咳診療の鉄則，咳の診断ツール，各疾患の各論，鎮咳薬の使い方，実際の戦略の組み立て，著者が出会った珍しい咳嗽など，「咳」についてあらゆる角度から解説を行った．

目次
第1章 咳嗽とは何なのか　　　1
1．咳嗽という漢字?2
2．咳嗽の定義?3
3．咳嗽のメカニズム?5
4．知っておきたい咳嗽パラメータ12
第2章 咳嗽の概論　　　15
1．急性咳嗽17
2．遷延性咳嗽・慢性咳嗽の原因疾患18
3．咳嗽グラフ23
4．喀痰の有無23
5．咳嗽発生時間帯24
第3章 咳嗽を診療する前の鉄則　　　27
1．あらゆる疾患が咳嗽を呈しうる28
2．咳嗽のレッドフラグ28
3．患者さんのQOLを第一に考える29
第4章 咳嗽の診断ツール　　　31
1．問診32
2．咳嗽強度，咳嗽関連QOL37
3．身体所見42
①バイタルサイン43
②鼻の観察43
③口腔咽頭の観察43
④聴診44
⑤四肢診察45
⑥視診45
4．検査47
①胸部X線写真47
②呼吸機能検査47
③呼気一酸化窒素濃度（FeNO）51
④気道過敏性検査51
⑤気管支平滑筋収縮誘発咳嗽反応検査（メサコリン咳誘発検査）56
⑥咳受容体感受性検査（カプサイシン咳感受性検査）57
⑦モストグラフ57
⑧血液検査59
⑨喀痰・咽頭ぬぐい液検査62
⑩気管支鏡検査63
⑪複数の検査の組み合わせによる慢性咳嗽の判定63
第5章 急性咳嗽疾患　　　65
1．かぜ症候群などの急性気道感染症66
2．キラー咳嗽疾患70
第6章 遷延性咳嗽・慢性咳嗽疾患各論　　　73
1．感染後咳嗽：百日咳，マイコプラズマ，クラミドフィラ74
①百日咳75
②マイコプラズマ78
③クラミドフィラ84
2．結核，非結核性抗酸菌症，肺アスペルギルス症87
①結核87
②非結核性抗酸菌症89
③肺アスペルギルス症92
3．喘息94
4．?好酸球性気道炎症疾患：咳喘息，アトピー咳嗽，
非喘息性好酸球性気管支炎102
①咳喘息102
②アトピー咳嗽109
③非喘息性好酸球性気管支炎116
④好酸球性気道炎症疾患のまとめ120
5．?副鼻腔気管支症候群（sinobronchial syndrome：SBS），
気管支拡張症122
6．?上気道咳症候群（upper airway cough syndrome：UACS，
後鼻漏症候群，鼻炎を含む）132
7．?好酸球性副鼻腔炎（eosinophilic chronic rhinosinusitis：ECRS）139
8．胃食道逆流症143
9．COPD152
10．慢性誤嚥157
11．特発性肺線維症164
12．喫煙咳嗽171
13．薬剤性咳嗽172
①ACE阻害薬172
②フェンタニル173
③薬剤性気管支攣縮174
④薬剤性肺障害174
14．somatic cough syndrome（SCS），心因性咳嗽176
15．?cough hypersensitivity syndrome（CHS），
laryngeal hypersensitivity（LH）179
16．気道異物187
第7章 非特異的鎮咳薬　　　189
1．??中枢性麻薬性鎮咳薬：コデインリン酸水和物（リンコデ），ジヒドロ
コデインリン酸，オキシメテバノール（メテバニール?）190
2．中枢性麻薬性鎮咳薬：塩酸モルヒネ192
3．?中枢性非麻薬性鎮咳薬：デキストロメトルファン（メジコン?，アス
トマリ?，シーサール?）193
4．?中枢性非麻薬性鎮咳薬：ジメモルファン（アストミン?，ジメモルミンDS?），チペピジン（アスベリン?），エプラジノン（レスプレン?），ペントキシベリン（トクレス?，ガイレス?），クロペラスチン（フスタゾール?），ベンプロペリン（フラベリック?），クロフェダノール（コルドリン?），ノスカピン（ノスカピン?）196
5．ハチミツ，ハチミツコーヒー198
6．マクロライド系抗菌薬長期療法201
7．対症療法としての吸入薬205
8．漢方薬（麦門冬湯，小青竜湯，清肺湯，柴朴湯）207
9．その他210
第8章 実際の戦略の組み立て　　　213

第9章 珍しい咳嗽たち　　　227


日本語索引237
欧文索引241
略語索引244
薬剤名索引246

装丁　　谷川　幸