がん治療の発展に伴い、がんは不治の病でなく慢性疾患として考えられるようになってきた。つまり治療効果のみでなく、その患者自身の人生をともに考え、医療に組み入れて実践していくことが求められている。本書では、がんサバイバーシップとは何か、各職種に求められるサバイバーへの具体的なかかわり方、知っておきたい患者会の活動などを、経験豊富な医療者、アクティブに活動されている関係者が解説。

序にかえて －がん医療の次のステージとしてのがんサバイバーシップ

1編　がんサバイバーシップの歴史と発展
　1章　米国におけるがんサバイバーシップの歴史
　2章　米国におけるがんサバイバーシップの発展
　3章　わが国のがんサバイバーシップはどう展開してきたか－小児がんを例に

2編　がんサバイバーシップの実践
　1章　身体的問題
　　二次性発がん
　　手術による後遺症－主に乳がんの術後について
　　がんと妊孕性
　　心機能異常
　　骨に対する影響
　　化学療法誘発性認知機能障害（ケモブレイン）
　　性機能障害
　2章　社会的問題
　　治療における経済的負担
　　就労問題
　　家族のサポート
　3章　精神的問題
　4章　スピリチュアリティ　がんのシンボリズムを担いつつ生きる

3編　各職種に求められるがんサバイバーへの関わり
　1章　医師
　　外科医
　　腫瘍内科医
　　かかりつけ医
　　精神科医
　　緩和ケア医
　　リハビリテーション医
　2章　看護師
　　相談支援センターにおける関わり
　　外来における関わり
　　サポーティブケアにおける関わり
　3章　薬剤師
　4章　ソーシャルワーカー
　5章　理学療法士
　6章　作業療法士

4編　患者，家族とともに発展するサバイバーシップ
　1章　患者として
　　患者として（その1）
　　患者として（その2）
　2章　患者会として
　3章　患者，家族をサポートするNPOとして

索引