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書名

養護教諭の社会学 ―学校文化・ジェンダー・同化

筆頭著者

すぎむらなおみ・著

出版社名

名古屋大学出版会

ISBNコード

ISBN978-4-8158-0771-9

発行年

2014年6月

判型 / 頁数

A5判 / 366頁

分類

保健・体育/学校保健

価格

定価6,050円(本体5,500円 税10%)

内容

問題を抱えたこどもたちの避難所として、がんばりつづける 「保健の先生」。それにしてもなぜこんなに苦しいのか。性暴力にあった生徒の問題に向き合わざるをえなくなった著者が、養護教諭の 「無力さ」 の歴史的・社会的な由来を徹底的に探究・解剖した果てに、たどりついた答えとは。次世代にむけたあり方の再定義へといたる希望の書。

目次

序 章 養護教諭という存在を研究する
     1 「当事者」 として 「自己エスノグラフィー」 をつづる
     2 他者によって 「周辺化」 される養護教諭
     3 本書の構成

第1章 「同化」 という視点
     1 「養護教諭」 研究の軌跡
     2 「同化」 とはなにか
     3 「同化」 と養護教諭の関係

第2章 職制運動時代の学校看護婦たち —— 「身分の確立」 をめざして
     1 職制運動のこれまでの評価
     2 職制運動にいたる背景
     3 職制運動のはじまり
     4 白熱する職制運動
     5 職制運動の意味

第3章 1960年代の養護教諭 —— アイデンティティを求めて
     1 養護教諭にとっての1960年代
     2 資料収集と分析方法
     3 養護教諭の自己像
     4 養成者たちと学校関係者たちの養護教諭像
     5 養護教諭の位置に関わる二つの要素
     6 養護教諭団体の動向

第4章 現代の養護教諭 —— 同化をこえて
     1 試される養護教諭
     2 ききとり調査
     3 養護教諭の 「性被害」 観と生徒の 「被害」 感情
     4 「性暴力」 をきくという重荷
     5 守秘義務とプライバシー
     6 「問題をかかえる」 生徒が性暴力にあったとき
     7 共感しすぎる、共感する、共感しない、共感できない
     8 学校におけるケアのジレンマ
     9 支援の「正しさ」を測る基準

終 章 再び 「自己エスノグラフィー」 としての総括 —— 養護教諭の再構築に向けて
     1 「がんばる」 養護教諭の再生産
     2 「学校文化」 「ジェンダー」 「同化」 という視点
     3 「あいまい」 な職務・「周辺」 という位置
     4 「性暴力」 と養護教諭
     5 養護教諭のとりうる戦略