書名 |
臨床神経生理検査の実際 |
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筆頭著者 |
松浦雅人・編(東京医科歯科大学教授) |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-88002-671-8 |
発行年 |
2007年8月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 331頁 |
分類 |
医療技術/臨床検査 |
価格 |
定価6,600円(本体6,000円 税10%) |
(序文より)
臨床神経生理検査のカバーする領域は広い。中枢神経系では脳波検査や誘発電位・事象関連電位検査が重要で、末梢神経・筋系では筋電図検査と神経伝導検査が重要となる。最近では、終夜睡眠ポリグラフ検査も多く行われるようになった。そのほかにも、視覚機能検査、聴覚機能検査、味覚・嗅覚機能検査、平衡感覚機能検査、自律神経機能検査などがある。広義には医用超音波やサーモグラフィなどの画像による機能検査も臨床神経生理検査に含まれよう。日本臨床神経生理学会に所属する医師会員の診療科をみると、神経内科、小児神経科、精神科、脳神経外科、整形外科、リハビリテーション科などと多岐にわたる。臨床検査技師の会員は病院検査部に所属する人が多いが、企業や研究所で活躍している人も少なくない。さらに医療関連領域だけでなく、工学、教育学、心理学などの分野で、研究職や教職に従事している人たちもいる。
このような臨床神経生理検査技術を身につけるためには、神経系や筋の解剖や生理についての知識とともに、脳波計や筋電図などのME機器の知識も要求される。また、神経生理学分野の新たな知見や、臨床工学分野のトピックスについても知っておく必要があろう。これまで、このような広範な領域を簡潔に記述した臨床神経生理検査のテキストはなかったように思われる。臨床神経生理検査の専門家といえども、一人ですべての領域に精通することは困難なためであろう。そこで、本書ではそれぞれの領域の専門家にお願いして、最新の情報をわかりやすく解説していただいた。新たな臨床神経生理検査技術を身につけようとする人にとってはもちろん、すでに臨床神経生理検査に従事している人も日常臨床場面で利用していただければ幸いである。
1.臨床神経生理検査の基礎
神経の興奮と伝導の基礎
臨床神経生理検査におけるME技術
神経生理に関わる臨床検査技師の役割
臨床神経生理検査機器の歴史
2.中枢神経系の検査
中枢神経系の基礎
脳波の発生機序
デジタル脳波計の現在
デジタル脳波計による脳波検査の基礎
脳波記録における標準電極装着法
賦活法の実際
アーチファクトについて
乳幼児・小児脳波検査
小児脳波判読
成人脳波
高齢者の脳波
特殊脳波記録
事象関連電位検査
随伴陰性電位(Contingent Negative Variation:CNV)
終夜睡眠ポリグラフ検査
日中の過眠検査
3.感覚系の検査
感覚器の特性
体性感覚誘発電位(SEP)
視覚誘発電位(VEP)
聴性脳幹反応(ABR:Auditory Brainstem Response)検査の実際
聴性脳幹反応─救命領域を中心に─
幼小児・新生児の聴力検査
平衡機能検査
味覚・嗅覚機能検査
脳磁図検査の臨床応用─誘発反応─
4.運動系・末梢神経の検査
末梢神経・筋の基礎知識
現在の筋電計の基礎知識と新たな応用
針筋電図と神経伝導検査の基礎知識
末梢神経伝導検査総論:理論と実際
誘発筋電図各論(F波など後期応答)
神経伝導検査(上肢編)
神経伝導検査(下肢編)
瞬目反射
経頭蓋磁気刺激検査
自律神経検査・心血管系─心電図R-R間隔変動について─
自律神経検査・発汗皮膚血管系
脳波用語集