書籍検索結果 詳細表示

書名

「医療統計力」を鍛える! ―事例で学べる数式ほとんどなしのテキスト

筆頭著者

千葉康敬・著

出版社名

総合医学社

ISBNコード

ISBN978-4-88378-889-7

発行年

2015年4月

判型 / 頁数

A5判 / 308頁

分類

医学一般/医療統計学・医学情報学

価格

定価3,080円(本体2,800円 税10%)

内容

(著者「まえがき」より抜粋)
風邪をひきました.なので風邪薬を飲んで寝ました.すると,翌朝には風邪は治りました.さて,ここで質問です.
この風邪薬は効きましたか?
「YES」と答える人が少なからずいると思います.では,「YES」と答えた人にさらに質問です.
もし風邪薬を飲まずに寝たら,翌朝に風邪は治っていませんでしたか?
この答えは誰にもわからないはずです.なぜなら,「風邪薬を飲まずに寝る」ということをしていないからです.もし,風邪薬を飲まずに寝ても翌朝には風邪が治っていたならば,風邪薬が効いたことにはなりませんね.
あれ,じゃあ,風邪薬飲まなくていいんじゃ…….でも,もしかしたら,風邪薬を飲まずに寝ていたら治ってなかった可能性も否定はできない.では,いったいどうすれば風邪薬の効果って調べられるのでしょうか?
その方法を考えるのが医療統計なのです.
「統計」と言うと,数学の仲間でやたらと数式が出てくるイメージがあるかもしれません.大学などで統計の講義を受けたことのある人の中には,数式がだんだん難しくなってきたなぁ……,そろそろ意識を失いそうだ,というところに,お偉い先生方の名前が付いた複雑な数式が出てきたりして,ますます意識が遠のく.よくわからないままなんとか単位は取ったものの,ふと気づくと「統計って何の役に立つの?」という疑問だけが残った人もいるでしょう.
確かに,統計ではよく数式を使います.しかし,複雑な数式の内容や実際の計算は,統計の専門家や一部の数学好きな人が理解すればよいのであって,それ以外の人にとってはそれほど重要なことではありません.難しい数式を使わなければならない統計処理は,今やコンピュータがやってくれます.ましてや,文献にある統計結果をみる場面では数式はほとんど必要ありません.統計が教えてくれる有益な情報を正しく見極める,ということにおいては,実際に複雑な計算をする必要はないのです.
先ほどの風邪薬の話において,大切なことは「どうすれば風邪薬の効果を調べられるのか」を知ることであり,「これで風邪薬の効果が証明できるのか」が判断できることなのです.これは,数式を使わなくても,医療統計の基本的な考え方さえマスターすれば,ある程度できることです.
本書は,このことを念頭におき,統計のテクニカルなことよりも考え方を中心にまとめてあります.各章の冒頭には,文献等から引用した,その章のテーマに沿った内容のものを掲載してあります.しかし,注意してほしいのは,そこに書いてあることは必ずしも正しものばかりではない,ということです.そこに書いてあることは本当に正しいのか,正しくないとすれば何が正しくないのか,なぜ正しくないのか,を理解するための医療統計の基本的な考え方を各章で解説していきます.
本書が,統計を正しく使うこと,統計結果を正しく見ることの一助となれば嬉しく思います.

目次

1章 医学研究における『コントロール』
治療の『効果』を調べるために

2章 ランダム化研究
ランダム化すればOKなわけではない

3章 効果の指標
効果を測るものさしを考えてみよう

4章 統計的仮説検定
どこから違いがあると言えるの?

5章 信頼区間
その効果の指標,どれだけ信頼できるの?

6章 研究に必要なサンプルサイズ
何人集めて研究すればいいの?

7章 平均値の比較
平均値を計算すればいいってもんじゃない

8章 観察研究デザイン
どうやってデータを集めたかが大事

9章 『オッズ比』という指標
リスク差やリスク比じゃダメなの?

10章 交絡の問題
だから観察研究では因果関係が調べられない

11章 相関関係と回帰分析
相関関係があれば因果関係があるわけではない

12章 回帰分析による交絡の調整
これで観察研究でも因果関係が調べられる!?

13章 スクリーニング検査の評価
病気の診断について考えてみよう

14章 生存時間データの解析
『率』で評価するのは難しい

15章 『ハザード比』という指標
でもやっぱり『率』で評価したい

16章 治療不遵守の問題
治療『方針』の効果を調べる