書名 |
漢方診療二頁の秘訣 |
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筆頭著者 |
寺澤捷年・編(富山医科薬科大学副学長) |
その他著者等 |
花輪壽彦 編 |
出版社名 |
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ISBNコード |
ISBN978-4-307-10122-6 |
発行年 |
2004年1月 |
判型 / 頁数 |
B5判 / 292頁 |
分類 |
臨床医学系/その他/統合医療(東洋医学他) |
価格 |
定価5,280円(本体4,800円 税10%) |
序より抜粋
臨床の現場ではすべてがマニュアル通り行くわけではないし,特に「個別医療」を重視する漢方医学においては,エビデンスの構築と臨床応用における個別の具体的な「経験知」は相補的関係にある。
金原出版の「診療二頁の秘訣」シリーズの一つとして企画された本書の編集を依頼いただき,社団法人「日本東洋医学会」の医系の理事・評議員を中心にお願いすることとし御依頼したところ,多数の快諾をいただいた。その結果,多くの先生から「かゆいところに手の届くような」貴重な玉稿をいただくことができた。漢方医学の得意とする現在の「口訣集」ともいえる内容になり,編集する立場からは大変有意義な一書を手に入れることの喜びを感じている。
気軽に読め,しかも明日の臨床にすぐに使ってみたくなるヒントを種々の立場から示していただいた。また思い違いのピットフォール(落とし穴)に気づかせてくれる指摘も参考になった。漢方を愛するという「志」を同じくする熱い思いがひしひしと伝わってくるのがうれしい。
■漢方を学ぶうえで
漢方の基本“証”“陰陽,虚実,表裏(内外)”/漢方診療を始める前に/疎かにされがちな「診察」/東西医学を融合して,患者に最高の医療を/自覚症状把握の重要性/他10項目
■漢方の考え方
漢方診療の基本/漢方診療の心得/漢方医学のものさし/証の心理的側面/虚実の見分け/他2項目
■診察のコツ
健康学童の舌苔(地図状舌を中心に)/問診で何をとらえるか/腹診のコツ/脈診の極意/腹診の極意/他14項目
■疾患別のコツ-内科・呼吸器,循環器
内科医の常識として/万年風邪症候群/熱感を訴える風熱型の感染症について/高齢期喘息の診断と治療のコツ/感冒初期の非定型的症状を見極める/他8項目
■疾患別のコツ-内科・消化器
厚朴・枳実と消化器疾患/感冒に伴う下痢の漢方治療/しゃっくり(吃逆)の漢方治療/胃切徐術後障害の漢方療法/消化器内視鏡所見と漢方処方
■疾患別のコツ-産婦人科
女性における駆 血剤と補剤/産婦人科漢方医療のコツ/月経困難症/漢方不妊治療の実際/月経随伴症状の漢方治療/女性の不定愁訴,血の道症に対する漢方治療
■疾患別のコツ-疼痛性疾患
腰痛と漢方/慢性の腰痛や膝の痛み/腰痛・膝関節痛の漢方治療/高齢者の慢性腰下肢痛に対する漢方治療/皮内針三分間治療のコツ 初期のOA(変形性膝関節症)に皮内針治療/他7項目
■疾患別のコツ-腎泌尿器科
泌尿器科領域での漢方治療/尿路の不定愁訴(女性)には/泌尿器科の外来診療/慢性腎炎の漢方治療-人工透析に至らせないために-/慢性腎機能障害・腎不全の治療
■疾患別のコツ-皮膚疾患
慢性皮膚疾患の診断から治療まで/帯状疱疹の漢方治療/アトピーにステロイドは不要-石膏が効く-/強皮症の皮膚硬化に対する漢方治療のポイント/私のアトピー性皮膚炎の漢方治療
■疾患別のコツ-代謝・アレルギー疾患
糖尿病を管理する上で西洋医学と漢方の統合をどうする/花粉症の漢方治療/アレルギー性疾患の治療は早期に/アレルギー性鼻炎に対する漢方と洋薬の併用について/他3項目
■疾患別のコツ-耳鼻科・眼科・小児科・精神科
咽頭痛・声がれの影に“口乾”を疑う/梅核気の漢方治療/眼病にも漢方/小児の漢方治療のコツ/不定愁訴の治療過程での問題/身体表現性障害の漢方治療
■処方運用のコツ
桂枝湯を愛す/去方の考慮を!/急性熱性疾患に対する大青竜湯の効果-舌所見を交えて-/小柴胡湯運用の秘訣/小柴胡湯方後の加減について/他29項目