書名 |
ギャノング生理学 (原書26版) |
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原著者 |
Kim E. Barrett/他著 |
筆頭著者 |
岡田泰伸・監修(名誉教授) |
その他著者等 |
佐久間 康夫・岡村 康司 |
出版社名 |
丸善出版 |
ISBNコード |
ISBN978-4-621-30708-3 |
発行年 |
2022年2月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 910頁 |
分類 |
基礎医学系/生理学 |
価格 |
定価11,000円(本体10,000円 税10%) |

長年にわたって世界的に高い評価を得ている生理学の定番教科書、待望の原書最新版の完訳。生理学の魅力を伝える優れた紙面構成はそのままに、内容を全面的にアップデート。
新版では、慢性疼痛、生殖生理学、酸塩基の恒常性などの重要な分野の最新の知見が反映されている。
生理学の重要なトピックを網羅し、詳細で充実した内容とともに、臨床事例、フローチャート、章末問題も増加。
また、正確で読みやすい翻訳で、最新の知見や国内事情に配慮した訳注も随所に収載。
各章の学習目標・章末のまとめを全面的に見直し、要点を確認・整理しながらより効果的に学習できる構成となっている。
基礎医学と臨床医学との関連性が明示され、医系学生のみならず、臨床家や各種医療関係者にも役立つ一冊である。

第I編 医科生理学のための細胞と分子の基礎
1.医科生理学の一般原理とエネルギー産生
はじめに/一般原理/エネルギー産生/構成単位となる分子/アミノ酸とタンパク質/炭水化物/脂肪酸と脂質
2.細胞生理学の概要
はじめに/細胞の機能的形態学とホメオスタシス/細胞膜を横切る輸送/細胞間コミュニケーション
3.免疫,感染,炎症
はじめに/免疫/免疫の可溶性調節因子/その他の免疫担当細胞 /炎症と創傷治癒
4.興奮性組織:神経
はじめに/ニューロン:神経系における基本的な動作単位/興奮と伝導/神経線維の種類とその機能/軸索輸送/グリア細胞/神経栄養因子:その機能と受容体
5.興奮性組織:筋肉
はじめに/骨格筋の形態/電気的現象とイオンの流れ/収縮/エネルギー源と代謝/生体内での骨格筋の性質/心筋の形態/電気的性質/機械的性質/代謝/平滑筋の形態
6.シナプス伝達と接合部伝達
はじめに/シナプス伝達:機能的解剖学/シナプス後ニューロンの電気現象/シナプスの抑制と促通/神経筋伝達/平滑筋と心筋における神経終末/軸索損傷と除神経性過敏
7.神経伝達物質と神経修飾物質
はじめに
第II編 中枢および末梢神経生理学
8.体性感覚の神経伝達:触,痛み,温度の感覚
はじめに/感覚受容器/皮膚受容器におけるインパルスの発生/感覚のコーディング/痛み/体性感覚の経路/痛み情報伝達の修飾
9.嗅覚と味覚
はじめに/嗅覚/味覚
10.視 覚
はじめに/眼の構造/結像機構/光受容機構/色覚/視覚経路と大脳皮質における応答/眼球運動
11.聴覚と平衡感覚
はじめに/耳の構造と機能/聴覚/前庭系
12.姿勢と運動の反射と随意制御
はじめに/反射の一般的性質/単シナプス反射:伸張反射/逆伸張反射/引っ込め反射/反射の脊髄での統合機構/運動制御経路の中枢構造の一般原則/運動皮質と随意運動/体幹と四肢の遠位筋の制御/姿勢と随意運動に関わる脳幹下行路/姿勢制御系/大脳基底核/小脳
13.自律神経系
はじめに/自律神経遠心路の解剖学的構成/自律神経接合部における化学伝達/自律神経インパルスに対する効果器の反応/自律神経節前ニューロンに対する下行性入力/腸神経系
14.脳の電気的活動,睡眠-覚醒状態,サーカディアンリズム
はじめに/視床-大脳皮質経路と上行性覚醒系/脳波/睡眠-覚醒サイクル:脳波の変化/サーカディアンリズム
15.学習,記憶,言語,発話
はじめに/学習と記憶/言語と発話
第III編 内分泌と生殖生理学
16.内分泌調節の基本概念
はじめに/ホルモンの標的細胞に対する特異的作用/ホルモンの分泌/血中でのホルモンの運搬/ホルモンの作用/フィードバック制御の原則/内分泌疾患の分類
17.ホルモン機能の視床下部性調節
はじめに/視床下部:形態と構造/下垂体後葉からの分泌の制御/下垂体前葉からの分泌の制御/体温調節
18.下垂体
