JMPA 転載許諾ガイドライン Q&A

2017年7月1日JMPA 著作・出版権委員会

JMPA ではこの度、「JMPA 転載許諾ガイドライン」(以下、「ガイドライン」)を策定いたしました。

主旨について

Q1.転載許諾ガイドラインは、なぜ必要なのでしょうか?

A1.転載許諾実務は、本来各出版社のポリシーに従って、独自の基準によって行われるものです。とはいえ、学術出版の分野では転載が不可欠であり、許諾申請の件数も非常に多いことから、ガイドラインという形で、転載許諾料の有無も含め転載許諾実務の基本原則を示すことによって、より多くの出版社が、相互に転載許諾実務をスムーズかつ適切に行うことができるようになると考えています。

Q2.JMPA が独自のガイドラインを設けたのはなぜでしょうか?

A2.JMPA 会員社 30 社中 21 社が加盟している一般社団法人自然科学書協会では、2008 年に「転載許諾ガイドライン 2008」を STM(International Association of Scientific, Technical and Medical Publishers)の「Permissions Guidelines」の 2003 年版を基に制定し、転載許諾申請の取り扱いについて一定の指針を示しています。なお STM の Permissions Guidelines は、1998 年に初版を制定して以来、2003 年、2008 年、2009 年、2011 年、2012 年、2014 年(最新)と数次の改訂を経ながら、ガイドラインに同意署名した会員社の間で運用されています。
 こうした他団体の動向、ならびに JMPA 会員社の多くが医書出版の実情を加味した独自のガイドラインの必要性を認めていることが確認できたことを受け、JMPA でも 2013 年にガイドラインの検討を開始いたしました。活発な議論と慎重な検討の結果、2016 年 12 月よりガイドライン(案)の試験運用を開始し、2017 年 7 月より本運用に移行しました。なお、本ガイドラインは、自然科学書協会と同様に STM の Permissions Guidelines(主に 2012 年版、2014 年版)を参考にしています。

Q3.本ガイドラインは、どのような目的で作られ、どのようなメリットがあるのでしょうか?

A3.一つは、A1-1 で述べたとおり、転載許諾実務の基本原則を示すことです。基本原則が示されれば、申請する側も、受ける側も一定の基準に沿った取り扱いを行うことができ、ひいてはお互いの実務が、スムーズかつ適切に運べるようになるでしょう。また、転載許諾をめぐって会員社間でトラブルが生じた際には、解決のための一つのよりどころとして、ガイドラインを活用することも想定しています。
 また、ガイドラインの検討を始める段階で JMPA 会員社の多くが転載許諾申請手続きの簡素化を望んでいたことが確認できたため、転載許諾実務の簡素化も主な目的の一つとしました。なお、参考にした STM のガイドラインでも、一定の基準を満たす場合に転載許諾申請の手続きを免除する等、転載許諾申請実務の簡素化を志向しています。
 このように、スムーズかつ適切、簡便に転載許諾が得られるような環境を整えることにより、むやみな利用あるいは利用制限の濫用・拡大を防ぎ、著作者の権利を保護するという間接的なメリットも期待できます。

Q4.本ガイドラインには、拘束力があるのでしょうか?

A4.ガイドラインは一般的に「指針」と翻訳されるとおり、拘束力を持たないものであり、STM も自然科学書協会も、ガイドラインに拘束力を持たせていません。同様に JMPA も拘束力を持たないガイドラインの策定を志向し、本ガイドラインの前文において「会員社各社の判断を制限するものではない」と明記しています。ただし、本ガイドラインに一定の実効性を持たせるためにも、会員社間において「主旨は尊重されるべき」という点は、相互の共通理解として明記する必要があると考えました。たとえば許諾申請する際には申請先に対して適用を求める一方で、許諾申請を受け付ける立場になった場合には適用しないというのは、本来の主旨に照らして、望ましくないからです。
 本ガイドラインは各社の転載許諾実務の指針を示すことを目的として策定したものであるため、これに沿った各々の行動の結果については、各社の責任になります。しかしながら会員各社におかれましては、本ガイドラインの主旨を十分に理解していただき、前向きな姿勢で取り組んでいただくことを期待しています。

Q5.本ガイドラインの適用対象者は?

A5.JMPA 内での合意のもと策定するガイドラインであり、JMPA 会員社外に適用することは想定していません。本ガイドラインにおいても、冒頭に会員社が対象である旨を明記しています。一方で、拘束力のないガイドラインですから、この内容を会員社外に適用してはならない、といった制限もありません。具体的には、たとえば、ある会員社が会員社外から転載許諾申請を受け付けた場合、その会員社の判断で、ガイドラインに沿った対応をとることは、自由です。

本ガイドラインの各条項について

前 文
 医学系学術分野は、過去の知見や研究成果を基に新しい発見や成果を生み出すことで、発展と進歩を続けている。その学術的成果や知見は、出版という手段を通し研究者や専門職に広められることで新たな発見を生み出している。医学関連領域の発展のサイクルを支える医学系学術出版において、既存の出版物からの図表等の転載は、必要不可欠なものである。その一方で、行き過ぎた転載・不適切な転載は、著作物のオリジナリティを低下させ、著作者または著作権者ならびに出版権者の権利を侵害することにもなり、十分に留意しなければならない。
 日本医書出版協会では、転載許諾の基本原則を定めることが、医学系学術専門領域の今後の健全な執筆・出版活動には不可欠であると考え、本ガイドラインを作成する。
 本ガイドラインは、会員社相互の転載申請許諾実務において、会員社各社の判断を制限するものではないが、その主旨は尊重されるべきである。また対象となる転載は、医学系専門書籍・雑誌への掲載であり、その出版物(冊子体・電子版を指すが、それに限らない)は医学系専門職(医師、看護師他)による研究成果の発表および情報提供、同専門職の養成等を目的としたものや医学関連領域の研究促進、医療技術の発展に資するもの、つまり学術目的であることが前提となる。なお、特定の商業的目的を持ったもの(薬品や商品の販促資材等)は、その対象とはしない。

Q6.対象となる転載を「学術目的」に限定したのはなぜですか?

