雑誌名 |
Monthly Book Derma |
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出版社 |
全日本病院出版会 |
巻・号 |
2023年 1月号 No.330 (2023年 1月 25日発行) |
特集 |
色素異常症診療のポイント |
定価 |
2,860円(本体2,600円 税10%) |
URL |
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著作権管理 |
JCOPY |

メラノサイトの発生と分化 國貞 隆弘
メラノサイトは分化してからも由来となる神経堤細胞の性質を受け継いでおり,本稿でメラノサイトの発生過程とメラノサイト幹細胞の特性を確認することが色素異常症の理解の一助となることを期待する.
メラノソームの生合成 中村 光李ほか.
メラニン色素の合成・貯蔵を担うメラノソームは段階的に形成され,その過程では,メラニン合成酵素,構造タンパク質,小胞輸送の制御因子などの役者が協調的に機能する.
健常人の皮膚色 阿部 優子
健常人の皮膚色多様性についてヒトの進化の歴史とともに遺伝学的因子についてまとめた.さらに同一集団とされる日本人皮膚色の多様性を生む遺伝子因子についても解説する.
眼皮膚白皮症. 岡村 賢
OCAには重篤な合併症を伴うサブタイプがある.特に日本人においては,致死的な肺線維症を伴うHPS 1型の頻度が高いため,遺伝子解析による正確な診断が医学的に重要である.
雀卵斑とその鑑別疾患 荒木 勇太
雀卵斑は一般市民にもなじみのある疾患の1つであるが,それ故に他疾患と混同される場合がある.最新の情報を踏まえ,雀卵斑とその鑑別疾患について解説する.
色素増強疾患 大磯 直毅
色素増強はメラノサイトとメラノソームの分布と機能の変化について,ケラチノサイトや真皮に滴落したメラノソームなどとの関係性を含めて理解する.
尋常性白斑,病態と治療について 種村 篤
尋常性白斑の診断,最新の白斑の病態と各種治療法の特徴について,自験例を交えて解説した.白斑症例・病変の不均一性を考慮した治療を行う必要がある.
炎症後色素沈着:モデル動物の解析 鈴木 民夫ほか
炎症後色素沈着マウスモデルを確立し,各種解析を行った.その結果,ある種のマクロファージサブタイプを標的とする新規治療戦略が示唆された.
後天性真皮メラノサイトーシス 宮田 彩可ほか
後天性真皮メラノサイトーシスの概念と鑑別疾患,レーザー治療の具体的な手順と注意点を記載した.レーザー照射後の炎症後色素沈着には特に注意が必要である.
老人性色素斑(発症メカニズム) 中山 和紀
皮膚表層の細胞が相互に作用する分子メカニズムだけでなく,神経や血管といった皮膚深部の構造体が老人性色素斑に関与することが近年新たに明らかになってきている.