生物学的製剤などにより治療分野での進歩を遂げている関節リウマチ（RA）の診療において、画像診断の有用性がクローズアップされている。本書では、従来の単純X線に加えて、RAの早期診断を可能にするMRIや超音波などの検査法、診断の基本から、外科治療も含めた進行期RAの診断までを解説。さらにRA新分類基準（ACR/EULAR2010）に準拠した鑑別診断を詳述。スコアリング法や定量的解析の可能性も紹介。放射線科医、リウマチ・膠原病内科医、整形外科医必読。総合内科医にも有用。

Part I 関節炎の画像診断法 1
1 関節炎の画像検査法
1.1 単純X線撮影法
1.2 MRI撮像法
1.3 超音波検査
1.4 CT撮像法

Part II 関節炎の画像診断
2 関節疾患読影の基本:単純X線診断
2.1 A:Alignment(骨の変形や配列の異常)
2.2 B:Bone density(骨濃度)
2.3 C:Calcification(石灰化)
2.4 D:Distribution(病変の分布)
2.5 E:Erosion(骨侵食)
2.6 S:Soft tissue(軟部組織腫脹)

3 早期関節リウマチ
3.1 関節リウマチの診断基準
3.2 早期関節リウマチ(early RA)の画像診断
3.3 早期RA:MRI所見
3.4 早期RA:単純X線所見
3.5 早期RA:超音波所見
3.6 早期RA:核医学所見

4 進行期関節リウマチ
4.1 上肢
4.2 下肢
4.3 頸椎

Part III 関節リウマチの鑑別診断
5 関節リウマチの鑑別診断
5.1 関節リウマチ類縁疾患
5.2 脊椎関節炎と類縁疾患
5.3 全身性結合組織病
5.4 手の変形性関節症・炎症性変形性関節症 hands osteoarthritis/erosive osteoarthritis
5.5 結晶誘発性関節症
5.6 全身性疾患に伴う関節炎
5.7 その他の疾患
5.8 ウイルス感染に伴う関節炎
5.9 リウマチと鑑別を要するまれな疾患・病態

Part IV 関節リウマチの定量評価
6 スコアリング
6.1 関節リウマチ(RA)のスコアリング:歴史的発展過程
6.2 X線:mTSS(modified total Sharp Score)
6.3 MRI
6.4 超音波検査

7 定量的解析
7.1 単純X線写真
7.2 超音波検査
7.3 MRI

Appendix:画像診断に必要なRAの知識
A1 関節リウマチ分類基準
A2 寛解と疾患活動性評価法
A3 関節リウマチの診断における画像利用法のEULAR勧奨