「まずは論文を読めるようになる」ために最低限必要な知識をゼロから分かりやすく解説し，用語理解から統計知識の活用法までをサポートする初学者向けの1冊。特に，わかった気になってつまずきがちな「統計用語」について，概念・考え方から具体例を交え，やさしい表現でわかりやすく解説。また，読者が理解しづらい・よく抱く疑問点は「Question」として別枠で掲載。さらに学習のゴール（チェックリスト）を各項目の冒頭に，押さえるべきポイントを末尾に示しているので，効率よく学ぶことが可能。各章間ではリンク機能を設け，読み進める中で意味を忘れてしまった用語を簡単に復習できる。最終章では実際の論文を用いて，用語や解析法の知識をどう活かせばよいのかを解説。自分の理解度をはかれる，実践的な1冊である。

プロローグ　warm up – まずは医薬統計を身近に感じよう
医学・薬学研究にどうして統計学が必要なの？― 統計を学ぶ意味って何？

第1章　これだけは押さえておこう！　必須医薬統計用語
統計データの取り方
01　バラツキとバイアス
02　交絡
03　ランダム化
04　盲検化

統計データのまとめ方
05　データの種類
06　度数分布
07　平均
08　標準偏差
09　標準誤差
10　図示表現法（ヒストグラム、箱ひげ図、散布図）

データ評価・比較の方法（推定）
11　点推定と区間推定
12　信頼区間
13　比・率・割合
14　リスク比とオッズ比

データ評価・比較の方法（検定）
15　帰無仮説と対立仮説
16　2種類の過誤（第1種の過誤・第2種の過誤）
17　p 値

第2章　シチュエーション別解析・結果解釈法
連続する値のデータを評価する
01　対応がある2群を比較するときには「 1標本t検定」
02　対応がない2群を比較するときには「 2標本t検定」
03　3群以上を比較するときには「 分散分析」
04　2つの群の関係性をみるときには「 相関と回帰分析」
05　因果関係を探るときには「 重回帰分析」

2つに分類したデータを評価する
06　関連性を調べるときには分割表の解析「 カイ二乗検定」
07　あるイベントが発生する確率を予測するときには「ロジスティック回帰分析」

イベント発生までの時間を評価する
08　ある時点までの生存時間をみるときには「Kaplan – Meier法」
09　生存曲線の比較をするときには「 log– rank検定と一般化Wilcoxon検定」
10　ハザード比を推定するときには「 Cox回帰分析」

第3章　腕試し！　−実際に論文を読んでみよう−
① 連続データの解析
② 2値データの解析
③ 生存時間データの解析