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書名

なぜパターン認識だけで腎病理は読めないのか?

筆頭著者

長田道夫・他著

その他著者等

門川 俊明 編集

出版社名

医学書院

ISBNコード

ISBN978-4-260-03169-1

発行年

2017年6月

判型 / 頁数

B5判 / 200頁

分類

臨床医学系/腎臓・透析

価格

定価4,950円(本体4,500円 税10%)

内容

臨床に活かせる病理診断のあり方と実践について、「腎病理に詳しい病理医」と「腎生理を専門とする臨床医」が徹底トーク。腎病理を読み解くために必要な“本当の知識”と、病理所見から得るべき“真の情報”の輪郭を、2人の専門家のクロストークが浮き彫りにする新感覚の病理解説本が登場!

目次

まえがき

第1章 アトラスだけでは病理診断はできない

第2章 パターン認識の復習
 病型診断に,まずパターン認識が必要
 メサンギウム増殖
 管内増殖
 管外増殖
 係蹄壊死
 膜性病変
 糸球体硬化
 いくつかのパターンが複合している病型の例
 尿細管間質病変
 動脈硬化
 でもパターンだけでは病型診断は難しい

第3章 病型診断ができるようになるためのスキル
 病型診断の基本的ルール
 病型診断のための6つのステップ
  Step 1 標本をざっと観察する:特殊染色を使い分ける
  Step 2 病変の首座を決定する:臨床経過を少しだけ参考にする
  Step 3 首座の病変を形成するパターンを抽出し,主病変から主病診断名を決める
  Step 4 主病変に時間軸を入れて副病変を決めて現在の病態を理解する
  Step 5 首座とは関連しない病変を見出し,別の病型診断をする
  Step 6 病型診断が臨床経過に矛盾しないか確認し,病態の解釈をコメントする
 病型診断上達の極意

第4章 病因診断のための蛍光抗体法と電顕
 蛍光抗体法をなぜ行わなければならないか
 蛍光抗体法の読み方,ここでもパターンが大事
 補体沈着の意味は本当にわからない
  C3の沈着をみたら
  C1qについて
 蛍光抗体法陰性の場合には臨床情報と病型診断を見直す
 電顕は補助診断として有用かつ最終診断となる場合も
  蛍光抗体陰性での電顕の意味
  沈着物
  補助診断の意味
 [Supplement 2]単クローン性免疫グロブリン(M蛋白)関連腎症のおさらい
 [Supplement 3]電顕の読み方のおさらい

第5章 代表的疾患の病態を理解する病理の読み方
 IgA腎症
  IgA腎症はアジア人に多い
  IgA腎症の組織学的特徴
  進行するIgA腎症と進行しないIgA腎症の見分け方
  病理から見たIgA腎症の症候の理解
 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)
  FSGSの病理組織
  FSGSのコロンビア分類
  二次性FSGS
  FSGSの基本はポドサイト障害
 膜性腎症
  膜性腎症の腎病理像
  特発性膜性腎症と二次性膜性腎症
  病理所見から見た膜性腎症の症状
  膜性腎症の進行
 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)
  MPGNの病理像
  免疫複合体型MPGN
  補体依存型MPGN
  免疫グロブリンや補体が関連しないMPGN
 ANCA関連腎炎
  ANCA関連腎炎は血管炎症候群
  ANCA検査
  ANCA関連血管炎の進行性は病理で判断できるか
  病理所見からみたANCA関連血管炎の治療
  ANCA関連血管炎と抗GBM病で半月体ができやすい理由
  ANCAと抗GBM抗体の重複陽性の考え方
 ループス腎炎
  ループス腎炎の腎病理像
  ループス腎炎のISN/RPS分類
  腎病理組織像と治療反応性
 糖尿病性腎症
  糖尿病がなくて,糖尿病結節がある病気
  結節がないときに,どうやって糖尿病性腎症と診断するか
  糖尿病性腎症で腎生検をするとき
  糖尿病と高血圧の合併
 血栓性微小血管症(TMA)
  TMAって,最近多すぎませんか?
  生物学的製剤によるTMA
  TMAで蛋白尿が出るメカニズム
 尿細管間質障害
  尿細管間質性腎炎
  尿細管の変性と壊死

第6章 実際に病理診断をしてみる
 症例(1)
 この症例の病型診断は?
  症例(1)のまとめ
 症例(2)
 この症例の病型診断は?
  症例(2)のまとめ

あとがき
索引