心臓デバイス植込み手技に関する標準的方法を提起する書籍として初版を刊行してから7年，満を持しての改訂版となる．初版刊行後，2016年1月に皮下植込み型除細動器が保険承認されるなど本領域の進歩は著しく，本改訂版ではこれらの新規デバイスを盛り込むほか，新知見を反映した最新の内容となっている．

【内容目次】
I章　心臓デバイス植込みの基礎
　1　手術手技の基本
　　A　手術環境
　　B　手術器械
　　C　患者の術前処置，常用薬剤の中止，予防的抗菌薬投与
　　D　手指消毒
　　E　患者の入室，体位固定
　　F　術野の消毒，覆布
　　G　局所麻酔
　　H　穿刺が先か，皮膚切開が先か
　　I　皮膚切開，組織剥離
　　J　止血
　　K　電気メス
　　L　縫合
　　M　創処置
　　N　ドレナージ
　2　デバイス感染予防
　　A　感染危険因子
　　B　エビデンスに基づいた感染予防への提言
　　C　手術手技
　　D　術後の創処置
　　E　手術環境，手術機械の滅菌
　　F　感染多発に対しての解決方法
　3　植込みに必要な解剖学的知識
　　A　ペースメーカーリード挿入に必要な解剖
　　B　ペースメーカーリードの心腔内誘導に必要な解剖
　　C　ペースメーカーリード留置に必要な解剖
II章　植込み手技の実際
　1　植込み手順
　　A　手術までの流れ
　2　リードの挿入方法，静脈アクセス
　　A　静脈アクセスについての総論
　　B　静脈切開法
　　C　静脈穿刺法
　3　リードの選択とその操作
　　A　リードの種類
　　B　リードの構造
　4　ICDとリードの選択
　　A　single chamber ICD vs.dual chamber ICD
　　B　single coil ICD lead vs.dual coil ICD lead
　5　リードの留置・固定・ポケット内処理
　I．リードの留置
　　A　心房リード
　　B　右室リード
　　C　心室中隔ペーシング
　　D　シングルリードVDD リード
　　E　左室リード
　　F　ショックリード
　　G　心筋電極およびアプローチ法
　　H　パッチ電極，アレイ電極
　II．リードの固定
　III．リードのポケット内処理
　6　シース・デリバリー・リードシステム
　　A　シース・デリバリー・リードシステム（SelectSecureTM）の構造
　　B　静脈アクセス
　　C　心腔におけるデリバリーカテーテルの操作
　　D　リード先端の固定（screw-in）
　　E　リード固定の確認
　　F　デリバリーカテーテルのスリッティング
　　G　留置位置の変更
　7　ポケットの作製方法
　　A　ポケット作製の基本
　　B　大胸筋筋膜上ポケット
　　C　大胸筋筋膜下ポケット
　　D　大胸筋筋内・筋下ポケット
　　E　リードが先か，ポケットが先か（穿刺手順とポケット作製）
　　　（1）はじめに皮膚から穿刺法を行う場合，小切開で橈側皮静脈切開法を行う場合
　　　（2）リード操作とポケット作製
　　F　ポケットの位置をリード挿入部位と分ける方法
　　G　デバイス植込み部位：右側か，左側か
　8　S-ICD（完全皮下植込み型除細動器）
　　A　S-ICDとは
　　B　S-ICDの有用性と限界
　　C　体表心電図のスクリーニング
　　D　S-ICD植込み手技
　9　リードレスペースメーカー
　　A　MicraTMの構造
　　B　MicraTMのデリバリーカテーテル/イントロデューサー
　　C　MicraTMの植込み手技
III章　術中・術後の管理と合併症対策
　1　術中チェック
　　A　心内電位波高，閾値，インピーダンスの確認
　　B　far field sensing
　　C　ICDのDFTの測定およびULVについて
　2　リード固定，収納，閉創
　　A　本体固定，止血，洗浄，収納
　　B　閉創
　　C　皮膚縫合法
　　D　圧迫固定
　3　術後の管理
　　A　安静度
　　B　創部の処置
　　C　抗菌薬
　　D　モニター，検査，ペースメーカーチェックなど
　4　ジェネレーター交換術，ポケットの処置
　　A　術前準備
　　B　ポケット内到達とリードの剥離
　　C　本体の交換とリードチェック，除細動テスト
　　D　アップグレードとポケットの拡張
　　E　閉創
　5　合併症とtroubleshooting
　　A　術中・術後早期合併症
　　B　ポケットトラブル
　　C　リード損傷・穿孔，dislodgement，横隔神経刺激
　　D　左上大静脈遺残，鎖骨下静脈閉塞，上大静脈症候群
　6　デバイス感染症とリード抜去
　　A　デバイス感染症
　　B　リード抜去
　　C　リード抜去の適応
　　D　リード抜去を行う条件
　　E　リード抜去手技の実際
索引