書名 |
看護師の熟練形成 ―看護技術の向上を阻むものは何か |
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筆頭著者 |
下野恵子・他著 |
その他著者等 |
大津廣子 |
出版社名 |
名古屋大学出版会 |
ISBNコード |
ISBN978-4-8158-0647-7 |
発行年 |
2010年9月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 262頁 |
分類 |
基礎看護/看護管理・看護教育/看護教育 |
価格 |
定価4,620円(本体4,200円 税10%) |

日本の病院と教育の現状から考える —— 。わが国の看護師の熟練形成がうまくいっていないのはなぜか。看護師は本当に不足しているのか。医療と看護の現在を、各種調査にもとづく国際比較や内在分析から冷静に捉え、真の“医療崩壊”を防ぐために、看護師の仕事とスキルアップを支援する制度を提言。

序 章 看護師の熟練形成のために:本書の目的と構成
1.本書の分析対象
2.本書の目的と構成
第Ⅰ部 看護師に対する期待と看護師の実践能力
第1章 看護師をめぐる医療制度と看護師に対する期待
1.はじめに
2.看護師養成制度と看護師の現状:1つの職務に2つの資格
3.日本の医療制度の特徴と看護サービスの位置づけ
4.看護師に対する期待:専門家としての確実な技術と知識
5.まとめ
第2章 看護師の経験年数と看護技術の実践能力
1.はじめに
2.調査対象と調査方法
3.聞き取り調査の結果:経験年数と看護行為の選択
4.VTRによる看護行為の分析:経験年数と看護技術の実施率
5.看護技術の評価について
6.まとめ
第Ⅱ部 看護師の労働供給と労働条件
第3章 病院における“看護師の忙しさ”:「看護師不足」の意味
1.はじめに
2.看護師の需要と供給:「看護師不足」解消までの動き
3.日本固有の“看護師の忙しさ”の要因
4. 「看護師不足」と看護師の国際移動:日本において外国人看護師の受入は可能か?
5.病床数の削減と医療サービス水準維持のための政策
6.まとめ
第4章 日本における看護師の賃金水準と労働環境
1.はじめに
2.看護師養成の困難と離職率の上昇
3.看護師の賃金水準:長期的傾向と正看・准看の賃金格差
4.看護師の離職要因と労働環境
5.まとめ
第Ⅲ部 看護技術教育と看護師の熟練形成
第5章 看護師養成制度と看護師国家試験:看護技術の位置づけ
1.はじめに
2.日本の看護基礎教育:看護技術教育の位置づけ
3.日本における看護師養成・資格制度の特徴
4.看護師国家試験における看護技術関連問題の分析
5.まとめ
第6章 看護基礎教育における「技術教育」:基礎看護技術
1.はじめに
2.使用したデータと分析対象者の属性
3.基礎看護技術の授業時間:看護系大学と看護専門学校との比較
4.基礎看護技術の到達目標レベル
5.まとめ
第7章 職場研修における「技術教育」:看護技術研修
1.はじめに
2.職場研修の実態
3.新人看護師に対する看護技術研修:看護基礎教育と職場研修の連携
4.職場研修の問題点
5.まとめ
第Ⅳ部 看護技術向上のインセンティブ
第8章 病院における看護サービスの価格づけの可能性
1.はじめに
2.調査の目的と調査方法
3.調査対象者の属性と看護サービスに関係する回答
4.看護サービスの価格づけ:一般人と看護師の比較
5.看護師の看護サービス価格の決定要因
6.看護サービスの価格づけと看護技術の向上、その問題点
7.まとめ
第9章 看護技術向上のためのインセンティブの制度化
1.はじめに
2.新たな看護師資格制度の導入
3.看護師の看護技術向上のための制度
4.看護サービスの価格づけと看護技術の向上
5.まとめ
終 章 看護師の熟練形成を支援するための提言
1.病院看護師の就業継続:“看護師の忙しさ”の緩和と労働環境の改善
2.継続的な看護技術教育の必要性:看護基礎教育と卒業後の研修
3.看護技術向上のためのインセンティブの制度化