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書名

診療に役立つ乳幼児の生理学

筆頭著者

五十嵐勝朗・著(国立病院機構弘前病院長 五十嵐勝朗)

出版社名

金原出版

ISBNコード

ISBN978-4-307-17054-3

発行年

2007年3月

判型 / 頁数

A5判 / 120頁

分類

臨床医学系/小児科学

価格

定価2,750円(本体2,500円 税10%)

内容

これまで「子どもは発育とともに生理機能が発達していく。子どもは大人のミニチュアではない」といわれてきたが,実際は大人のミニチュアではないことの学問的証明は困難な部分が多かった。
そこで今回,著者は生理学者の立場ではなく,約40年間の現場に携わった小児科医の立場から,一部の経験を踏まえて乳幼児の発達生理についての研究成果を1冊にまとめた。
小児科医のみならず,医学生,研修医,看護師,コメディカルなどの方々,乳幼児の成長発達の理解に本書をお役立ていただきたい。

目次

■おもな内容
○総論
妊娠期間の数え方(WHO 1979)/胎児の形づくり/胎児が正常に育つ条件/胎盤の機能/胎盤の働き/胎盤のガス交換/胎児期の造血過程/出生児の分類/未熟児(premature infant)/発達(development)とは/発達の分類/発育(growth)とは/乳幼児の細胞機能レベル/身体発育評価/各臓器の生理機能の発達
○DNA
親子のDNA/DNAに刻み込まれている情報とは/本能と呼ばれる生命を守るための情報/DNAの起動と実行/細胞の中の生体/ミトコンドリアの働き/ミトコンドリアのDNA(mtDNA)/先天異常
○脳
植物人間と脳死の違い/脳による身体機能の調節/脳の発達の特殊性/神経細胞の一生/脳の成熟時期/大脳辺縁系/脳の重量/中脳
○反射
胎内と胎外での生活の違い/新生児期の特徴/反射から随意運動へ/新生児反射/原始反射消失の正常範囲内の月数/姿勢反射(postural reflex)/各レベルに属する姿勢反射/運動反射の消失と随意運動の発生
○呼吸
出生時のガス交換/肺呼吸/出生直後の呼吸と循環/新生児の呼吸のメカニズム/新生児の呼吸様式/新生児の呼吸の抑制因子/吸気と呼気
○免疫
胸腺/白血球の役割/免疫機構/免疫とは/免疫細胞/自然免疫と獲得免疫/胎児の免疫反応/新生児期の血清IgG/母乳中の免疫物質/受動免疫/受動免疫の効果/能動免疫/新生児の免疫応答/初乳の分泌型免疫グロブリンA(IgA)
○消化と代謝
○運動
反射運動から随意運動/乳児の運動の指標/小児の発達過程/身体全体の筋肉運動/指は突き出た脳である/器用
○神経
自律神経の種類/自律神経のおもな組織に対する効果/脊髄,伝導路/体性神経系/中枢神経系の性質/ニューロン(neuron)/中枢神経系の構造と機能/末梢神経系/末梢神経の種類/末梢神経系の分類/大脳/新生児の神経機能の特徴
○内分泌
視床下部/下垂体/甲状腺/副腎/副腎皮質/副腎髄質/膵臓/膵臓の組織と機能/ランゲルハンス島(内分泌部)/卵巣/精巣/精子/アンドロゲン(androgen)
○睡眠
夜泣き/夜泣き防止の注意点
○感覚
視覚/眼球/耳/聴覚/嗅覚/嗅細胞がにおい分子の受容機能をもつ/においが感じなくなる理由/味覚/触覚
○皮膚
皮膚の成り立ち/皮膚の構造/表皮層の働きと性質/皮膚の作用/皮膚の機能/皮膚病の遠因
○骨
骨の働き/頭蓋骨/骨の発育
○歯
歯の萌出時期  体温 乳幼児の体温が高い理由
○発熱
発熱の機序/発熱の機能(利点)/体温上昇が悪影響を及ぼす場合
○血液と血管
造血/血管系/リンパ管系/脾臓
○体液
○栄養
栄養素とそのおもな役割/食品の4群法/各群の必要点数
○生理機能の正常値
○尿意
夜尿症/夜尿症への対応
○健診
1歳6カ月健康診査/3歳児健康診査
○くせ
指しゃぶり/異常でない乳幼児のおもなくせや行動
○環境
乳児の行動/幼児の言葉
○事故
起きやすい事故とおもな原因
○発達の異常
感受期における正常化/逸脱発達/発達障害/精神遅滞/脳性麻痺/てんかん/行動異常・情緒障害/多動症候群*(attention-deficit/hyperactivity disorder ; ADHD)/学習障害*(learning disability ; LD)/自閉症(autism)/言語発達遅滞