書名 |
介護市場の経済学 ―ヒューマン・サービス市場とは何か |
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筆頭著者 |
角谷快彦・著 |
出版社名 |
名古屋大学出版会 |
ISBNコード |
ISBN978-4-8158-0833-4 |
発行年 |
2016年2月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 266頁 |
分類 |
医学一般/医療制度(医事法制、医療経済) |
価格 |
定価5,940円(本体5,400円 税10%) |
競争市場を通じたヒューマン・サービスの供給はいかにあるべきか。一定の成果をあげている日本の介護市場を事例に国際的視野でその政策モデルを検証、ケア品質の向上と効率性の両立を可能にする社会システムを領域横断的に示して、理想の介護市場モデルを包括的に描き出す。
序 章 ヒューマン・サービスの時代と新しい経済学
1 高齢者介護の事例を研究する意義
2 日本の事例を研究する意義
3 研究デザインと手法
4 研究対象分野
5 構成と論点
第1章 市場を通じた介護サービスの供給
1 ヒューマン・サービスへの政府の介入の歴史的背景
2 市場を通じたヒューマン・サービス供給の一般化
3 介護市場における質の問題
4 公共政策モデル —— 官僚制から市場活用へ
5 ヒューマン・サービス供給におけるケア品質問題の原因
第Ⅰ部 ヒューマン・サービス時代の経済学モデル
第2章 介護市場モデル
1 ケア品質モデルとは
2 ケア品質モデルの問題点
3 ケア品質モデル問題の原因
4 介護市場モデル —— 市場競争をケア品質の改善に仕向ける
おわりに —— 介護市場モデルに対する疑問
第3章 実装可能性の検証
1 ユニバーサルな介護給付制度
2 被介護者のコンディションに応じ標準化されたケア
3 価格競争の排除
4 介護保険の枠組みの外にある市場
5 4つ目の要件 —— ケア品質情報の公開
6 必須の外部評価
おわりに
第4章 介護市場での実装効果性の検証
1 検証モデルの概説
2 検証方法とデータ
3 結 果
おわりに
第5章 財政的持続可能性
1 財政負担とユニバーサル給付
2 「規模の経済」 の重要性
3 財の統一性と所得格差
4 低所得者のみへの給付制度における質の改善
おわりに —— ここまでの結論
第Ⅱ部 ヒューマン・サービス時代の品質評価
第6章 アウトカム評価とプロセス評価
1 業績評価手法の説明
2 アウトカム型業績評価手法の問題
3 プロセス型業績評価手法
4 プロセス型業績評価手法の問題
5 ヒューマン・サービス分野で優位性を持つプロセス型
6 介護政策モデル
7 公共政策モデルを修正する
おわりに
第7章 プロセス評価の優位性
1 米国と日本におけるケア・ワーカーの定義
2 米国におけるアウトカム型業績評価手法
3 日本におけるプロセス型業績評価手法
4 介護政策モデル —— 政府と供給者の交流の促進
5 介護政策モデルの下でのプロセス型業績評価手法の効果
6 プロセス型業績評価モデルの好循環
おわりに
第8章 ケア・ワーカーの訓練
1 ケア・ワーカーの訓練の概要
2 ケア・ワーカーの定義
3 日本で極めて長い研修時間
4 2つのフェーズからなる訓練内容
5 資格試験
おわりに —— 優秀な人材を惹きつけるために
第9章 介護政策モデルの持続可能性を担保する産業政策
1 経済成長の源泉になる介護
2 産業振興策の財源
3 日本の介護市場の課題
おわりに
終 章 日本発の 「介護市場の経済学」 として
1 ヒューマン・サービス市場の設計
2 プロセス型業績評価モデル —— 利用者ニーズの反映
おわりに