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書名

体温のバイオロジー ―体温はなぜ37℃なのか

筆頭著者

山蔭道明・監

出版社名

MEDSi

ISBNコード

ISBN978-4-89592-404-7

発行年

2005年4月

判型 / 頁数

A4変型判 / 196頁

分類

臨床医学系/麻酔科学

価格

定価(本体4,700円+税)

内容

“麻酔を核とした総合誌”LiSAの増刊、第3弾。医療における重要なバイタルサインである体温について、さまざまな分野から幅広く科学的に追求する。生理学的な話題はもちろん、体温変化を活用した治療や手術中の体温管理、さらには変温動物の話や体温計の歴史にまつわるエピソードまで、徹底解明。広く医学・医療に関わる人々の知的好奇心を刺激する一冊。

目次

目  次

第1部:体温の生理学
1.体温の調節と調節中枢…………… 2
入來 正躬
動物によって異なる体温変化 2  ヒトと動物の体温 2  ヒトの体温 4  体温調節系の構成 5  体温調節中枢の働き 8
2.体温に与える明るさと衣服の影響………… 13
登倉 尋實
昼間の明るさと体温 13  衣服と体温 14
3.なぜ体温は37℃か?-恒温性をめぐって………… 17
永井 正則
内温性と外温性 17  恒温動物の未来 18  体温が一定に保たれるメリット:身体のパーツと温度 18  脳と恒温性 19  部分的内温性 19  平滑筋の収縮と温度 20  自律性体温調節反応の起源 21
4.冬眠と体温調節………… 26
大渡  伸・Klaus Pleschka
冬眠現象 26  冬眠 26
5.体温調節における皮膚の重要性………… 29
三枝 岳志
熱放散器官としての皮膚 29  温度受容器官としての皮膚 35
6.体温のリズム………… 40
本間 研一
生物時計 40  体温リズムの形成機序 42  マスキング 45  体温リズムの生理的意義 45
7.暖かいと眠くなるのか?眠いから体温が上がるのか?………… 47
川真田 樹人・高橋 稔之・杉野 繁一
入眠時,皮膚の温度は上昇,深部体温は低下 47  加温すると,麻酔による入眠潜時が短い 47
8.熱産生のシステム:褐色脂肪組織の生理………… 49
黒島 晨汎
今なぜ褐色脂肪組織が注目されているのか? 49  交感神経-副腎髄質系と褐色脂肪組織 50  グルカゴンと褐色脂肪組織 51  甲状腺ホルモンと褐色脂肪組織 52  糖質コルチコイドと褐色脂肪組織 53  その他のホルモンと褐色脂肪組織 53  褐色脂肪組織熱産生の調節要素 55  褐色脂肪組織脂肪酸組成と熱産生 56  一酸化窒素(NO)と褐色脂肪組織 57  熱ショックタンパク質heat shock protein(HSP)と褐色脂肪組織 59
第2部:体温の異常
9.発熱と解熱の絶妙なバランス………… 64
中島 敏博
二つの体温上昇:発熱と高体温 64  発熱の効能:体温上昇と死亡率の関係 65  体温調節 66  発熱 67  内因性発熱物質 68  内因性発熱物質の中枢への作用 70  脳が作る解熱物質 70
10.トウガラシ(カプサイシン)と体温………… 73
山本 浩貴
トウガラシと体温に関する言い伝え 73  動物実験から得られたカプサイシンと体温の関係 73  カプサイシンに対する受容体 74  カプサイシン受容体と体温調節 74
11.熱型から疾患を考える………… 76
長尾 雅悦
熱型とは何か 76  体温の高低は何を意味するか 76  発熱に伴う症状を見分ける 77  体温の異常と注意すべき病態 78  発熱を診断する 78
12.熱中症の分類・機序・その対処法:現代人は熱中症が多いのか?………… 79
池上 徹則・氏家 良人
身近な熱中症:子供は熱に弱い 79  熱出納バランスは体温調節中枢がコントロール 79  体温の変化と調節:非蒸散性熱放散と蒸散性熱放散 80  熱中症とは 80  熱中症heat illnessの分類と対処法 80
13.生き残るためのHeat Shock Protein………… 83
藤村 直幸
HSPは類似性の高い一つのファミリー 83  HSPを誘導するストレスはタンパク質の変性,不安定化をもたらす 83  分子シャペロン機能,抗原プロセシング,抗原提示に重要な役割を担うHSP 84
14.乳幼児突然死症候群はうつ熱時の「産熱抑制」が原因………… 86
久保田 史郎
SIDSの病態を解明する 86  赤ちゃんの体温調節の仕組み 86  高温環境がバイタルサインと産熱機構に及ぼす影響 87  高体温(うつ熱)が危険な理由 88  「着せすぎ」に注意 88  SIDSの発症機序 88  仰向け寝運動によってSIDSはなぜ減ったのか 89  赤ちゃんをSIDSから守るために 90
15.低体温児を考える………… 91
朝山 正己
低体温児と低体温化 91  意外と難しい体温測定 91  電子大国日本が生んだ低体温児騒動 92  なぜ下がる,子どもの体温 93  時差ボケの低体温児:子どもの健康と体温 93  自分で知ろう:体温の正常値 95
16.各種動物園動物の体温の特徴:動物園飼育の立場から………… 96
橋崎 文隆
変温動物はけして冷血ではない 96  恒温動物は体温調節機構が発達している 96  飛ぶ鳥の体温は高い 96  大きい動物は寒さに強い 97  大きい動物はエネルギー効率がいい 97  恒温動物の熱さを避ける戦術 98  原始的な哺乳類は体温が低い 98
