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書名

リアルワールドデータの真っ赤な真実 ―宝の山か,ごみの山か

筆頭著者

山下武志・著

出版社名

南江堂

ISBNコード

ISBN978-4-524-25273-2

発行年

2017年7月

判型 / 頁数

A5判 / 140頁

分類

医学一般/医療統計学・医学情報学

価格

定価2,970円(本体2,700円 税10%)

内容

臨床現場における処方の実態や有効性,副作用を示すものとして,近年,注目を集めている“リアルワールドデータ(RWD)”.一体どのようなデータなのか,読む際のコツや注意すべきポイントは何か,難解なテーマをやさしく明快に解説.リアルワールドデータを賢く読んで診療に役立てるためのエッセンスをこの1冊に凝縮した.医療ビッグデータの活用が加速しつつある今だからこそ,ビギナーから患者に質の高い医療を実践したい医師まで,すべての医療者にオススメする.

目次

【内容目次】
第1章 花盛りのリアルワールドデータ(RWD)に戸惑っていませんか?
 1 RWDとは何?
  最近よく耳にするRWDという用語
  なぜ今,RWDなのか?
 2 PubMedにみるRWDの現状
  RWDのトレンドをみてみる
  トレンドとなる背景
 3 膨大なRWDを少しだけ実感してみる
  巷にあふれるRWD
  あふれているRWD…その中身は?
  RWDは多様性を持っている
第2章 「無作為化比較研究(RCT)は観察研究より上位」という考え方にすぐ納得できますか?
 1 エビデンスのピラミッド
  エビデンスのピラミッドが生みだす盲信
  エビデンスレベルが高いものをそのまま現場にあてはめてよいのか?
 2 「efficacy」と「effectiveness」は違う
  「efficacy」とRCT
  「effectiveness」とRWD
  似ているようで異なる2つの単語
  ちなみに「efficiency」とは?
 3 臨床現場は二度変わる
  RCTによるefficacyの証明
  effectivenessを見出せないRWDもある
 4 RCTとRWDの順序が持つ意味
  RCD(RCT発表前)とRCT
  RWD(RCT発表後)とRCT
  RCDとRWD
  いつも一致するわけじゃないRCTとRWDの解析結果の受け止め方
 5 RWDしか存在できないという現実
  超高齢者をRCTの対象にしてみたら
  登録できない患者が多いという現実
第3章 RWDを読むコツ
 1 RWDを読む前提(1):「真実はただ一つ」という誤解から解き放たれておく
  現実の医療では「答えは一つ」じゃない
  RWDの多様性を実感してみる
  「真実は一つではない」:多様性からみえるもの
 2 RWDを読む前提(2):「クリニカルクエスチョンに答える」が目的?
  RWDの目的がぼやけていないか?
  RWDをどのように扱えばよいだろう
  RWDの活用には自らの準備,課題意識が必要
  RWDの強みはどんなときに発揮される?
 3 RWDを読む前提(3):RCTを読むリテラシーが必要
  「結果」がいつも正しい真実とは限らない
  「偶然」による結果
  「バイアス」が影響した結果
  結果をみる際の心得
 4 RWDを読むための3つのキーワード
  まずは3つの前提を念頭に
  次に3つのキーワードに注目する
 5 「標的集団」に注目する
  RWDを疾患単位でとらえる落とし穴
  RWDにおける患者はどんな患者か?:標的集団を意識する
  誰が診療を行ったRWDなのかに着目する
  標的集団が自分の意図するものかどうか
 6 結果ではなく「課題意識」に注目する
  データベースが作成された意図や資本をチェック
  RWDの論文タイトルに筆者の主張が表されていないか?
  自分なりにRWDの信頼度,重要度をはかる
 7 「患者数」と「イベント数」に注目する
  「約」という感覚が持つ重要性
  「約」の感覚をRWDでどう生かすか?
第4章 あふれた「リアルワールド」にある,自分にとっての有益な情報
 1 発展する保険データベース(ビッグデータ)を読む際の注意
  患者登録研究と保険データベース研究は異なる
  実例にみる保険データベース研究
  診療報酬明細書から成立したデータベース
  どうやって研究対象者を抽出するのか?
  診断的中率の誤差は大きい
  保険データベース研究の意義と限界を知る
 2 みんなにとってのRWD,自分にとってのRWD
索引