本書はがん治療における漢方治療をエビデンスと臨床経験に基づき解説した1冊である．がん薬物治療により惹起する副作用の軽減を目的とした漢方治療をはじめ，栄養・疼痛管理など，診療科横断的なマネジメントを補完・代替する漢方治療の実際などについて症例を盛り込み，わかりやすく解説した．

第1章　がん領域の漢方治療に必要な基礎知識

■がん治療の歴史からひも解く「西洋医学と漢方医学」の有用性

■がん治療を支える漢方薬のエビデンス

■漢方医学的視点からみたがん患者が呈する基本的病態

■がん領域における漢方処方の組み立て方
—診察の基本から処方のコツまで—

■西洋薬×漢方薬によるがん薬物療法の薬学的管理


第2章　がん治療をサポートする漢方薬とその使い方

■術前投与による手術侵襲の緩和

■術後イレウスの予防

■術後の有害事象軽減

■フルオロウラシル系薬の副作用対策

■シスプラチン・カルボプラチンの副作用対策

■オキサリプラチンの副作用対策

■イリノテカンの副作用対策

■タキサン系薬の副作用対策

■がん転移の抑制効果


第3章　漢方・補完代替医療による診療科横断的な
がん患者のマネジメント

■栄養管理に有効な漢方薬

■緩和ケアに有効な漢方薬

■がんの経過に伴う症状へ有効な漢方薬

■メンタルケアに有効な漢方薬

■緩和ケアで期待される補完代替医療の科学的検証

■漢方療法のリスクマネジメント

■在宅がん患者のセルフメディケーションと漢方薬