はじめに/下垂体の発生,形態,および細胞の種類/プロオピオメラノコルチンと誘導体の合成と機能/成長ホルモンの分泌/成長の時間的経過と調節因子/下垂体のゴナドトロピンとプロラクチン/下垂体機能低下症の影響
19.副腎髄質と副腎皮質
はじめに/副腎の形態学/副腎髄質:髄質ホルモンの構造と機能/副腎髄質の分泌制御/副腎皮質:副腎皮質ホルモンの構造と生合成/副腎皮質ホルモンの輸送,代謝,排泄/副腎のアンドロゲンとエストロゲンの効果/グルココルチコイドの生理的効果/グルココルチコイドの薬理的効果と病的効果/グルココルチコイド分泌の調節/ミネラルコルチコイドの効果/アルドステロン分泌の調節/ミネラルコルチコイドの塩分均衡における調節作用/ヒトの副腎機能亢進症と機能低下症についての要約
20.甲状腺
はじめに/甲状腺の発生,形態および細胞の種類/甲状腺ホルモンの合成および分泌/甲状腺ホルモンの輸送および代謝/甲状腺ホルモン分泌の調節/甲状腺ホルモンの作用/甲状腺機能の異常
21.カルシウムとリン酸代謝の内分泌性制御と骨の生理学
はじめに/カルシウムとリンの体内におけるバランス/ビタミンDとヒドロキシコレカルシフェロール類/副甲状腺(上皮小体)/カルシトニン/他のホルモンや液性因子のカルシウム代謝への効果/骨の生理学
22.女性生殖器系の発達と機能
はじめに/性の分化と発達/女性生殖器系
23.男性生殖器系の機能
はじめに/男性生殖器系
24.膵臓の内分泌機能と炭水化物代謝の調節
はじめに/膵島細胞の構造/インスリンの構造,生合成および分泌/分泌されたインスリンの変化過程/作用機構/インスリン欠乏の徴候/インスリン過剰/インスリン分泌の調節/グルカゴン/その他の膵島ホルモン/他のホルモンと運動の炭水化物代謝に及ぼす効果/ヒトの低血糖症と糖尿病
第IV編 消化器生理学
25.消化器のはたらきとその調節の全体像
はじめに/消化液の分泌/消化管機能の調節/ ホルモン/傍分泌 /腸神経系/消化管粘膜の免疫システム/消化管の血液循環(内蔵循環)
26.消化と吸収,および栄養学の基礎
はじめに/栄養学の基礎/消化と吸収:炭水化物/タンパク質および核酸/脂質/ミネラルおよびビタミンの吸収/食物摂取の調節
27.消化管運動
はじめに/消化管運動の一般的様式/部位特異的運動様式/胃/小腸/結腸
28.肝臓の輸送機能と代謝機能
はじめに/肝臓/肝臓の機能/胆道系
第V編 心血管の生理学
29.心臓の自動性と電気的活動
はじめに/心臓興奮の発生源と伝播/心電図/臨床への応用:心臓不整脈/その他の心臓および全身的疾患の心電図所見
30.ポンプとしての心臓
はじめに/心臓の機械的活動と心周期/心拍出量
31.体液の循環成分としての血液,血液とリンパの循環力学
はじめに/体液の循環成分としての血液/骨髄/白血球/血小板/赤血球/血漿/リンパ/血液型/止血/循環系の機能形態学/生物物理学的考察/動脈と細動脈での循環/毛細血管循環/静脈循環/リンパ循環と間質液量
32.循環の調節機序
はじめに/心血管系の神経性調節/局所調節/血管内皮細胞から分泌される物質/ホルモンや神経分泌物質による全身的調節機序
33.特殊部位の循環
はじめに/脳の循環:脳血管の形態/脳脊髄液/血液脳関門/脳血流量とその調節/脳の代謝と酸素需要/冠状循環/皮膚の循環/胎盤の血行,胎児の循環
第VI編 呼吸生理学
34.肺の構造と機能 序論
はじめに/肺の解剖/呼吸のメカニクス/肺内ガス交換/肺循環
35.ガス輸送とpH
はじめに/酸素輸送/二酸化炭素輸送/アシドーシスとアルカローシス/低酸素症/低酸素血症/低酸素血症を来す疾患/他の低酸素症の病型/高炭酸ガス血症と低炭酸ガス血症
36.呼吸の調節
はじめに/呼吸の神経性調節/呼吸活動の制御/呼吸の化学性調節/呼吸に影響する非化学的因子/呼吸異常/運動の効果
第VII編 腎生理学
37.腎機能と排尿
機能的構造/腎循環/糸球体濾過/尿細管の機能/ナトリウム排出の調節/水排泄の調節/カリウム排泄の調節/利尿薬/腎機能障害/膀胱
38.細胞外液の組成と量の調節
はじめに/有効浸透圧濃度変動に対する防衛/細胞外液量変動に対する防衛/レニン-アンジオテンシン系/心筋その他に由来するナトリウム利尿ペプチド/特定のイオン組成変動に対する防衛/エリスロポエチン
39.尿の酸性化と重炭酸イオン排泄
はじめに/腎臓のH+分泌/H+濃度変動に対する防御