順天堂大学練馬病院の研修医向け勉強会の内容をもとに“よく出会う疾患，症候”を中心に，臨床推論のポイントや診断のノウハウをわかりやすく解説した．

目次
はじめに 1
①救急外来での心構え 1
②Common is common ! 1
③病歴聴取を怠るな！ 2
④Vital signsの解釈は適切に！ 3
⑤臭いものに蓋をしてはいけない！　原因検索を怠るな！ 3
⑥急性か慢性か，それが問題だ！ 4
⑦救急外来における“検査の3種の神器” 4
⑧内服薬，アレルギーの確認は忘れずに：くすりもりすく！ 4
⑨説明は処方箋であり，経過観察は治療の1つである！ 5
⑩2度あることは3度ある！ 5
⑪常に初診の気持ちで対応を！ 6
⑫後医は名医 6
⑬Teaching is learning twice ! 6

1 意識障害に出会ったら 7

原因を見逃さないための10の鉄則
意識障害患者へのアプローチ【10の鉄則】 7
①ABCの安定が最優先！　意識状態を正しく評価せよ！ 8
②Vital signs，病歴，身体所見が超重要！　外傷検索，AMPLE聴取も忘れずに！ 10
③鑑別疾患の基本の三角形をmasterせよ！ 12
④意識障害と意識消失を明確に区別する！ 13
⑤何が何でも低血糖の否定から！　血液ガスのcheckも忘れずに！ 13
⑥出血か梗塞か，それが問題だ！ 16
⑦菌血症・敗血症が疑われたらfever work up ! 16
⑧アルコール（エタノール），肝性脳症，電解質異常，薬物中毒，精神疾患による意識障害は除外診断！ 18
⑨疑わなければ診断できない！　AIUEOTIPSを上手に利用せよ！ 20
⑩原因が1つとは限らない！　確定診断までは安心するな！ 22
Snap diagnosis：一過性全健忘（transient global amnesia: TGA） 22

2 失神に出会ったら 26

心血管性・出血性を否定せよ！
疑わなければ診断できない！ 26
失神の定義：意識障害，痙攣と明確に区別しよう！ 27
失神の病態生理：なぜ失神は起こるのか？ 28
失神の分類 29
失神の原因と予後：疫学を把握する！ 29
失神患者のアプローチ：失神と判断した，その後は… 30
病歴・病歴・病歴：目撃者を探せ！ 31
心血管性失神を見逃さない！ 34
起立性低血圧（orthostatic hypotension）も見逃さない！ 37
神経調節性失神（neutrally mediated syncope）：最も多い失神！ 38
検査：①心電図 ②エコー（心臓・腹部） ③血液ガスが3種の神器 38
帰宅or入院 40
Check point：帰宅させる前に確認しよう！ 40

3 痙攣に出会ったら 45

目撃者を探せ！
疑わなければ診断できない！ 45
本当に痙攣か？：意識障害，失神と明確に区別しよう！ 46
痙攣とは：定義は正確に！ 46
痙攣の原因：頭蓋内疾患以外も鑑別に挙げること！ 47
痙攣のアプローチ：痙攣と判断した，その後は… 49
痙攣を示唆する病歴・身体所見 50
痙攣重積/てんかん重積：見逃すな！　定義は正確に！ 52
抗痙攣薬を内服しているかも？ 53
痙攣を誘発し得る薬剤：内服薬ももらさず確認！ 54
検査：①血液ガス ②心電図 ③頭部CT ④採血 54
治療：ABCを確認し目の前の痙攣を止めよう！ 57


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