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書名

幼児のからだを測る・知る ―測定の留意点と正しい評価法

筆頭著者

出村愼一・監

出版社名

杏林書院

ISBNコード

ISBN978-4-7644-1124-1

発行年

2011年9月

判型 / 頁数

A5判 / 160頁

分類

保健・体育/体育学一般

価格

定価1,760円(本体1,600円 税10%)

内容

本書では,幼児の体力や運動能力を正しく理解するためのもっとも基本的な内容を取り上げて,日ごろ幼児に接している保育士や幼稚園教諭あるいは保護者の皆さんに理解していただけるよう平易な言葉を用いて解説することに注意しました.
理論編では,“測る”前に理解する事柄を中心に,測定対象あるいは測定の必要性や基本事項について解説しました.測定編では,それぞれを専門とする研究者から代表的な測定方法を紹介し,測定現場における具体的な留意点なども示し,実際の測定現場でマニュアルとして利用できるようになっています.
評価編では,“測る”ことによって得られたデータの活用方法,つまり「評価」の必要性などと得られたデータからわかることを全国規模と地域規模の両方の測定結果例を取り上げて紹介しています.
本書に記した正しい「測定」と「評価」の手続きを通して,子どもの体力や運動能力を正確に把握することが,多くの子どもたちのその後の好ましい発育発達を導いていくことを期待致します.

目次

I 理論編
 1.幼児の身体機能〈からだのはたらき〉に関する用語の理解
  1)幼児とは
  2)体力と運動能力
  3)体力・運動能力と健康
  4)運動技能と運動技術
 2.幼児のための測定と評価の必要性〈なぜ測るのか〉と留意点〈注意すべきこと〉
  1)測定と評価について
  2)測定するときに注意すべきこと
   (1)言葉の理解について
   (2)からだの発育発達状況について
   (3)最大努力を促すこと
   (4)動機づけについて
 3.測定と評価の基礎〈正しく測るために理解すること〉
  1)妥当性について《測りたい能力を正しく測るために》
  2)信頼性について《何回測っても同じような測定結果になるように》
  3)客観性について《誰が測っても同じような測定結果になるように》
  4)実用性について《身近な用具・器具で手軽に測るために》
  5)評価基準の有無について《基準と比較して正しく評価するために》
II 測定編
 1.体格・身体組成の測定と評価
  1)体格について
   (1)身長
   (2)体重
   (3)胸囲
   (4)BMI
   (5)ローレル指数
   (6)肥満度
  2)身体組成について
   (1)身体組成の考え方と測定の意義
   (2)生体電気インピーダンス法
   (3)皮下脂肪厚法
   (4)DXA法
   (5)身体組成の測定時の留意点
   (6)身体組成の評価方法と基準
 2.体力・運動能力の測定の実際
  1)測定実施前に注意すること
   (1)ねらい(測定の目的)
   (2)テスト方法の説明
   (3)テスト前の動作確認練習
   (4)保護者の計測補助
  2)主なテスト項目の実施マニュアル
   (1)握 力
   (2)体支持持続時間
   (3)ソフトボール投げ
   (4)立ち幅跳び
   (5)長座体前屈
   (6)反復横跳び
   (7)25m走
   (8)両足連続跳び越し
   (9)捕 球
 3.体力・運動能力の測定準備から評価〈実際に測定を始めてみましょう〉
  1)計画からの流れ
  2)テスト項目の決定
  3)マニュアルの作成
  4)記録用紙の作成
  5)個人評価票の作成
  6)保護者への配布
 4.合否判定にもとづく運動能力の測定と評価
  1)幼児の発達特性
  2)幼児の合否判定テストと運動課題
   (1)運動課題の選択
   (2)合否判定テストの実施と留意事項
   (3)合否判定テストの実施
  3)行動観察による幼児の運動能力の評価
   (1)行動観察にもとづく運動課題の合格率
   (2)行動観察にもとづく評価の利用例
   (3)スクリーニングテストとしての利用例
 5.幼児の運動技能の測定と評価
  1)基本的運動技能の測定
   (1)走運動の評価
   (2)跳運動の評価
   (3)投運動の評価
  2)複合的運動技能の測定
   (1)まりつき動作の発達とその観察的評価
   (2)打つ動作の発達過程
   (3)動きの中での平衡性の評価
   (4)各種ステップワークを用いた幼児の調整力の評価
 6.幼児の身体活動量の測定と留意点
  1)身体活動量の測定方法と留意点
   (1)二重標識水法
   (2)質問紙法
   (3)活動記録による方法
   (4)心拍数法
   (5)歩数計法
   (6)加速度計法
  2)活動量の評価
   (1)昔の子どもの活動量
   (2)近年の子どもの活動量
   (3)体力・運動能力との関係性
   (4)目標値の検討
III 評価編
 1.幼児の体力・運動能力の評価の意義
  1)個人の発育発達状況の把握のために
  2)集団のレベルの把握と比較やカリキュラム作成のために
  3)体力・運動能力の向上を目的としたプログラムの有効性の検証のために
 2.幼児の体力・運動能力についての現状の把握
  1)全国規模の測定結果から
  2)地域規模の測定結果から