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書名

原子力災害の公衆衛生 ―福島からの発信

筆頭著者

安村誠司・編

出版社名

南山堂

ISBNコード

ISBN978-4-525-18141-3

発行年

2014年1月

判型 / 頁数

B5判 / 390頁

分類

臨床医学系/救急医学

価格

定価5,500円(本体5,000円 税10%)

内容

2011年3月11日に起こった東日本大震災では地震・津波に加え福島第一原発の事故に伴う放射線の放出によって,多くの人が避難を余儀なくされた.原発事故による住民への直接・間接の健康影響は大きい.本書は「一般的な災害の対応」とは違う,想定外の災害に見舞われた福島県での公衆衛生的な取り組みについてまとめた一冊である.

目次

第1章 原子力災害とは
1 東京電力福島第一原子力発電所事故
 A 放射線事故と原子力災害
 B 福島第一原発の事故と複合災害
 C 汚染に対するスクリーニングレベルの変更
 D 放射線の影響と線量
 E 住民の被ばく線量
 F 世界保健機関(WHO)の報告書
 G 医療従事者に必要なもの
2 東京電力福島第一原子力発電所事故への医療対応
 A 原子力発電所事故の経過
 B 原発事故後の初動対応
 C 避難地域周辺の医療機関における災害対応
 D 環境中の放射性物質の状況と健康リスク
 E 地域と協働した長期サポート
3 放射線の健康影響
 A 被ばくとは
 B 原爆放射線
 C 被爆者の追跡調査
 D 遺伝的影響
 E 健康影響のまとめ

第2章 行政の取り組み
4 国の対応
 A 自然災害および住民の被ばくへの対応
 B 中長期的な健康管理や不安への対応
 C 今回の事故対応を踏まえた改善点
5 福島県の対応
 A 被災者の健康支援対策
 B 避難所・仮設住宅などにおける栄養対策
 C 避難所・仮設住宅などにおける感染症対策
 D 被災者のこころのケア
 E 医薬品などの供給
 F 原子力災害に伴う県民の健康管理
6 相双保健福祉事務所の対応
 A 発災直後の病院への対応
 B 原発事故および緊急被ばくスクリーニングへの対応
 C 屋内退避から緊急時避難準備区域指定による医療弱体化への対応
 D 精神科医療崩壊に対する対応
 E 災害シミュレーションの必要性
7 いわき市保健所の対応
8 県北保健福祉事務所の対応
9 県中保健福祉事務所の対応
10 県南保健福祉事務所の対応
11 郡山市保健所の対応
12 会津保健福祉事務所の対応
13 南会津保健福祉事務所の対応

第3章 各市町村の状況と対策
14 富岡町の取り組み
15 双葉町の取り組み
16 大熊町の取り組み
17 川内村の取り組み
18 楢葉町の取り組み
19 浪江町の取り組み
20 葛尾村の取り組み
21 広野町の取り組み
22 飯舘村の取り組み
23 南相馬市の取り組み
24 田村市の取り組み
25 川俣町の取り組み
26 伊達市の取り組み
27 福島市の取り組み
28 二本松市の取り組み
29 会津若松市の取り組み

第4章 各種職能団体の活動
30 福島県医師会
31 福島県歯科医師会
32 福島県看護協会
33 福島県放射線技師会
34 福島県薬剤師会
35 福島県理学療法士会
36 福島県作業療法士会
37 福島県栄養士会
38 福島県臨床心理士会
39 福島県社会福祉協議会
40 福島県鍼灸師会
41 福島県医療ソーシャルワーカー協会
42 大学等教育研究機関① ―避難区域周辺地域での育児支援指針―
43 大学等教育研究機関② ―福島県における県民健康管理調査の概要―
44 医療側からみた公衆衛生への期待

第5章 提言~これからに向けて~
45 取り組むべき対策
 A 原子力災害の特徴(災害のなかでの位置づけ)
 B 原子力災害における国・県・市町村の公衆衛生の対応の考え方
 C 原子力災害における主な公衆衛生の課題
 D 適切な情報提供に向けて(より良いリスクコミュニケーションに向けて)
 E 経験の蓄積と情報発信の重要性

資料~他市町村の状況と対策一覧~