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書名

姿勢から介入する摂食嚥下 脳卒中患者のリハビリテーション

筆頭著者

内田 学・編

その他著者等

監修:森若 文雄

出版社名

メジカルビュー社

ISBNコード

ISBN978-4-7583-1904-1

発行年

2017年9月

判型 / 頁数

B5判 / 224頁

分類

リハビリテーション/嚥下障害

価格

定価4,950円(本体4,500円 税10%)

内容

脳卒中患者に出現する嚥下障害について姿勢調節異常という観点から解説し,摂食行為における評価と介入の具体例について紹介する。言語聴覚士としての介入方法は勿論のこと,理学療法士や作業療法士が関与する必要のある「姿勢と摂食嚥下」の視点について多く紹介。食事時に咽せたり誤嚥を生じている患者に対してPT・OTに「いま何が出来てどう改善できるか」を,実際のリハ現場の写真を豊富に掲載して具体的に解説した。
咽頭や喉頭は身体の最上部に位置する運動機関であり,抗重力位の中では骨盤帯や体幹の位置に影響される。嚥下機能を運動機能の一部と捉え,頸部・頭部を支える体幹の役割とそのリハビリテーションについて,脳卒中患者に多くみられる姿勢調節障害も含めて解説し,より良い運動機能の発揮を目指すことで嚥下障害の改善につなげるための1冊。

目次

1章 脳卒中患者における誤嚥の現状  山口育子
 脳卒中
 脳卒中患者の摂食・嚥下障害のとらえ方
 脳卒中の病態による特徴
 時期区分による摂食・嚥下障害の現状
 摂食・嚥下障害の経過と予後予測
 まとめ

2章 脳卒中患者における低栄養の現状  高橋浩平
 はじめに
 低栄養とは
 脳卒中における低栄養の現状
 脳卒中における低栄養のリスク因子
 脳卒中と肥満
 栄養評価方法
 脳卒中における栄養介入効果
 おわりに

3章 脳卒中患者に生じる摂食嚥下障害  最上谷拓磨
 正常嚥下のメカニズム−摂食嚥下機能の概論
 摂食嚥下の運動様式と神経生理学
 脳卒中患者が摂食嚥下障害を起こすメカニズム

4章 脳卒中患者の嚥下障害の評価  山口育子
 問診とフィジカルアセスメント
 スクリーニング検査
 機器を用いた検査
 総合的な嚥下能力評価
 まとめ

5章 STの視点からみた嚥下練習
1. 一般的に実施される脳卒中患者の嚥下練習  藤田賢一
 間接訓練
 直接訓練
 咳嗽の練習

2. STが感じる嚥下障害の難しさ  相原元気
 摂食嚥下評価とその重要性
 言語聴覚士の摂食嚥下領域での役割
 実際の評価・訓練場面
 摂食嚥下障害への介入の難しさ
 医療保険,介護保険の改定から見えてくるもの

6章 姿勢と嚥下の関係  酒井康成,山鹿隆義
 嚥下動作と姿勢による嚥下筋活動の変化
 各嚥下期における姿勢の影響
 脳卒中患者の姿勢と嚥下,姿勢管理による治療
 姿勢管理が嚥下動態および誤嚥に与える影響

7章 脳卒中患者の姿勢調節障害  内田 学
 姿勢調節(postural control)
 脳卒中による姿勢調節異常
 脳卒中患者における姿勢調節異常と摂食嚥下機能
 まとめ

8章 脳卒中患者に対する姿勢調節と嚥下練習の意義  内田 学
 摂食と姿勢
 嚥下を意識した姿勢調節の方法
 まとめ

9章 姿勢を意識した嚥下練習の実際
1. バランス障害:体幹機能と嚥下障害の関連  水野智仁
 体幹機能と嚥下障害の関連
 病期別で姿勢を意識した嚥下練習
 体幹機能の改善を目的とした運動療法
 おわりに

2. 低緊張患者:弛緩性麻痺が及ぼす嚥下障害  井上姫花
 弛緩性麻痺とは
 弛緩性麻痺の影響
 リハビリテーションの実際
 まとめ

3. 痙性麻痺患者  水野智仁
 頭頸部機能と嚥下障害の関連
 病期別で姿勢を意識した嚥下練習
 頭頸部機能の改善を目的とした運動療法
 おわりに

10章 脳卒中患者に対するシーティング  最上谷拓磨
 シーティングの目的
 シーティングの方法

11章 食事環境が引き起こす嚥下の問題点  菊池昌代,香川健太郎
 脳卒中患者の食事環境
 脳卒中患者の座位バランス障害
 摂食動作における上肢の巧緻性と座位バランス
 脳卒中患者の摂食動作の問題点
 食事環境の設定
 まとめ

12章 食事動作が引き起こす嚥下の問題点  相原元気
 はじめに
 嚥下機能と姿勢の関係
 食事動作と嚥下機能の問題点
 症例を通しての嚥下と姿勢,食事動作の関係

13章 食事場面における作業療法の実際  菊池昌代,香川健太郎
 はじめに
 症例報告:脳梗塞後遺症−低緊張
 食事動作の問題点
 食事動作の改善のポイント
 食事動作における評価のまとめ
 治療介入の具体例
 食事場面の変化
 まとめ

14章 脳卒中患者における呼吸機能と嚥下の関係性  酒井康成
 呼吸中枢と嚥下中枢
 脳卒中患者における呼吸機能の特徴
 脳卒中患者の姿勢の違いによる呼吸機能の変化
 呼吸機能と嚥下機能の関係
 人工呼吸器関連肺炎との関係
 摂食・嚥下障害患者における呼吸機能評価と呼吸理学療法

15章 チームで介入する,脳卒中患者に対する摂食嚥下リハビリテーション  香川健太郎
 はじめに
 チームアプローチの意義
 各時期における摂食・嚥下リハビリテーション
 最後に