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書名

皮膚科ジェネラリスト漢方 ―皮膚疾患を中心とするプライマリー診療

筆頭著者

橋本喜夫・著

出版社名

メディカルユーコン

ISBNコード

ISBN978-4-901767-34-7

発行年

2017年6月

判型 / 頁数

A5判 / 368頁

分類

臨床医学系/皮膚科学

価格

定価4,180円(本体3,800円 税10%)

内容

「漢方薬偏重主義」および「西洋医学治療の拒否」により、紅皮症になり極度に悪化して大学病院皮膚科を受診する患者があまりに多く、そのため本来役立つはずの漢方薬が悪役にされてしまう現実もそこにはある……皮膚科学のトップランナー達が得心するような漢方治療書が必要……著者が本書を世に出そうとした動機はまさにここにある。

本書で言う「皮膚科ジェネラリスト」とは今注目されている「総合診療医」という意味ではない。「皮膚科疾患を持った患者が訴えたり呈したりした皮膚科以外の諸症状もプライマリーに診ることのできる皮膚科医」という意味である。そしてこの総合診療医の役割の一端を担うためには漢方エキス製剤を縦横に駆使することが早道だと著者はいう。さらに科を問わず専門性を追求して専門医やサブスペシャリティーへ向かうにしろ、総合診療医への方向へ進んでいくにしろ必要なものが漢方医学だともいう。

皮膚科専門医が皮膚科疾患を診る上で、最先端の西洋医学をもってしても患者のQOLの改善や、症状の寛解を得られない場合にどのように漢方エキス製剤を用いればよいかを症例・写真とともに示し、ともすると皮膚科医が苦手な皮膚以外の内科的な諸症状も漢方医学を通してプライマリーに診療できるように本書は執筆編集されている。また総合診療医やスーパージェネラリストにとっても日常診療で遭遇する慢性難治性皮膚疾患に対してどのように対峙し、どのような漢方処方を選択するべきかが最先端の知見を含めて分かりやすく解説されている。

著者は漢方専門医である前に皮膚科専門医のトップランナーの一人でもある。随所に皮膚科の視点が込められているところが本書の最大の特徴でもある。33年間臨床に携わり日々100名以上の患者の診療に当たるという豊富な臨床経験を背景に、皮膚科疾患を中心とする様々な病態に対し処方のバリエーションが再現可能な形で確立されているため、読者には大変参考になると思われる。

目次

第Ⅰ章  漢方医学概論……1
 (1)漢方医学の歴史と概念……2
 (2)漢方製剤運用上の基礎知識……4
   1)証について……漢方的病態を把握するための基本概念……4
   2)陰陽・表裏・寒熱・虚実の概念……5
   3)「気・血・水」という概念……11
   4)臓腑学説……古代の生命論・エネルギー論……16
   5)漢方医学における診察法……21
   6)漢方治療の基本的考え……26

第Ⅱ章  漢方製剤解説……29
 (1)漢方エキス製剤の分類……30
 (2)使用上の注意と副作用……33
 収録製剤一覧……36

第Ⅲ章  皮膚科疾患の漢方治療……115
 (1)アトピー性皮膚炎……116
 (2)慢性湿疹・貨幣状湿疹・異汗性湿疹……134
 (3)脂漏性皮膚炎……145
 (4)手湿疹・進行性手掌角皮症……149
 (5)痒疹……153
 (6)尋常性ざ瘡……159
 (7)酒サ……172
 (8)酒サ様皮膚炎……175
 (9)蕁麻疹……184
 (10)円形脱毛症……196
 (11)乾癬……202
 (12)掌蹠膿疱症……211
 (13)血行障害性皮膚疾患……221
   (a)うっ滞性皮膚炎……222
   (b)慢性色素性紫斑……226
   (c)リべド(網状皮斑)・熱性紅斑……230
 (14)膠原病……235
   (a)強皮症……236
   (b)SLE・DLE・SCLEなど……243
   (c)皮膚筋炎……247
 (15)自己免疫性水疱症……250
 (16)悪性腫瘍……252
 (17)皮膚搔痒症・老人性皮膚搔痒症……254
 (18)多汗症……261
 (19)口腔粘膜疾患……263
 (20)帯状疱疹後神経痛……267
 (21)再発性単純疱疹……269
 (22)肝斑・老人性色素斑……272
 (23)アロディニア……274
 (24)皮膚異常感覚症候群(ムズムズ脚症候群を含む)……276

第Ⅳ章  周辺疾患の漢方治療……281
 (1)内科系疾患……283
 (2)消化器系疾患……294
 (3)整形外科系疾患……301
 (4)産婦人科系疾患……307
 (5)精神神経系疾患……314
 (6)腎泌尿器系疾患……324
 (7)眼科・耳鼻咽喉科系疾患……328
 (8)緩和ケア・がん医療……335
漢方製剤索引……338
病名・症候索引……347