書名 |
脳とアート ―感覚と表現の脳科学 ≪脳とソシアル≫ |
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筆頭著者 |
岩田 誠・他編 |
その他著者等 |
河村 満 編集 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-01481-6 |
発行年 |
2012年11月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 272頁 |
分類 |
臨床医学系/脳神経・神経内科学 |
価格 |
定価3,960円(本体3,600円 税10%) |
生物にとって、感じることは、生きること。命を守るために、五感を研ぎ澄ませ、生活している。しかし、ヒトは、感じたものを自分なりに表現しようとする。それは、なぜか? 「アート」という身近な行動から脳の仕組みを探る、「脳とソシアル」シリーズ第4弾。
I 序論
脳にとって芸術とは何か
A 芸術とは
B 芸術の起源
C 感覚,知覚,感性
D 創造性の基盤
E 作業記憶の拡張
F 模倣と教育
G 芸術と宗教
II 感じる脳
1 脳と感性
はじめに
A 感性という概念の定義と歴史
B 感性に関わる脳科学研究
C 感性と脳に関わる研究の展開
2 色彩の認知
A 色彩体験は脳で作られる
B 後頭葉内側部の役割
C 色と形の統合:Zekiの三段階処理説
おわりに
3 絶対音感
A 絶対音感とは何か
B 音の高さの知覚的特性
C 絶対音感の正確さ
D 絶対音感保有者の相対音感-能力欠如仮説
E 絶対音感は稀な能力か
F 絶対音感の獲得過程
G 絶対音感の遺伝的基盤
4 香りの脳科学
A 「ニオイ」の表現
B 袖のか
C 香道と嗅知覚
D 嗅細胞の嗅球への投射
E 嗅覚中枢経路と梨状皮質
F ニオイ刺激に対する前梨状皮質の応答
G 視床背内核のニオイ応答
H 大脳皮質嗅覚野
I ヒトの嗅覚野
J 前頭葉眼窩回の役割
5 味覚の脳科学
A 味わうこと
B 味の種類とその応答
C 味覚の中枢経路
D 味の質の情報処理
E おいしさとは何か
F おいしさの実感
G おいしさを求める
H おいしいものを食べる
I アクセルとブレーキ
J 前頭連合野の働き
おわりに
6 バーチャルリアリティの脳科学
A バーチャルリアリティ技術の幕開け
B バーチャルリアリティとは
C 感覚とバーチャルリアリティ
D 仮想身体とインタラクション
E 高次感覚とVR
F 時間感覚とVR
おわりに
III 表現する脳
1 アート教育
A アート教育とは何か
B アート教育の歴史
C 子どものためのアート教育
D 多重知能理論とアート教育
E 脳とアート教育
2-1 描く脳-描画の追求
A 「描く」ことの起源
B 「描く」ための技術
C 「描く」ための認知的な基盤
D 「描く」ことへの動機づけ
おわりに
2-2 描く脳-絵を描くロボット
はじめに
A 「お絵描きロボット」が生まれるまで
B 絵を描くロボット
おわりに-ロボット魂という自由意志の設計
3-1 音楽する脳-音楽の脳科学
はじめに
A 失音楽とは
B 音楽の受容と表出の障害
C 錯メロディ(paramelodia)
D 伝導失音楽(conduction amusia)
E 調性感
F 和音の受容と側頭葉前部
G 音楽的情動の独立性
H 自験例からみた音楽の受容と表出のメカニズム
おわりに
3-2 音楽する脳-楽譜を扱う脳
A 失音楽の種類
B 失音楽の病巣
C 音楽の表出,受容障害と楽曲の健忘
D 楽譜の失読と失書
E 楽器の失音楽
おわりに
3-3 音楽する脳-音楽療法
はじめに
A 音楽療法とは
B 医療としての音楽療法
C 音楽療法の将来展望
D 音楽療法と「表現する脳」
おわりに
4 脳と遊び
A 遊びの定義と系統発生
B 脳との関連
C 遊びと病理
D ヒトの遊びと発達
5 アートの決め手は脳のネットワーク?
A 2つの視覚情報処理経路とアート
B 視覚情報の質の違い
C 特徴の抽出
D 思い出を行動にする
6 芸術における時間の表現
A 時間とは何か
B アートとアーティストにおける時間の意義
C 絵画における時間表現
D 音楽における時間表現
E 舞台における時間表現
F 文学における時間表現
G 時間論からみた芸術
あとがきにかえて
索引