書名 |
乳がん超音波検診 ―精査の要・不要,コツを伝授します |
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筆頭著者 |
角田博子・他著 |
その他著者等 |
尾羽根 範員 著 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-02814-1 |
発行年 |
2016年10月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 176頁 |
分類 |
臨床医学系/画像診断 |
価格 |
定価6,600円(本体6,000円 税10%) |

乳がん検診における超音波検査において、精査の要否の選別、そして見極めが検者によって様々で、現状では拾い過ぎの傾向が見られている。本書は、きちんと要精査所見を拾い上げる「眼」を養うために、要精検の判定が難しいところを特にピックアップして考え方・読み方をまとめ、さらに実際の症例を提示して、判別のコツ・ポイントを解説している。

Ⅰ 検診についての10の基本
1 検診についての基本的な考え方
2 対策型検診と任意型検診
3 わが国における対策型乳癌検診のあゆみ
4 検診におけるマンモグラフィという手法の利点と欠点
5 乳房超音波検診の特徴
6 検診の利益と不利益の考え方
7 乳癌検診の不利益-過剰診断
8 乳癌検診の不利益-偽陽性と偽陰性,陽性反応適中度と陰性反応適中度
9 乳癌検診におけるマンモグラフィと超音波検査の総合判定
10 癌検診の有効性評価とバイアス
Ⅱ 腫瘤
Ⅱ章の使い方
1 単純性嚢胞(1)
正しくカテゴリー2判定として精査不要とする
2 単純性嚢胞(2)
点状高エコーを有する嚢胞は単純性嚢胞として扱う
3 混合性パターン(1)
嚢胞内腫瘤で5mm以下のものはカテゴリー2として精査不要とする
4 混合性パターン(2)
嚢胞内乳頭腫を考えるものはカテゴリー3として要精査とする
5 混合性パターン(3)
立ち上がりの平坦なものは嚢胞内乳癌を考えてカテゴリー4とする
6 混合性パターン(4) 液面形成
液面形成のみの腫瘤で,
上層が無エコー,下層が低エコーの場合は,カテゴリー3
上層が低エコー,下層が無エコーの場合は,カテゴリー2とする
7 嚢胞内腫瘍か充実性腫瘤か迷う場合
嚢胞内腫瘍か充実性腫瘤に嚢胞性部分が生じたものか判断に迷う場合,
混合性パターンで評価せず,充実性パターンで評価してよい
8 典型的な粘液浮腫状の線維腺腫
カテゴリー2と判定して精査不要とする
9 典型的な硝子化した線維腺腫
カテゴリー2と判定して精査不要とする
10 典型的な濃縮嚢胞
カテゴリー2と判定して精査不要とする
11 明らかな浸潤所見を有する腫瘤
境界部高エコー像あるいは乳腺境界線の断裂のどちらかが断定できる場合は,
カテゴリー4あるいはカテゴリー5として要精査とする
12 微細・点状エコーが複数存在する腫瘤
カテゴリー4または5として要精査とする
13 腫瘤の大きさと縦横比で評価される腫瘤(1)
5mm以下の腫瘤は精査不要とする
14 腫瘤の大きさと縦横比で評価される腫瘤(2)
5mmより大きく10mm以下の腫瘤は原則として縦横比で評価する
15 腫瘤の大きさと縦横比で評価される腫瘤(3)
10mmより大きい腫瘤は原則として要精査とする
Ⅲ 非腫瘤性病変
1 乳管拡張に関連する所見-正常のバリエーション
乳頭下の無エコーの乳管は正常のバリエーション
2 乳管拡張に関連する所見-要精査とすべき乳管
乳管内部に充実エコーがみられた場合は要精査とする
3 乳腺内低エコー域-正常のバリエーション,精査不要の低エコー域
両側,多発して見える低エコー域は正常のバリエーションのことが多い
4 乳腺内低エコー域-要精査とすべき低エコー域
区域性あるいは局所性に存在する場合は要精査とする
5 構築の乱れ
US単独で要精査とできる症例は少ない
6 多発小嚢胞
多発小嚢胞単独病変は精査不要とする
Ⅳ その他
乳腺内外の明らかな精査不要所見
腫瘤や非腫瘤性病変として分類できない精査不変な所見を知っておこう
索引
Column
1 走査のコツを教えて
2 フォーカス1つで大違い
3 ドプラの使い方を教えて
4 エラストグラフィの使い方を教えて
5 エラストグラフィの評価について教えて
6 「ビームコンパウンド」とは
7 検査の環境について考えよう
8 どんな画像を記録すればいいの?
9 「ゲイン」と「ダイナミックレンジ」とは
10 「ティッシュハーモニックイメージ」とは