書名 |
標準生化学 |
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筆頭著者 |
藤田道也・著 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-00801-3 |
発行年 |
2012年8月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 368頁 |
分類 |
基礎医学系/生化学 |
価格 |
定価5,500円(本体5,000円 税10%) |

生化学の基本的事項からの記述や図の多用など、生化学の教育に長年携わってきた著者の単独執筆だからこそ成しえた工夫に満ちた教科書。生化学において重要な代謝の解説に重きを置く一方、がんの基礎医学の理解のため細胞周期の制御とがん関連タンパク質にも詳細な言及がされるなど、類書を見ないユニークな内容構成。随所で最新の学説も紹介されており、知的好奇心を刺激されながら読み通したくなる1冊。

第1章 生化学から見た人体の作り
I 人体の単位-細胞
1.形質膜(細胞膜)
2.核
3.小胞体
4.ゴルジ装置
5.リソソーム
6.ミトコンドリア
7.ペルオキシソーム
8.細胞骨格
9.サイトゾル
10.細胞の極性
11.細胞間マトリックス
II 器官と組織
1.循環系
2.消化系
3.呼吸系
4.泌尿系
5.内分泌系
6.神経系
第2章 生体の物質的基礎
I 生体を構成する元素とそれらの作る結合
1.生体に多い6元素と量比
2.生体元素の作る結合
II 糖質(糖)
1.糖質の基本構造と性質
2.単糖の構造と性質
3.単糖の誘導体
4.多糖(グリカン)
III 脂質
1.脂質の性質と基本構造
2.脂肪酸
3.単純脂質
4.複合脂質
IV アミノ酸,ペプチド,タンパク質
1.アミノ酸
2.ペプチドとポリペプチド
3.複合タンパク質
V ヌクレオチドと核酸
1.ヌクレオチド
2.核酸
第3章 人体の基本代謝
I 代謝総論
1.異化と同化
2.代謝の調節
3.代謝系のバランス
4.代謝の区画化
5.酵素の本体
6.酵素キネティックス(酵素反応速度論)
7.アロステリック効果
8.誘導適合仮説
9.酵素の分類
10.酵素の命名
II 糖質の分解
1.解糖系への基質の供給
2.解糖
III 脂質の分解(脂肪酸酸化)
1.脂肪酸酸化系への基質の供給
2.脂肪酸の酸化
IV アミノ酸の異化
1.アミノ基転移
2.尿素回路
3.炭素骨格の異化
4.生理活性物質への転化
5.アミノ酸代謝の異常
V ヌクレオチドの異化
1.プリンヌクレオチドの異化
2.ピリミジンヌクレオチドの異化
3.ヌクレオチドのその他の代謝と塩基の回収
VI 共通の終末酸化系-クエン酸回路と呼吸鎖
1.クエン酸回路(TCAサイクル)
2.呼吸鎖(電子伝達系)
VII グルコースの合成
1.糖新生(グルコネオゲネシス)
2.フルクトース,ガラクトースのグルコースへの転化
VIII 脂質の合成
1.脂肪酸の合成
2.グリセロ脂質の合成
3.スフィンゴ脂質の合成
IX 塩基とヌクレオチドの合成
1.プリン塩基とプリンヌクレオチドの合成
2.ピリミジン塩基とピリミジンヌクレオチドの合成
第4章 基本代謝系の相関と統合
I 代謝経路における調節
1.グルコース代謝の調節
2.グリコーゲン代謝の調節
3.脂肪酸とトリアシルグリセロール代謝の調節
II 器官・組織における代謝の統合
1.ホルモンによる代謝の統合
2.受容体シグナリング
III エネルギー代謝の病態-肥満と2型糖尿病
1.肥満
2.インスリン抵抗性
3.2型糖尿病
第5章 遺伝情報の発現と保存
I 遺伝情報の発現
1.転写
2.スプライシング
3.転写のその他の問題-エピジェネシス
4.翻訳
II 遺伝情報の保存と変化
1.DNAの複製
2.DNAの損傷と修復
3.組換え
III 細胞増殖
1.細胞周期とその制御
2.細胞周期制御の異常
第6章 血液と細胞性ストレス
I 血液
1.リポタンパク質
2.凝固と線溶
3.ヘムの合成と分解(ポルフィリン代謝)
II 細胞性ストレス
1.酸化ストレス
2.小胞体ストレス
索引