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書名

摂食障害という生き方 ―その病態と治療

筆頭著者

瀧井正人・著

出版社名

中外医学社

ISBNコード

ISBN978-4-498-12968-9

発行年

2014年7月

判型 / 頁数

A5判 / 250頁

分類

臨床医学系/精神神経科学/心身医学・臨床心理学

価格

定価3,520円(本体3,200円 税10%)

内容

摂食障害は単なる病気にとどまらず、「摂食障害という生き方」そのものである。長年実践している行動制限を用いた認知行動療法の全貌を豊富な経験をもとに解説した.

目次

序章
摂食障害という謎への手掛かりとしての
いくつかの考え方・キーワード 1

摂食障害という謎 1
摂食障害の多面性・多様性 2
摂食障害の診断基準 3
ワンポイントメモ1●神経性無食欲症の病名をめぐって 5
診断基準だけではわからない患者さんのあり方 6
20数年前の摂食障害のイメージ─ANが中心─ 8
現在の摂食障害の病像─病像の多様化、すそ野の拡がり─ 10
治療者による理解や態度の違い─カニは自分の甲羅に似せて穴を掘る─ 12
摂食障害に関する基本的な考え方の不一致
─「百家争鳴」、「群○、象をなでる」─ 15
摂食障害の交通整理的な3つの類型 16
3つの類型の概観と主に訪れる診療科 18
3つの類型の問題点 20
3つの類型と治療 21
快感原則と現実原則 22
ワンポイントメモ2●快感原則と現実原則 23
『境界性パーソナリティ障害的摂食障害』における「快感原則」「現実原則」 25
『中核的摂食障害』における「快感原則」「現実原則」 27
『軽症摂食障害』における「快感原則」「現実原則」 27

2章
最初の5年間 30

九州大学病院心療内科での研修 31
最初に受け持った摂食障害の患者さん
─他の精神疾患との関連が大きいと思われたAN男性例─ 32
ワンポイントメモ3●オペラントとは? 35
治療への抵抗が大きく、中途退院となったAN女性例 37
優しいBNの患者さんに森田療法(?)を試みる 40
大学病院での研修を終え、関連病院へ出張 42
出張病院で出会った重症AN患者さん
─『中核的摂食障害』の原型を与えてくれた女性─ 43
鹿児島大学への国内留学 66
カルチャーショック 67
その人の人生について問いかける行動療法 73
筆者の初期の軌跡のまとめ 76

3章
九州大学心療内科に戻って出会った治療困難な患者さん達 79

10年にわたり10回の入院を繰り返したANの一遷延例 80
入院までの外来治療経過 81
個々の患者さんに見合った目標体重や治療枠を設定する必要性 89
治療の中でしなくてもいい失敗をさせることのマイナス 92
どのようにして実現可能で有効な治療目標や治療枠を設定するか
─テーラーメイド医療─ 93
ワンポイントメモ4●プロクルステスの寝台 94
『強度の強迫傾向を持つ神経症水準のAN遷延例』の病態と成因について
─『強迫的防衛』と『回避』─ 96
変化することへの不安・抵抗の大きい摂食障害患者さんに、
自発的な入院を促す方法 99
家族への対応、家族が果たした役割について 101
入院治療 103
第Ⅰ期:治療導入期 103
ワンポイントメモ5●再び摂食障害の在院日数について 104
ワンポイントメモ6●『ダメなものはダメ』『ならぬものはならぬ』という対応 113
第Ⅱ期:変化への抵抗期 121
第Ⅲ期:認知・態度の変容期 129
ワンポイントメモ7●こころから反省することの難しさ
─ペナルティが有効となるための条件について─134
退院後の経過 145

4章
摂食障害治療者のあり方について 146

なぜ筆者は、摂食障害の患者さんと関わり続けてきたのか? 146
それまでの考え方や治療との葛藤 149
筆者を大いに悩ませたある治療 151
摂食障害の治療は何によって成り立つか
─言葉は、行動や身体によって裏付けられていなければならない─153
再び、筆者を大いに悩ませたある治療について
─『裸の王様』に教えてもらったこと─156
THE LORD OF THE RINGS 159
フロド的態度とサム的態度の両立 164

5章
『中核的摂食障害』の成因 167

6章
『行動制限を用いた認知行動療法』 180

終章
『行動制限を用いた認知行動療法』の本質と
筆者の治療者としての軌跡についての考察 228

あとがき 241

索引 245