メンタルヘルス不調をきたす勤労者が増加する昨今，職場のメンタルヘルスケア対策は産業医や産業保健職にとって喫緊の重要課題である．そこで現場のニーズに合致した実践書として作られたのが本書である．今改訂では内容の刷新のみならず，今話題のストレス・チェック制度についての項目と，働く女性のメンタルヘルスについての項目を追加した．

本書の趣旨

chapter1　おさえておきたい疫学データ

A　主な精神疾患の罹患率・有病率を知りたい
B　精神疾患は自殺の原因となり得るか？
C　仕事のストレスによって精神疾患は発症するか？
D　生活習慣病と精神疾患は関連するか？
E　労災認定・行政訴訟の動向が知りたい
F　産業医に関する裁判例と産業精神保健

chapter2　精神科医による精神疾患の診かた

A　精神障害のアセスメント法を知りたい
B　従来からの精神障害の診断と操作的診断基準の違いを知りたい
C　自記式質問票によるスクリーニング法を知りたい
D　構造化面接法を知りたい
E　代表的な治療法を知りたい
F　主な精神障害の診断・鑑別・治療法を知りたい
G　精神疾患の併存例へどう対応するか?

chapter3　こんなときどうする？　職場におけるメンタルヘルス不調への対応

A　アセスメントのポイントを知りたい
B　主な精神障害の対応において気をつけたいこと
C　睡眠指導で気をつけたいこと
D　飲酒指導で気をつけたいこと
E　専門医紹介で気をつけたいこと
F　労働遂行能力へはどのように影響するか？
G　病態によって労働遂行能力に違いが出るか？
H　治療の副作用によって労働遂行能力は落ちるか？
I　事例からみる不調への対応法
J　働く女性のメンタルヘルスケアの留意点

chapter4　再発・再燃の予防と職場再適応へのフォローアップ

A　再発・再燃の危険因子を知りたい
B　早期発見の手がかりとは？
C　生活習慣と精神疾患との関連性を知りたい
D　職場関連の知見を知りたい
E　障害者雇用と障害認定を知りたい

chapter5　知っておきたい！外的資源の有効活用法

A　公的機関の現状と有効性は？
B　公的機関の活用法を知りたい
C　リワークプログラムを知りたい
D　精神科医との連携法を知りたい
E　セカンドオピニオンの求め方を知りたい
F　EAPについて知りたい

chapter6　職場のメンタルヘルスにかかわる法規や制度

A　労働安全衛生法とメンタルヘルス
B　法　規
C　年金，保険制度など