雑誌名 |
Monthly Book OCULISTA |
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出版社 |
全日本病院出版会 |
巻・号 |
2023年 2月号 No.119 (2023年 2月 20日発行) |
特集 |
再考!角膜炎診療 ― 感染性角膜炎の病原体と標的治療 |
定価 |
3,300円(本体3,000円 税10%) |
URL |
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著作権管理 |
JCOPY |
患者背景と前眼部所見による感染性角膜炎の診断と初期治療 星 最智
感染性角膜炎の初期診断とは問診と前眼部所見から感染源,感染経路,宿主の状態について一貫性のあるストーリーを作成し,起炎菌を想定することである.
塗抹検鏡による感染性角膜炎の診断と初期治療 堀田芙美香.
塗抹検鏡は,どのような微生物が検体に存在するかがすぐにわかり,結果に応じて早期から適切な抗微生物薬を選択することができるという点で,非常に有用な検査法である.
培養と薬剤感受性測定の実際. 細谷 隆一
微生物検査結果はどのようにして得られるのか?実際の検査の流れ,各検査法の内容について解説する.
ブドウ球菌角膜炎―病原体と標的治療― 子島 良平
ブドウ球菌角膜炎は重篤化することは少ないものの臨床でしばしば遭遇する.治療にはセフメノキシムやフルオロキノロンを使用するが,耐性菌も存在するため注意を要する.
肺炎球菌角膜炎―病原体と標的治療― 松本 光希
肺炎球菌角膜炎はグラム陽性(双)球菌の肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)による角膜感染症である.診断には角膜擦過による起炎菌検索,涙囊炎の有無のチェック,治療にはペニシリン系等,有効な抗菌薬の頻回点眼が必要である.
緑膿菌角膜炎―病原体と標的治療― 岡 奈央子
緑膿菌はさまざまな病原因子を持ち,角膜炎の臨床所見も典型例から非典型例まで多彩である.緑膿菌の病原因子と臨床所見との関係を中心に述べる.
モラクセラ角膜炎―病原体と標的治療― 鳥山 浩二
モラクセラ属は培養同定が困難な菌だが,質量分析により菌種同定が容易になった.薬剤感受性は良好なものの上皮欠損が遷延しやすく注意が必要である.
コリネバクテリウム角膜炎―病原体と標的治療― 江口 洋
コリネバクテリウム角膜炎は,慢性眼表面疾患のある症例で起こりやすい.治療の第一選択はセフェム系点眼薬である.最も角膜炎の病原菌になりやすい種は未だ不明である.
真菌性角膜炎―病原体と標的治療― 戸所 大輔
真菌性角膜炎の原因には酵母様真菌であるカンジダ属と糸状菌がある.糸状菌のうち,フザリウム属による角膜炎に対してはポリエン系のピマリシンが第一選択となる.
アカントアメーバ角膜炎―病原体と標的治療― 中川 迅
アカントアメーバ角膜炎はコンタクトレンズの世界的な普及に伴い,患者数は増加傾向にある.稀であるが必ず直面する感染性角膜炎であり,鑑別診断するスキルが要される.
