書名 |
芸術的才能と脳の不思議 ―神経心理学からの考察 |
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筆頭著者 |
河内十郎・監訳 |
その他著者等 |
Dahlia W. Zaidel 著 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-260-01000-9 |
発行年 |
2010年5月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 352頁 |
分類 |
臨床医学系/脳神経・神経内科学 |
価格 |
定価4,180円(本体3,800円 税10%) |
脳が芸術に与える影響とは? この昨今のトピックに、1981年ノーベル生理学・医学賞受賞者D. W. Zaidelが切り込んだ意欲作の翻訳版。誰もが知る世界的に高名な画家、音楽家の損傷した脳を分析し、あふれ出る芸術的創造性・才能の源を、神経科学と脳科学の視点からひもとく。私たちが慣れ親しんだ作品誕生の背景に、実は脳の異常が存在していたという新たな衝撃。
第1章 芸術の神経心理学へのアプローチ
はじめに
芸術の定義と目的
芸術のさまざまな構成要素と脳に損傷が生じた高名な芸術家
視覚芸術と知覚と神経心理学
色と芸術と神経心理学
音楽と脳
芸術と創造性と脳
人類の芸術の始まり
芸術における美と脳の進化
言語機能の側性化と言語の障害(失語症)
芸術,言語と半球機能の特殊化
芸術の神経心理学の手がかりとしての才能と感覚障害
要約
第2章 著名な画家における脳損傷の効果
はじめに
左半球損傷後の創作活動
右半球損傷後の絵画製作
緩徐進行性脳疾患
要約
第3章 芸術家と鑑賞者の眼と脳 視覚と色覚の変化
はじめに
色の情報は脳のどこで処理されるのか:脳損傷の効果
視覚芸術家における健康な眼の役割
視覚障害を呈した高名な画家たち
要約
第4章 特殊な視覚芸術家 自閉症と緩徐脳萎縮が芸術製作と創造性に及ぼす影響
はじめに
非典型的な芸術家
ゆっくりした脳の変化
要約
第5章 音楽芸術と脳損傷I 成功した作曲家たち
はじめに
作曲家と緩徐進行性脳疾患
作曲家と脳血管障害による局所的な脳損傷
脳の梅毒が作曲に及ぼす影響
要約
第6章 音楽芸術と脳損傷II 音楽の演奏と聴取
はじめに
音楽芸術と言語
失音楽と音楽芸術
脳における音楽の局在
メロディーと音楽訓練の役割
訓練を受けた音楽家における一側性脳損傷の効果
歌うことの神経心理学
音楽家の手の脳内表現
fMRI研究とPET研究における音楽による脳の活性化
要約
第7章 画家と鑑賞者 視覚芸術における知覚と認知の構成要素
はじめに
芸術,知覚の恒常性,そして標準的な視点
大脳半球のカテゴリー化と絵の遠近法的視点
一側性脳損傷と描かれた物品の認知
絵に埋め込まれた成分を見つけ出す働きと左半球
図-地と視覚芸術における視覚探索
芸術作品におけるグローバル-ローカル,全体と細部
芸術作品の知覚に及ぼす無意識の影響
右半球の機能特殊化,空間表象と芸術の歴史
絵画における奥行き知覚
絵画の歴史における収束と線遠近法
要約
第8章 絵を描くことと見ることの神経心理学的考察
はじめに
芸術家の利き手
描画と頭頂葉
脳に損傷がある患者の描画
半側空間無視と注意
状況画:同時失認
状況,眼球運動,そして前頭眼野
要約
第9章 美,喜び,そして情動 芸術作品に対する反応
はじめに
美と美学
神経心理学と美術に対する情動反応
要約
第10章 ヒトの脳の進化,生物学と初期の芸術の出現
はじめに
生物学と芸術の表示
視覚芸術
ヒトの脳の進化における音楽の起源
芸術と言語の象徴的性質
要約
第11章 美術の神経心理学のさらなる考察
はじめに
才能と創造性
視覚芸術の複雑さ
要約
第12章 結論と芸術の神経心理学の将来
用語解説
参考文献
著者索引
事項索引