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書名

臨床電気神経生理学の基本 ―脳波と筋電図を日々の臨床に役立つものとするために

筆頭著者

橋本修治・著

出版社名

診断と治療社

ISBNコード

ISBN978-4-7878-2058-7

発行年

2013年12月

判型 / 頁数

B5判 / 212頁

分類

臨床医学系/脳神経・神経内科学

価格

定価6,050円(本体5,500円 税10%)

内容

本書は活動電位の発生から臨床までを、豊富な図解を用いてわかりやすく解説。神経生理学を志そうとする人,臨床で神経生理検査に携わるすべての人に真に役立つ書籍

目次

第Ⅰ章 神経と筋の電気現象を電気的等価回路で考えるために
1.電気神経生理学の基本事象

2.電気抵抗としての容積伝導体とイオンチャネル

3.イオンチャネルの種類
4.コンデンサーとしての細胞膜
5.電池としてのイオンチャネル

6.電池とコンデンサーの違いは何か
7.いわゆる「オームの法則」について─本書での位置づけ
8.本章のまとめ
第Ⅱ章:活動電位を巡るパラドックス─静電気学と動電気学の違いについて
1.静電気学
2.動電気学における抵抗─オームの法則を理解するために
3.活動電位を巡るパラドックス─活動電位の発生は,オームの法則に反する現象か?

第Ⅲ章
オームの法則と3つの原理─生体電気現象を読み解く術をもとめて
1.電圧降下の原理
2.電気回路における電圧の正負の決め方
3.電流ゼロの原理と抵抗ゼロの原理
4.合成抵抗
5.電圧分配の原理

6.抵抗の直列回路と並列回路の組み合わせ

第Ⅳ章 オームの法則は,生体電気現象の理解に役立つ
1.心電図で肢誘導が可能となる理由はリード線効果にある
2.臨床での電位記録は電圧降下の原理に基づいている
3.細胞膜の脱分極と過分極は電圧降下の原理で説明される
4.電気刺激時の電位分布と膜電位の意味
5.大脳皮質錐体路細胞や感覚受容器の電気刺激は陽極で行う
6.抵抗ゼロの原理は活動電位の発生機序の理解に役立つ-極性逆転回路の導入
7.膜電位が変化する機序には2種類ある
8.リード線効果によるP9遠隔電場電位発生機序の理解
オームの法則のまとめ

第Ⅴ章 膜電池の発生機序─濃淡電池,膜が1種類のイオンに対してのみ透過性を持つ場合
1.膜電位の発生と平衡状態の意味
2.平衡電位とNernst式
3.コンパートメント内でのイオン分布
4.コンパートメント内での電位分布
5.濃淡電池の電気的等価回路
第Ⅵ章 膜電池の発生機序─膜が複数のイオンに対して透過性を持つ場合
1.膜が2種類のイオンに対して透過性を持つ場合の膜電位の計算
2.膜が2種類のイオンを透過させる場合の電気的等価回路
3.膜が2種類のイオンに対して透過性を持つ場合-膜を介したイオンの動きは
どうなっているのか
4.能動輸送が必要となる理由
5.塩素イオンも考慮した膜電位
6.Nernst式とGoldman式の関係

第Ⅶ章 膜コンデンサー
1.コンデンサーは直流を通さないが交流は通す
2.コンデンサーの電気容量と容量リアクタンス
3.コンデンサーは電位変化の時間経過に影響する
◎より深く理解するために①:抵抗とコンデンサーからなる回路における電位変化と電流の時間経過
◎より深く理解するために②:時定数とは何か

第Ⅷ章 活動電位の発生機序
1.静止膜電位の発生と静止膜の簡略化モデル
2.活動電位と活動電流の発生,および第Ⅱ章のパラドックスに対する答え
3.不応期
4.活動電位の終息
5.活動電位の発生と終息過程-イオンチャネルの活性化と不活化
第Ⅸ章 神経線維の太さと有髄化が活動電位の伝導速度に与える影響と電気学的機序
1.有髄神経と無髄神経の比較
2.活動電位の発生に及ぼす膜時定数の役割
3.長さ定数
4.膜抵抗の変化が電位に与える影響
5.伝播時定数
6.神経線維が太くなると,なぜ伝導速度は速くなるのか
7.有髄化による伝導速度の高速化
8.脱髄による伝導速度低下の機序
9.神経線維の電気刺激-神経線維の直径による相違,および脱髄が起こるとなぜ電気刺激を強くする必要があるのか

第Ⅹ章 シナプス後電位の発生機序─神経筋伝達,シナプス伝達を理解するために
1.シナプス後電位の発生機序

2.終板電位(EPP)の発生機序
3.興奮性シナプス後電位(EPSP)の発生機序
4.興奮性シナプス後電位(EPSP)の逆転電位
5.抑制性シナプス後電位(IPSP)の発生機序
6.IPSPのEPSPへの転化

第ⅩⅠ章 臨床における電位記録─活動電位と脳電位

第ⅩⅡ章 周波数域遮断フィルターの意味と動作機序
第ⅩⅢ章 差動増幅器とアース

補遺 活動電位発生機序の静電気学的解説