書名 |
パノラマ精神医学 映画にみる心の世界 ―CINE-PSYCHOPATHOLOGY |
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筆頭著者 |
中村道彦・著 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-7653-1317-9 |
発行年 |
2007年11月 |
判型 / 頁数 |
A5判 / 232頁 |
分類 |
臨床医学系/精神神経科学/精神医学 |
価格 |
定価2,200円(本体2,000円 税10%) |
いじめや不登校,校内暴力,ひきこもり,幼児・高齢者虐待,DV,対人関係のストレス,自殺,自傷,ドラッグ…と現代社会が抱える諸問題は多様化し,その背後には現代人の心の平衡・健康を消失しつつある危機感,心の健康障害,精神を病んだ姿が見えてくる.これらは多面的な視点をもち,精神医学の観点のみから捉えることができないが,精神科医である著者はこれら諸問題を心の健康障害として捉え,映画解説を随所に取り入れ,映画の中で描かれている心の健康障害を精神医学の視点から紹介した。
映画を楽しみながら健康障害を理解することで誰にも理解できるようにとっつきやすく読みやすい精神医学の手引書となるように試みた.たとえば,ストレス対処法では映画『ポーラー・エクスプレス』(ロバート・ゼメキス監督,2004年)を紹介している.この映画を観たことのある読者は映画のシーンを思い出しストレス対処の奥義を学ぶだろう.あるいは映画を知らない人は興味を抱いてレンタルビデオやDVD屋に走るかも知れない.本書をきっかけにして映画を観ることでさらに心の健康問題に目を向けていただきたい.
映画は古くは1940年代から最新版2007年のものまで約100点をセレクトした.心の健康障害を理解するための入門書として一味ちがったユニークな本に仕上がっている.幅広い読者層にお薦めする.
I ストレス
A ストレス状態 B ストレス対処法
II 心身症
A 不適応反応 B 心身症
III 精神病
A 広義の精神病 B 認知症(痴呆症) C 意識障害 D アルコール関連障害 E タバコ依存症 F 統合失調症 G 妄想性障害 H 気分障害
IV 神経症
A 広義の神経症 B 神経症の歴史 C 神経症の発症メカニズム
V 発達関連障害
A 心の発達 B 人格障害 C 破壊的行動障害 D 広汎性発達障害 E 学習障害 F 知的障害(精神[発達]遅滞)
VI 欲求関連障害
A 摂食障害 B 性障害 C 睡眠障害 D 自傷と自殺(自死)
VII 衝動関連障害
A 衝動制御障害 B チック障害 C いじめ D 児童虐待
VIII 社会的待避状態
A 不登校 B ひきこもり
IX 疾病捏造
A 虚偽性障害 B 詐病
X 薬物治療の理解
A 「治る」こと B 心の薬
XI 現代日本の社会と心の病理
A 戦後社会におけるわが国の意識変化 B 現代人の制御不能感