17.高齢者の低体温………… 99
田中 正敏
老化と体温調節との関係 99  高齢者と若年者の比較 100  高齢者の早起きと体温 101
18.偶発性低体温症…………103
成松 英智
主病態は低体温に伴う恒常性失調 103  診断には臨床所見と発症状況の情報が必要 103  治療のポイントは復温時の全身管理 104
第3部:体温変化誘導による治療
19.高体温療法の可能性を考える…………110
馬渡  徹・渡辺  敦
どうして癌細胞は高体温に弱いのか 110  Heat Shock Protein(熱ショックタンパク質) 111  高体温療法と他の癌治療法 111  温熱療法はどういった使い方がなされているか 111  高体温療法はどのように行うか 111  温熱療法にはどのくらいの効力があるか 113  高体温療法の問題点・今後の課題は? 113
20.身近な物理療法,温泉療法を考える…………115
渡部 一郎
温泉療法の末梢循環改善効果 115  水中運動療法の効果 115  温泉療法の内分泌・免疫応答 116
21.偶発性高体温による癌の治癒…………118
山蔭 道明
事例1(フランス,1725年) 118  事例2(ドイツ,1868年) 118  事例3(アメリカ,1950年) 118  事例4(イタリア,1996年) 118  事例5(世界的調査,1900~1987年) 119
22.脳低温療法の実際とピットホール…………120
林  成之
複雑な病態に対し正確に対策を立てることが基本 120  脳低温療法の治療目標 120  脳低温療法の作用機序 122  脳低温療法の適応と禁忌 123  脳低温療法の集中管理法 124  植物症を防止する新しい概念の脳低温療法 127
23.低体温麻酔の現状と問題…………129
山内 正憲
低体温麻酔と体外循環 129  どのように冷やすのか? 129  体外循環-人工心肺回路の構造と全身管理 130  低体温麻酔中の体温管理:どこの体温をモニタするか? 130  低体温麻酔による生理変化 131  超低体温麻酔による生理変化 132  合併症と新たな発展 132
第4部:手術中の体温変化
24.悪性高熱症と麻酔…………134
市原 靖子・菊地 博達
悪性高熱症の歴史 134  発症機序 134  悪性高熱症の臨床像と治療 135  我が国における悪性高熱症の集計 136  素因者の判定 137  麻酔計画(素因保有者の麻酔) 138  悪性高熱症友の会 139
25.うつ熱に注意…………140
川名  信
小児の麻酔中の体温変化 140  小児の体温生理の特徴 141  全身麻酔と小児の体温 141  うつ熱の機序 142  うつ熱の対処 143
26.重症熱傷であれほど低体温になる理由…………144
池田 健彦・風間 富栄
重症熱傷の重傷度判定基準と,重症熱傷が危険なわけ 144  熱傷に対する麻酔中の低体温とその対策 144
27.手術中の低体温:起こる理由と悪い理由…………146
松川  隆
手術中の低体温が起こる理由 146  手術中の低体温が起こって悪い理由(outcome studies) 148
28.術中の体温測定機器:適切な体温モニターが要求される時代になった…………150
池田 健彦・風間 富栄
麻酔中に体温を測定する意義 150  体温測定部位:食道温こそがゴールドスタンダード 150  体温計の一長一短 151
29.術中の体温の保持:患者には暖かく術者には涼しく…………153
根岸 千晴
麻酔と体温管理 153  術中の体温維持の必要性 153  術中体温管理のファーストステップ:再分布性低体温の予防 154  体外への熱の放散の予防 154  目標とする中枢温の設定 160  体温管理の“これから”… 160
第5部:体温計の歴史と発展
30.水銀体温計から電子体温計への挑戦…………162
池田  誠・小澤  仁
水銀体温計の歴史 162  水銀体温計の仕組み 163  水銀から電子への進化 164  電子体温計の仕組み 166  電子体温計の考え方と原理 166  あしたの体温計 168
31.赤外線の話:耳式体温計はなぜ売れたか?…………169
大西 喜英
家庭での体温測定とその意義 169  検温部位 169  耳式体温計普及の背景 169  鼓膜から放射される赤外線 170  なぜ耳で検温ができるのか 170  耳式体温計の構造と測定原理 170  耳で体温を測定するときに注意すること 171  耳式体温計の便利な機能 171  耳式体温計の今後の課題 172
32.サーモグラフィ:臨床への応用…………173
中山 禎人
原理:赤外線の強度を温度に換算して画像表示 173  歴史:1954年に米国で商品化 173  装置:赤外線カメラ,情報処理のためのコントローラー本体,ディスプレイ装置が基本構成 174  代表的疾患における測定の実際 174  神経ブロック後の効果判定 175
33.SARS対策にどうしてサーモグラフィなのか?…………176
佐野  豊・佐藤 亮一
サーモグラフィの医学への導入 176  インフラアイRの誕生 176  SARSとサーモグラフィ 177  監視装置としてのサーモグラフィの今後 179
34.深部体温計:体表に装着するだけで核心温を測定…………180
戸川 達男
最初の深部体温計 180  装置の改良 180  深部温測定の性能 181  広がる臨床応用 182  今後の展望 182