心不全にともなう浮腫の改善，高血圧の降圧治療など，利尿薬を上手に使いこなすためのスキルとノウハウを，初学者にもわかりやすいよう実際の症例も交えて実践的に解説する

目　次

第1章　浮腫ってなに？
　A．浮腫のメカニズム　（吉原史樹）
　　1．浮腫の病態生理
　　2．血管内と間質の体液移動
　　3．浮腫の形成
　　4．毛細血管内静水圧
　　5．低アルブミン血症
　　6．毛細血管壁の透過性亢進
　　7．リンパ管閉塞
　　8．粘液水腫
　　9．浮腫抑制機序
　　10．Na貯留
　B．なぜ浮腫がいけないのか？　（吉原史樹）
　　1．腹腔内循環
　　2．腹腔内リンパ流
　　3．腹腔内圧と心腎連関
　　4．心肝連関と肝腎連関
　　5．心不全患者の脾臓
　　6．腸管腎関連
　　7．腹腔内圧を標的とした心不全治療
　C．なぜ浮腫が起こるか―腎臓の関与　（吉原史樹）
　　1．神経体液性因子の変化
　　2．Na＋／K＋ATPaseと上皮型Naチャネル
　D．なぜ浮腫が起こるか―心臓の関与　（浅沼博司，北風政史）
　　1．浮腫が発生するメカニズム
　　2．心不全で浮腫が発生するメカニズム
　　3．心不全における体液貯留
　　4．心不全で浮腫軽減に作用するメカニズム（Na利尿ペプチド系）
　E．なぜ浮腫が起こるか―肝臓の関与　（福井　博）
　F．なぜ浮腫が起こるか―末梢血管・リンパ管の関与　（松尾　汎）

第2章　浮腫をとる利尿薬を知る
　A．フロセミド　（柴　昌行，佐藤幸人）
　B．トラセミド　（柴　昌行，佐藤幸人）
　C．アゾセミド　（柴　昌行，佐藤幸人）
　D．トリクロルメチアジド　（柴　昌行，佐藤幸人）
　E．ヒドロクロロチアジド　（柴　昌行，佐藤幸人）
　F．アルドステロン拮抗薬　（朝倉正紀）
　G．hANP　（朝倉正紀）
　H．トルバプタン　（朝倉正紀）

第3章　腎臓の生理学を知る
　A．腎臓の生理学　（猪阪善隆，楽木宏実）
　B．糸球体の生理学　（猪阪善隆，楽木宏実）
　C．尿細管の生理学　（猪阪善隆，楽木宏実）
　D．水再吸収の生理学　（猪阪善隆，楽木宏実）
　E．全身の中で腎臓の役割をどう考えるか？　（猪阪善隆，楽木宏実）

第4章　腎不全を知る
　A．腎不全の病理学　（佐々木環，柏原直樹）
　B．CKDの病態生理学，診断，治療　（柏原直樹，佐藤　稔）
　C．腎不全の病態生理学，診断，治療　（佐藤　稔，柏原直樹）
　D．腎不全と浮腫　（藤本壮八，柏原直樹）
　E．腎不全でどのような利尿薬を使うべきか？　（柏原直樹，佐々木環）

第5章　急性心不全における利尿薬の使い方
　A．急性心不全における利尿薬の使い方の原則　（安村良男）
　B．HFrEFによる急性心不全と利尿薬　（安村良男）
　C．HFpEFによる急性心不全と利尿薬　（安村良男）
　D．電撃性心不全と利尿薬　（安村良男）
　E．急性心筋梗塞における利尿薬の使い方　（橋村一彦）
　F．Nohria―Stevensonの分類と利尿薬の使い方　（橋村一彦）
　G．利尿薬により利尿が得られないときどうするか？　（橋村一彦）
　H．腎保護を考えた急性心不全治療　（橋村一彦）

第6章　慢性心不全における利尿薬の使い方
　A．心筋梗塞後の心不全と利尿薬　（浅沼博司，北風政史）
　B．高血圧性心不全における利尿薬の使い方　（浅沼博司，北風政史）
　C．肥大型心筋症（拡張相を含む）における利尿薬の使い方　（浅沼博司，北風政史）
　D．拡張型心筋症による心不全と利尿薬　（菅野康夫，安斉俊久）
　E．大動脈弁疾患による心不全と利尿薬　（菅野康夫，安斉俊久）
　F．僧帽弁疾患による心不全と利尿薬　（菅野康夫，安斉俊久）
　G．三尖弁疾患による心不全と利尿薬　（菅野康夫，安斉俊久）
　H．頻脈性および徐脈性心不全における利尿薬の使い方　（菅野康夫，安斉俊久）
　I．心臓が悪いとなぜ腎臓が悪くなるのか？　（川田啓之，斎藤能彦）
　J．利尿薬により十分な利尿が得られない場合はどうするか？　（安村良男）
　K．腎保護を考えた慢性心不全治療はどうすればよいのか？　（安村良男）

第7章　高血圧における利尿薬の使い方
　A．降圧利尿薬の効果　（滝　瑞里，星出　聡，苅尾七臣）
　B．降圧利尿薬はNa排泄効果が大事？　（星出　聡，苅尾七臣）
　C．脳血管障害における降圧利尿薬の意味（中山美緒　星出　聡　苅尾七臣）
　E．Non―dipper，早朝高血圧と降圧利尿薬（久保田香菜，星出　聡，苅尾七臣）

第8章　肝性浮腫における利尿薬の使い方
　A．利尿薬の意義　（福井　博）
　B．肝性浮腫はどうすればいいのか？　（福井　博）

第9章　利尿薬の将来像

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