実際の症例にもとづく，パーキンソン病と関連疾患の実践的な解説書が登場！各症例では，おさえておきたい知識を問う設問を神経内科専門医試験と同様の出題形式で掲載．診療方針決定のために見きわめるべきポイントを学べるほか，知識の整理にも役立つ．鑑別診断または治療法選択における，熟練者の思考プロセスがみえてくる一冊．

I．序 論

i．パーキンソン病の再定義
─疾患概念の広がりとMDSの診断基準─パーキンソン病の再定義の背景
パーキンソン病の新しい診断基準の構想
パーキンソン病の新しい診断基準
前駆期パーキンソン病（prodromal PD）の研究用診断基準


II ．パーキンソン病と類縁疾患の鑑別

1．パーキンソン病の鑑別診断に有用なテストは？
2． パーキンソン症候群との鑑別は？─（1）
3． パーキンソン症候群との鑑別は？─（2）
4． パーキンソン症候群との鑑別は？─（3）
5． レヴィ小体型認知症とアルツハイマー病との鑑別は？
6． 病初期から易転倒性を呈する症例の鑑別とは？
7． 脳血管性パーキンソニズムとの鑑別は？
8． 大脳皮質徴候を呈する症例における鑑別とは？
9． 急速に進行するパーキンソン病の背景とは？
10． 若年発症パーキンソン病の背景とは？
11． 診断における画像データの有用性とは？


III． パーキンソン病・パーキンソニズムの運動症状の治療

1． パーキンソン病の初期治療は？
2． 若年発症患者の上肢の巧緻運動障害・筋強剛に対する有効な治療とは？
3． ドパミンアゴニストの功罪とは？
4． 進行期パーキンソン病の治療は，どのようにするか？
5． ウェアリング・オフへの治療は，どのようにするか？
6．症状の日内変動が著しい進行期パーキンソン病に対して，どのようにL-ドパ治療をしていくべきか？
7．off症状に対する有効な治療とは？
8．服薬内容の変更によって生じうる症状とその対応とは？
9．体幹の傾きには，どのように対応するか？
10．腰曲がりには，どのように対応するか？
11．服薬内容の調整によってウェアリング・オフを改善できるか？
12．日内変動のある衝動制御障害を呈する患者に対し，どのように対応するか？
13．高齢患者における振戦と姿勢異常への治療とは？
14．STN-DBSを導入する際の適応判断は？
15．衝動制御障害を有する症例でのSTN-DBSの適応判断は？
16．GPi-DBSを導入する際の適応判断は？
17．DBSのターゲットを決定するには？


IV． パーキンソン病・パーキンソニズムの非運動症状・合併症の治療とケア

1． 痛みには，どのように対応するか？
2． 運動症状とあわせて，うつ症状の改善を図るには？
3． どのような患者に幻覚・妄想のリスクが高いか？
4． 運動症状を改善させたいが，幻覚や妄想の悪化は避けたい場合，どのように対応するか？
5．多系統萎縮症で起こる声帯外転麻痺に対しては，いつ，どのように備えるべきか？
6．開眼失行を合併した場合，どのように対応するか？
7．夜間の異常行動に対して，どのように対応するか？
8．病的買い物衝動には，どのように対応するか？