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書名

健康・スポーツ科学のための調査研究法

筆頭著者

出村愼一・監

出版社名

杏林書院

ISBNコード

ISBN978-4-7644-1150-0

発行年

2014年2月

判型 / 頁数

B5判 / 232頁

分類

保健・体育/体育学一般

価格

定価3,300円(本体3,000円 税10%)

内容

調査的研究手法は,社会科学系分野で多く利用される研究手法ですが,健康・スポーツ科学におけるさまざまな分野の中でも数多く利用されています.しかしながら,調査という手法を用いる際の研究の特徴や,データを得るまでの手順,データ取得後の処理方法などに対する理解不足などのため,調査したデータを研究や現場での活動に十分活かせられていない場合も多くみられます.
そこで本書では,健康・スポーツ科学分野を専攻する学生や大学院生,研究者のために,調査研究にかかわる研究手法について概説しました.Ⅰ部:調査研究の基礎(質的調査法と量的調査法のどちらを用いる?),Ⅱ部:量的調査研究法(質問紙作成時に気をつけることは?,調査データをどのように処理・分析すればよい?),Ⅲ部:質的調査研究法(質的調査法によりデータを収集してみたい),Ⅳ部:調査研究の実際(質的研究法により得られたデータをどのように活用する?)から構成されています.健康・スポーツ科学の多くの分野で用いられる量的調査法に加え,インタビュー法などを用いた質的研究法についても章を設け概説しました.また,これらの量的および質的研究手法により得られたデータをどのように活用しているかの事例も紹介しています.
これまでの調査研究法に関する指南書とは異なり,調査研究にかかわる考え方や活用法,具体的なスキルについて幅広く扱っています.また,まとめられている内容も,初心者の方が理解しやすい内容から,ある程度研究経験のある方でも参考となる内容を扱っています.そのため,本書の章に従って順序よく読み進めた際,本書の内容を「難解だ」と感じてしまう方もいるかもしれませんが,読者の研究経験や興味などに応じて本書を利用して頂ければ幸いです.

目次

第Ⅰ部 調査研究の基礎
 序 章 社会科学としての健康・スポーツ科学〜調査研究のあり方〜
  1.本書の目的
  2.スポーツ社会科学のパラダイム変遷
  3.スポーツ社会科学の方法論的問題
  4.概念の操作化ということ
  5.健康科学と調査の論理
 第1章 健康・スポーツ科学における調査研究とは
  1.調査とは
  2.学術的研究のための調査
  3.量的研究
  4.量的調査研究法,質的調査研究法において明らかにできること
第Ⅱ部 量的調査研究法
 第2章 量的調査研究の種類と手順に関するスキル
  1.実態調査に基づく調査研究
  2.新しい検査や評価尺度をつくる
  3.新たに評価尺度を作成する場合の例
 第3章 調査用紙の作成方法に関するスキル
  1.調査用紙作成の基本
  2.フェイスシートの作成
  3.研究目的に応じた調査用紙のデザイン
  4.倫理に関する問題
 第4章 調査手法に関するスキル
  1.調査の手順
  2.調査の企画・設計
  3.調査対象の設定・選択
  4.サンプリング
  5.資料収集方法
  6.倫理的配慮・インフォームドコンセント
  7.調査における経費の見積もり
 第5章 データ処理に関するスキル
  1.データ取得から解析用データ作成まで
  2.調査研究データの集計
  3.調査研究データの分析方法
  4.調査研究における妥当性〜テスト理論〜
  5.調査研究における信頼性〜テスト理論〜
  6.調査研究における客観性〜テスト理論〜
  7.項目分析
第Ⅲ部 質的調査研究法
 第6章 質的調査法に関するスキル
  1.量的調査法と質的調査法の違い
  2.質的調査法の利点と限界
  3.質的調査法の種類
  4.インタビュー調査の方法
  5.質的調査法を用いた研究の例
 第7章 質的調査活動に関するスキル
  1.質的調査活動の基本ステップ
  2.調査活動ストーリー①〜参与観察と自由記述アンケート〜
  3.調査活動ストーリー②〜インタビュー〜
  4.質的調査に向かう身体と理性
第Ⅳ部 調査研究の実際
 第8章 調査データの活用法
  1.学校体育評価
  2.公共スポーツ施設と利用者ニーズ
  3.フィットネスクラブの苦情処理
  4.スポーツリーグとイベントクオリティ
  5.インタビュー調査データの活用法〜Jクラブの戦略評価〜
  6.疲労自覚症状尺度を用いた学生の健康指導
  7.転倒リスク評価票を用いた転倒予防指導