日本漢方諸流派から中医学、現代医学と、それぞれに精通することを心掛け、その上で真に病人を救う医学を創造しなければならない。
即効性と体質改善とを併せ持つ深奥を窮めた山本巌先生の漢方は、学としての漢方を追求し、尚且つ豊富な臨床経験とともに、中島紀一先生に学んだ中島流一貫堂医学に支えられた「術」を身につけた上での到達点の高さゆえのものであろう。
本書は、『漢方治療44の鉄則』、『病名漢方治療の実際』の著者・坂東正造氏が、同門・福冨稔明氏とともに、山本巌流漢方を後世へ伝承していくために、更に一段上の山本巌流漢方の「学」と「術」の理解と実践に可能な限り役立つよう、5年の歳月をかけて編集・執筆してきたものであり、編著者自らが師より継承し実践してきた中で得た、学識と臨床経験に照らしてまとめ上げた渾身の作である。
上下巻ともに内容に関連させて山本巌先生の臨床語録が挿入された編集となっている。

上巻目次
総論……　（2）
対談　山本巌先生を語る（語り手　坂東正造／福冨稔明）……（27）
第1章　補益と補養剤……（69）
第2章　寒証と去寒剤……（149）
第3章　熱証と清熱剤……（205）
第4章　瘀血と駆瘀血剤……（287）
第5章　気滞と理気剤……（367）
第6章　水、湿と利湿剤……（397）
第7章　解表と解表剤（去風湿剤）……（449）
第8章　漢方の鎮咳・去痰剤……（477）
第9章　和法と和解剤……（591）
第10章　瀉下薬・瀉下剤（下法）……（689）
第11章　漢薬解説……（701）

下巻目次
第12章　臨床応用編……（823）
1．呼吸器疾患……（825）
2．循環器疾患……（933）
3．消化管疾患……（991）
4．肝・胆・膵疾患……（1067）
5．腎臓疾患……（1095）
6．代謝・内分泌疾患……（1103）
7．血液疾患……（1131）
8．神経・筋疾患……（1139）
9．膠原病（類似疾患）……（1177）
10．悪性腫瘍関連……（1197）
11．小児科疾患……（1203）
12．外科疾患……（1255）
13．整形外科疾患……（1293）
14．産婦人科疾患……（1313）
15．皮膚科疾患……（1385）
16．泌尿器科疾患……（1491）
17．耳鼻咽喉科疾患……（1523）
18．眼科疾患……（1563）
19．精神神経科疾患……（1601）
20．歯科疾患……（1635）
索引
病名・症候索引……（1645）
処方集＆処方索引……（1666）
漢薬索引……（1710）