薬剤師のための高齢者ケア入門書．高齢者を取り巻く社会の変化や高齢者特有の身体的情報，薬物動態の基本的知識，臨床現場に即した与薬・服薬介助・排泄のサポート，経腸栄養，輸液，褥瘡，がん性疼痛管理，認知症のケアをまとめた．Question形式で高齢者ケアの初心者の薬剤師が注意すべきポイントをわかりやすく具体的に解説している．

1章　高齢者を取り巻く社会
　1．高齢社会の現状
　2．高齢化の速さ
　3．高齢者に対する施策の流れ
　4．高齢者医療制度の問題点

2章　見落としがちな高齢者への対応
　1．加齢による変化の全体像
　2．各機能の加齢に伴う変化や障害

3章　加齢に伴う薬物動態の変化
　1．加齢による薬物の吸収・分布・代謝・排泄の変化を推理しよう
　2．高齢者の薬物投与設計を考えてみよう

4章　高齢者をサポートするために
A．与薬・服薬介助の支援
　1．服薬介助の基本を理解
　2．服薬介助の際の衛生管理
　3．介助者の視点に立った服薬支援
　4．高齢者にとくに注意しなくてはならない服薬支援
　5．服薬後の経過観察
B．排泄介助の支援
　1．排泄介助の基本を理解
　2．排泄介助の支援
　3．その他
C．暮らしと薬
　1．薬剤から考える
　2．生活（暮らし）や体調から考える
　3．五感でチェックする

5章　知らないままではすまされない経腸栄養と輸液
A．嚥下困難と経腸栄養
　1．嚥下困難
　2．経腸栄養
B．輸　液
　1．輸液理解の手順

6章　知らないままではすまされない褥瘡
　1．褥瘡の発症原因と進行のメカニズム
　2．高齢者の特徴を考慮した予防対策
　3．高齢者褥瘡の特徴と基本的な対策
　4．外用薬の特性
　5．創傷治癒に関与する局所環境因子
　6．褥瘡の重症度分類
　7．DESIGN分類からみた外用薬の分類
　8．外用療法における外用薬の選び方と使い方
　9．外力から薬剤を保護して効果をよりいっそう高める対策の具体例
　10．内服薬と褥瘡の関係

7章　知らないままではすまされないがん性疼痛管理
　1．がん性疼痛の基本を理解する
　2．がん性疼痛における薬物治療の基本
　3．がん性疼痛治療の応用：モルヒネ持続皮下注射

8章　知らないままではすまされない認知症
　1．認知症に気付くとき
　2．認知症とは
　3．認知症の原因
　4．認知症の治療

索引