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書名

国立精神・神経センター武蔵病院 小児神経科ケースカンファレンス100

筆頭著者

佐々木征行・著

出版社名

診断と治療社

ISBNコード

ISBN978-4-7878-1383-1

発行年

2004年7月

判型 / 頁数

B5判 / 336頁

分類

臨床医学系/小児科学

価格

定価(本体6,600円+税)

内容

小児神経科の多岐にわたる疾患を主訴別に整理し、臨床での経験を深めるための足がかりを提供する。過去10年間400回に及ぶ実績から診断確定症例を再検討し集大成。 国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科では,診断の難しい
患者さん,治療の難しい患者さんを中心に,毎週1回水曜日にケー
スカンファレンスを行っています.この10年間でおよそ400回のカ
ンファレンスが開かれました.診断が確定したり治療方針が定まっ
たりする場合もあれば,カンファレンスを行ってもまったく診断に
たどり着かない場合も少なくはありませんでした.これまでの蓄積
の中から,筆者の独断で100人の患者さんをピックアップして主訴
別に並べてみたのが本書です.診断が確定した方を選んだ結果,神
経筋疾患や変性代謝疾患が多くなりました.また,かなり稀な疾患
も含まれていますが,これは当科の特性を反映していると考えます.
小児神経科で出会う患者さんがお持ちの疾患には,非常にたくさ
んの種類があります.しかし,てんかん,発達障害,周産期障害あ
るいは中枢神経感染症などを除くと,それぞれの疾患は頻度が低い
ため,実際に自分で外来や病棟で接する経験はそれほど多くはない
ものです.小児神経科専門医であっても,しばしば新しい経験をさ
れていることでしょう.医師であるわれわれは,実際にさまざまな
患者さんに出会うことによって新たに勉強をする機会をいただいて
いるのです.本書は,いろいろな疾患の患者さんに接する機会を読
者に提供することを目的として作成いたしました.しかし,疾患を
系統的・網羅的に詳しく解説した教科書ではありません.主訴に応
じて配列した結果,読者を混乱に陥れるかもしれません.説明は不
十分ですし,参考文献も偏ったものしか挙げてありません.本書で
出会った疾患については,ご自身で教科書を読んだりあるいは文献
検索をされたりして,さらに知識を深めていただければと考えてお
ります.そのような勉強のきっかけになれば,本書の目的は達成さ
れたと考えます.
患者さんの診断を確定することは,決して小児神経科医療におけ
る目的ではありません.治療のための第一段階です.正しい診断に
基づいて正しい治療ができます.しかし残念ながら,診断がついて
も現在の医療水準では根本的治療の困難な疾患が多いことも事実で
す.したがって多くの場合,診断を確定することは患者さんとの長
いお付き合いの出発点に過ぎません.患者さんとそのご家族が病気
とともに前向きに過ごして行かれるようお力添えをすることが,私
たち小児神経科医の大きな責務です.
小児神経科専門医を目指す若い小児科医の皆さんはもちろん,小
児神経疾患の患者さんに日夜接しておられる小児神経科医の方々に
も,この本が少しでもお役に立てれば幸いです.

2004年4月
筆者

目次

カラー口絵

A.フロッピーインファント
A-1.出生直後より人工呼吸管理を2カ月受けたフロッピーインファ
ントの9カ月女児
A-2.出生時より強い筋緊張低下を示し,徐々に改善している11カ
月男児
A-3.最重度仮死で出生,まったく運動発達のみられないフロッピ
ーインファントの1歳女児
A-4.生後早期より多呼吸に気づかれたフロッピーインファントの
3カ月男児
A-5.筋緊張低下と軽度高CK血症を認める9カ月男児
A-6.仮死で出生し筋緊張低下が継続している知的正常2歳女児
A-7.出生前より脳室拡大を指摘され,筋緊張低下の続く9カ月女児
A-8.出生時より大頭と筋緊張低下を呈した3カ月女児

B.運動発達遅滞
B-1.運動発達の遅れと筋緊張低下を呈した1歳男児
B-2.乳児期より筋緊張低下を示し,運動発達が遅れている2歳男児
B-3.筋緊張低下,運動発達遅滞に心拡大を伴った1歳女児
B-4.運動発達遅滞を呈し手関節と足関節の可動域亢進が目立つ1歳
3カ月男児
B-5.坐位以降の運動発達が遅れ,2歳5カ月で歩けるようになった
5歳男児
B-6.哺乳不良と運動発達遅滞を呈し,まだ歩行できない4歳男児
B-7.1歳7カ月で歩行開始した筋緊張が低下している1歳11カ月男児
B-8.1歳9カ月で歩行開始し,以後もよく転び,まったく走れない
6歳男児
B-9.1歳6カ月で歩行開始し,運動発達の軽い遅れとミオパチー顔
貌を呈する4歳児
B-10.運動発達の軽い遅れと肘関節伸展制限,肝脾腫,特異顔貌を
呈する2歳女児
B-11.運動発達遅滞があり嘔吐発作を繰り返した兄をもつ1歳4カ月
男児

C.運動退行
C-1.走るのが遅く,運動が極端に苦手な7歳男児
C-2.運動が極端に苦手で,走ったり跳んだりできない7歳女児
C-3.歩容異常で始まり,4カ月の経過で歩行できなくなった4歳女児
C-4.10歳より徐々に筋力低下が進行する13歳女児
C-5.1歳で歩いたけれど,走ったり跳んだりできない4歳女児
C-6.運動が極端に苦手で,表情に乏しい12歳男児
C-7.11歳より走るのが遅くなり,しばしば転倒する13歳女児
C-8.感冒後に四肢の痛みを訴え,立ったり歩いたりできなくなった
4歳女児
C-9.微熱・大腿部痛後,数日の経過で急速に四肢麻痺に進行した
5歳男児
C-10.1歳9カ月時の発熱後から歩行ができなくなり,下肢の痛みを
訴えた2歳男児
C-11.安静時のふらつきと嚥下障害が2カ月で徐々に進行した12歳女児
C-12.坐位獲得まで順調で,10カ月頃から坐位も寝返りもできなく
なった1歳女児
C-13.四肢体幹がふらつくため歩けなくなった1歳10カ月男児
C-14.急性上気道炎による発熱に伴う一過性のふらつき・脱力を繰
り返す5歳男児
C-15.1歳で歩行開始後から運動発達が進まず,半年後には歩けなく
なった2歳女児
C-16.5カ月前より始まった筋脱力,歩行困難を主訴とする12歳男児
C-17.2年前より進行性右上肢萎縮を呈する12歳女児

D.精神運動発達遅滞
D-1.強直間代発作と精神運動発達遅滞を呈す小頭症の8歳女児
D-2.眼振と振戦を呈し,精神運動発達の進まない1歳男児
D-3.注視障害,ふらつき歩行,けいれんを認める精神運動発達遅滞
の3歳男児
D-4.筋緊張低下と精神運動発達遅滞を呈し,頻回に発熱する1歳
7カ月男児
D-5.顔面非対称で多数の白斑を認める精神運動発達遅滞の4歳女児
D-6.四肢に不随意運動と筋緊張異常を呈する精神運動発達遅滞の
10カ月男児
D-7.眼振と筋緊張亢進を呈する周産期異常のあった7カ月男児
D-8.生後すぐから哺乳不良を呈し,喘鳴と外斜視を認める3カ月男児

E.精神運動退行
F.意識障害
G.けいれん
H.不随意運動
I.頭 痛
IJ.片麻痺
K.無呼吸
L.発作性筋痛・筋脱力
M.眼瞼下垂