何事も依存してくる患者
    22.恋愛感情や性的な欲求を向けてくる患者
    23.ストーカーになる患者
    24.性的逸脱行為を繰り返す患者
    25.訪問看護に無理を強要する患者
    26.ヘルパーに酒の購入を強要する患者
    27.精神科病院の入院が長期の患者
   2 身体的に重篤な患者の対応
    1.身体疾患や外傷で救急外来受診や入院を繰り返す患者
    2.身体疾患が重篤だが飲酒を続け受診を拒む患者
   3 症状や併存症のある患者の対応
    1.嫉妬妄想が激しい患者
    2.認知機能が低下している患者
    3.離脱症状が激しい患者
    4.渇望期の症状が激しい患者
    5.うつ病のある患者
    6.双極性障害のある患者
    7.不安障害・パニック障害のある患者
    8.統合失調症のある患者
    9.発達障害・知的障害のある患者
    10.境界性パーソナリティ障害のある患者
    11.摂食障害のある患者
    12.慢性疼痛のある患者
    13.処方薬乱用・依存のある患者
    14.ギャンブル障害のある患者
   4 治療がうまくいかない患者の対応
    1.受診をかたくなに拒む患者
    2.受診しても治療に反発のある患者
    3.治療が途切れてしまう患者
    4.予約もなく酔って突然現れる患者
    5.予約を繰り返しキャンセルする患者
    6.治療スタッフに酔って絡む患者
    7.他の患者を飲酒に誘う患者
    8.入院してもすぐに退院してしまう患者
    9.入院を何回も繰り返す患者
    10.入院中に何度も飲酒する患者
    11.入院中に問題行動を繰り返す患者
    12.治療者に暴言・暴力のある患者
    13.治療意欲の低い患者
    14.孤独でだれにも心を開かない患者
    15.生きる望みを失っている患者
    16.治療者が陰性感情を募らせる患者
    17.何をやっても治療がうまくいかない患者
    18.断酒意欲があるのに全くやめられない患者
   5 高齢患者,若年患者,女性患者の対応
    1.高齢の患者への対応
    2.若年の患者への対応
    3.女性の患者への対応
   6 家族の問題がある患者の対応
    1.家族が治療に理解がない患者
    2.家族から罵倒される患者
    3.患者の言いなりになる家族がある患者
    4.離婚されて家族を失った患者
    5.天涯孤独な患者
   7 生活困難な患者の対応
    1.仕事を失って生活保護の患者
    2.家を失って施設入所の患者
    3.多額の借金がある患者
    4.親兄弟から見捨てられた患者
    5.生活能力の低い患者

III 厄介で関わりたくない依存症患者の対応のコツ
  1厄介で関わりたくない患者の原因は「人間不信」である
  2人間不信が解決すれば依存症は回復する
  3信頼関係ができていないのに断酒を強要してこなかったか
  4信頼関係づくりが治療・支援の成否を決める
  5心の伴わない治療・支援は反発を生み出す
  6同時に支援者も患者に陰性感情・忌避感情を持ってしまう
  7「人間不信」の強い患者との関わり方
  8支援者自身をチェックする
  9自身の持つ患者に対する陰性感情・忌避感情を扱う
  10厄介で関わりたくない患者ほど劇的に回復する
  11患者と信頼関係を築けると支援者も幸せを感じられる
  12厄介な依存症患者と上手に関わるコツ

IV 臨床場面でどのように患者と関わるか?
 1患者と関わる前にしておきたいこと
  1.自助グループで回復者に会い話を聴く
  2.セミナーやフォーラムで回復者の話をたくさん聴く
  3.依存症の回復をイメージできるようになる
  4.回復が生まれる温かい雰囲気を感じられる
  5.回復を楽観的に信じられるようになれる
 2患者と初めて関わる際の流れ(治療契約まで)
  1.患者に対して困っている人として向き合う覚悟をする
  2.患者が受診することの大変さを理解している
  3.患者の受診を歓迎の意を表して親切に受け入れる
  4.同伴者がいる場合,一緒がいいか別がいいか聞く
  5.患者が困っていることを丁寧に聴く
  6.患者がどうしたいか・どうなりたいかを丁寧に聴く
  7.これまでの病歴を話してもらい,流れをつかむ
  8.これまでの生い立ちを話してもらい,丁寧に聴く
  9.生きづらさを認めた場合は,苦労をねぎらう
  10.生きづらさの原因・逆境体験などを丁寧に聴く
  11.これまで一人で頑張ってきたことを十分評価する
  12.依存症の背景にある6項目の問題について尋ねる
  13.原因は「人間不信」「自信喪失」では,と投げかける
  14.アルコールが果たしてきた役割を確認する
  15.苦しければ飲酒量は増えていくことを説明する
  16.飲酒は「孤独な自己治療である」ことを確認する
  17.アルコールなしで生きられなくなっていないかを問う
  18.飲酒のコントロールを失った状態が依存症である
  19.依存症の最大の問題はストレスに弱くなることである
  20.コントロールできないのは意志の問題ではない
  21.「あなたの場合はどうでしたか?」と投げかける
  22.治療に取り組めばよくなることを伝え治療契約を結ぶ
 3治療では何をするのか?
  1.飲酒に求めていたものを別のものから得る必要がある
  2.それが「人からの癒し」であると思う
  3.これまで人に癒されることが少なかったのでは?
  4.回復のためには6項目の問題の改善が必要である
  5.人を信じられなかったから孤独で生きづらかったのでは?
  6.まずは正直な思いを話してもらえる場にしてほしい


以下、省略