周術期エコーはもちろん，術前外来での評価や緊急症例のルールアウトまで，ベッドサイドで行う超音波検査“point-of-care ultrasound”のすべてをまとめた解説書。全国展開するワークショップのインストラクターでもある執筆陣が、その経験から得た描出のコツや間違えやすいポイント、有効活用のためのノウハウなどを余すことなく伝授する。周術期管理に携わる医師必携の書。

まえがき
Part 1 何がどう見えるのか
1章 描出設定とノボロジー,プローブの特徴
最適な画像を得るために,各種設定を調節してみよう
2章 Airway:気道エコー
空気が織りなす虚像と実像から気道を観察しよう
3章 Breathing:肺エコー
肺も超音波で診る時代,ベッドサイドで活用しよう
4章 Circulation:FATE
緊急病態の把握に役立つFATEをやってみよう
5章 Dysfunction of CNS:視神経鞘エコー
ベッドサイドで非侵襲的にICPをモニタリングしよう
6章 DVT:下肢静脈エコー
すでに確立された下肢静脈エコーをDVTの診断に活用しよう
7章 頸動脈エコー
重症病変のルールアウトに頸動脈エコーを使ってみよう
8章 膀胱エコー
初めてでも簡単 悩むぐらいなら当ててみよう
9章 胃エコー
麻酔科医にとって必須手技となる胃エコーを活用しよう

Part 2 臨床応用の方法
症例1 心肺蘇生中の食道挿管
胸骨圧迫中の気管挿管は気道エコーで確認できる
症例2 術後の反回神経麻痺
超音波で声帯の動きを非侵襲的に観察できる
症例3 COPD患者の呼吸困難
肺エコーでCOPDと心原性肺水腫を鑑別する
症例4 救急外来の呼吸不全患者
閉塞性ショックを見抜き,肺塞栓を診断する
症例5 ショック1
循環血漿量減少性ショックを見抜く
症例6 ショック2
心原性ショックを見抜く
症例7 神経ブロック後の気胸
超音波ガイド下で穿刺し,気胸の確認にも超音波を活用する
症例8 人工呼吸離脱困難患者の経皮的気管切開
気管切開時の合併症軽減のために気道エコーを活用する
症例9 術後の意識障害
簡単便利に,迅速に,意識障害を超音波で鑑別せよ!
症例10 尿道カテーテル留置後の血尿
いつもの手技でも安易な施行は慎み,超音波で確認する
症例11 Outpatient Perioperative UltraSound(OPUS)
麻酔前診察の超音波検査で何がわかるのか?
症例12 J-FALCON screening
周術期管理のための,お手軽超音波スクリーニング手法

Part 3 ABCD sonographyワークショップ
序章 ABCD sonographyワークショップ概論
A 気道コース
B 肺コース
C 心臓コース
D-1 眼球コース
D-2 頸動脈エコー