書名 |
幹細胞と再生医療 ≪サイエンス・パレット≫ |
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筆頭著者 |
中辻憲夫・著(京都大学教授/京都大学 物質‐細胞統合システム拠点(iCeMS)設立拠点長) |
出版社名 |
丸善出版 |
ISBNコード |
ISBN978-4-621-08943-9 |
発行年 |
2015年6月 |
判型 / 頁数 |
新書判 / 224頁 |
分類 |
基礎医学系/生物学、分子生物学 |
価格 |
定価1,100円(本体1,000円 税10%) |

幹細胞や再生医療の話題はメディアで多く取り上げられている。次のような質問に答えられるだろうか?
・そもそも多能性幹細胞は何がすごい? ・ES細胞とiPS細胞の違いは? ・倫理問題はどうなっている? ・再生医療でどの病気の治療が可能になる? 本書は、この分野で日本をリードしてきた著者が、多能性幹細胞の特徴、倫理問題の本質、世界の状況、そして治療や創薬への応用について、いま私たちに必要な知識を提供する。基礎研究で得られた知見を実際の治療につなげるにはどのような技術やプロセスが必要か、実用化への道筋がわかるのが本書の特長。 人類に恩恵をもたらす再生医療を身近なものにするために、世の中に広まっている誤解を正し、専門家のみならずすべての市民が科学の適切な考え方を持てるようにとの思いで書かれた一冊。

1 多能性幹細胞の研究の歴史
きっかけはがん研究/ES細胞の誕生/初期化とiPS細胞
2 ヒトの発生過程
ヒトの受精と胚発生/ゲノムとエピゲノム
3 幹細胞とはどのような細胞か―組織幹細胞の例
臓器の維持と修復のための幹細胞/造血系と神経系の幹細胞
4 多能性幹細胞とはどのような細胞か
多能性幹細胞の種類と由来/初期化による多能性幹細胞/
ナイーブ型とプライム型/京都大学ヒトES細胞株樹立プロジェクト/
多能性幹細胞の有用性と課題
5 ES細胞やiPS細胞に関わる生命倫理と社会的対応
国内の生命倫理議論の問題点と波及効果/科学と生命倫理の考え方/
日本の状況
6 多能性幹細胞の可能性とリスク
実用化のためには何が必要か/多能性幹細胞株が持つリスク/
多能性幹細胞の改良研究は進行中
7 再生医療への応用と世界の状況
世界の現状/免疫拒絶への対応
8 新薬開発への応用
新薬開発のプロセスとコスト
9 再生医療のための技術開発―大規模な細胞培養生産技術
再生医療に必要な細胞数/2次元の平面培養から3次元培養へ/
スフェア培養法の有用性
10 再生医療のための技術開発―化合物による安定で低コストの分化誘導技術
化合物ライブラリーのスクリーニング/化合物を使った分化誘導/
化合物による分化誘導方法の有用性
11 まとめ
エピローグ
索引