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書名

めまいの診かた・考えかた

筆頭著者

二木 隆・著

出版社名

医学書院

ISBNコード

ISBN978-4-260-01124-2

発行年

2011年11月

判型 / 頁数

B5判 / 178頁

分類

臨床医学系/脳神経・神経内科学

価格

定価4,950円(本体4,500円 税10%)

内容

著者のライフワークであるめまいの診かた・考えかたを、内科医と若手耳鼻咽喉科医向けに惜しみなく伝授! 豊富な図解でめまい診療を簡潔にまとめた第1章、多彩なコラムにより平衡機能の基礎からめまいを理解できる第2章、中枢性めまいや良性発作性頭位めまい症、メニエール病などの重要なめまいを解説した第3章、さまざまなめまいの症例を学べる第4章という充実した構成。多面的にめまいを学び、臨床に役立てることのできる1冊!

目次

第1章 図解:めまい診療
 1 緊急時のめまい患者への対応
  患者の状態把握のチェックポイント
  患者と家族に対する問診のポイント
  7つ道具による一般内科的診療
  診療を進めるうえで想像すべき平衡機能のしくみ
  当面の対応と処置・治療法
  救急,当直での対応
 2 日常診療でのめまい患者への対応
  めまい診断フローチャート
  患者入室時の第1印象によるスクリーニング
  問診のチェックポイント
  椅子に座らせてできるスクリーニング
  立たせてできるスクリーニング
  寝かせてできるスクリーニング
  自律神経検査
  画像診断を要する疾患は何か
 3 耳鼻咽喉科での二次検査
  オージオグラムの解釈
  ENG(electronystagmograph:眼振電図)の実際
  重心動揺計
第2章 めまいの基礎講義
 1 平衡機能の基礎
  平衡機能の基礎
  回転性めまい(vertigo)と非回転性めまい(dizziness)
  平衡を支えるシステム:内耳のはたらき
 2 姿勢反射
  内耳信号をサポートする「姿勢反射」
  「足踏み検査」と「遮眼書字法」:目隠し鬼ごっこと福笑いから
  平衡維持メカニズムとしての姿勢反射:「風神雷神図」の描写から
  知らず知らずの「姿勢反射」の調節:狂言「船渡し婿」から
  乗り物酔いを防ぐには
  大脳・小脳連関ループ
  起立姿勢と重心:ウィリアム・テルのリンゴから
 3 眼振とめまい
  温度眼振:「寝耳に水」の話
  視運動性眼振
第3章 重要なめまいの診かた・考えかた
 1 危険なめまい:(1)小脳障害をきたすめまい
  訴えの性質
  病因
  所見
  発生と構造:無意識の平衡感覚をつかさどる小脳
  小脳の血管支配
  画像診断
  注意点
 2 危険なめまい:(2)顔面神経異常をきたすめまい
  中枢性顔面神経障害(多くは神経内科の領域である)
  聴神経腫瘍
  末梢性(核下性)顔面神経障害
 3 良性発作性頭位めまい症
  Naming:提案も含めて
  History
  「頭位性めまい」とメニエール病の違い:予後の決定的な違い
  耳石器のおさらい(直線加速度=重力・遠心力のセンサー)
  耳石機能検査法
  診断のポイント
  治療のコンセプト(病期に対応した治療法)
  生活指導のポイント
 4 メニエール病
  メニエール病命名の由来
  発症原因
  診断基準
  分類
  病態
  メニエール病の検査(内リンパ水腫の検査)
  薬物療法
  ステロイドの導入とその考え方
  手術療法
  生活指導,リハビリテーション
 5 前庭神経炎
  特徴
  診断のポイント
  治療法・患者説明
第4章 症例から学ぶさまざまなめまい
 1 糖尿病とめまい
 2 神経内科疾患(主にパーキンソン病)とめまい
 3 精神症状・自律神経失調症を有するめまい
 4 中枢性めまい:(1)診断名変更のめまい難診断例
 5 中枢性めまい:(2)後迷路性めまい
 6 頸性めまいと下眼瞼向き垂直性眼振(down beat nystagmus: DBN)
 7 梅毒とめまい
 8 高齢者に対するめまい治療薬の特徴-EBMに基づく解説

和文索引
欧文索引

column
 1.めまいの語源とその分類:目は「舞う」のか「回る」のか
 2.直線加速度に関する研究の歴史
 3.福田「遮眼書字法」誕生秘話
 4.乗り物酔いを防ぐ訓練
 5.Bárányの「発見」
 6.Bárányの鉄路眼振(Eisenbahnnystagmus)への問題提起
 7.戦争の副産物:Goldon Holmusの小脳障害の研究
 8.『病草紙』の鋭い描写:顔面神経麻痺
 9.ワレンベルク症候群と純回旋性眼振
 10.メニエール病の苦痛:文学,絵画で表現された病悩
 11.メニエール病の実体(病態)は内リンパ水腫:ノーベル賞級の大発見
 12.「梅毒性内リンパ水腫」と「遅発性内リンパ水腫」(メニエール病の亜型):
  梅毒とおたふく風邪
 13.わが国で生まれた診断基準:厚生省特定疾患「メニエール病調査研究班」(班長:渡辺〓)
 14.内リンパ水腫の存在を生体で見当がつけられる「脱水試験」:
  グリセロールテストとフロセミドテスト
 15.ステロイドの評判
 16.両側性メニエール病:メニエール病は一側耳だけの病気ではなかった!
 17.ポルトマン(Portman)の偉業:サメからの着想