A6.医学系専門出版の分野においては、ほとんどの著作者は、自らの著作物が多くの人に読まれ、情報が共有され、参照され、それによって医学教育や研究、臨床が発展することを望んでいます。その過程で著作物が他の出版物に引用、あるいは転載されることも、著作者にとっては想定の範囲内と考えられます。その一方で、学術目的以外の転載は、その目的はもちろんのこと、利用のされ方も上記の想定の範囲外であり、適用にはなじまないと考えました。具体例としては、一般向けに書かれた書籍・雑誌(医療関係者を主な読者対象としないもの)や、出版以外のメディア(放送番組、インターネットの情報サイト等)への転載などが、学術目的以外のものと考えられます。

■第1項
1. 転載許諾申請の対象となる出版物

転載許諾申請の対象となる出版物は以下の出版物とする。
1)転載許諾の申請を受けた出版社(以下「許諾出版社」という)が、すべての著作権(著作権法第27条(翻訳権、翻案権等)および第 28条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)に定める権利を含む)を保有している出版物
2)許諾出版社が、出版権設定契約等に基づき、転載に係る権利(著作権法第 27条(翻訳権、翻案権等)に定める権利を含む)の許諾を委託されている出版物であって、申請された転載元の著作物(以下「転載元著作物」という)について、本ガイドラインの範囲内で独自に転載を許諾することができる出版物

Q7.「転載許諾申請の対象となる出版物」を限定したのはなぜですか?

A7.転載の許諾ができるのは、著作権者(上記1)に該当)か、著作権者から著作権の許諾を委託されている者(上記2)に該当)に限られるためです。
 上記1)は、出版社が著作者との間で著作権譲渡契約を締結した出版物が当てはまります。ただし、その場合には譲渡契約書に「著作権法第 27 条および第28 条に定める権利」を「譲渡する」旨が明記されていなければなりません。
 上記2)は、出版社が著作権者との間で出版権設定契約、著作権利用許諾契約などを締結した出版物のうち、「転載許諾申請の処理(翻訳権、翻案権等の権利の許諾を含む)を委託」する旨の特約をしたものが当てはまります。
 本ガイドラインに従い転載許諾をする場合には、申請のあった出版物が本項1)または2)に該当することを、必ず最初に確認してから行ってください。

■第2項
2. 転載許諾申請の範囲

許諾申請を行う出版社(以下「利用者」という)は、著作物の転載を必要最小限の範囲内にとどめることを原則とする。ここにいう必要最小限とは、第3項1)に定める無償転載許諾の範囲内で、かつ他の著作物あるいはオリジナルの創作では代替できないなど、転載元著作物を転載する必要性が高いことを、転載元著作物の著作権者が容易に理解できる範囲のことをいう。

Q8.「著作物の転載を必要最小限の範囲内にとどめることを原則とする」と明記したのはなぜですか?

A8.会員各社ならびに著作者に、オリジナルの著作物を生み出すための努力を促すことを意図しています。また、前文にもあるとおり「行き過ぎた転載」は、権利侵害につながることが懸念されますし、医学系学術出版分野の発展のためにも、望ましくないと考えます。

■第3項
3.無償転載許諾の範囲

1)許諾出版社は、以下の範囲の転載を、原則として無償で許諾することとする。なお、転載は改変がないことを原則とするが、翻案に至らない軽微な改変までは許容される。
① 雑誌1文献から最大限3つの図表
② 書籍1章から最大限3つの図表であって、かつ書籍1冊から最大限5つの図表
③ 雑誌1文献あるいは書籍1冊から200文字以内の連続した文章あるいは合計400文字以内の連続しない文章
2)前号にかかわらず、転載元著作物が当該出版物の重要な特徴(解剖図譜、漫画、地図、絵画、創造写真等)であり、その転載が当該出版物の販売に影響を及ぼすと考えられる場合には、転載の許否、許諾が有償か無償かの判断は、各許諾出版社独自の基準に委ねられるものとする。

Q9.無償転載許諾の範囲(図表の点数、文章の文字数)は、何を基準にして定められたのですか?

A9.本ガイドラインが突出したものとならないよう STM や自然科学書協会のガイドラインと、ほぼ同じ範囲としました。なお、本ガイドラインでは無償転載許諾の範囲を、図表の基準(①または②)と文章(③)とでは別個に扱って判断することを想定していますが、最終的には各社の判断に委ねられる事項です。

Q10.「翻案に至らない軽微な改変」とは具体的にどのようなものを想定していますか?

A10.「元になる図表の本質的な内容を変えることのない」ことを前提に、色調や、罫線の種類、言葉の配置の変更などを行うこと等が、具体例として挙げられます。この程度の変更は編集実務では頻繁に行われますし、権利侵害を生じる可能性も低いことから、許容されるものとしました。
 一方で、元になる図表を転載に際して大幅に手直しすることで、元の図表の本質的な内容を変更すること(軽微ではない改変)や、元の著作物の創作性を残しつつ、新たな創作性を付与して別の著作物(二次的著作物)を作ったりすること(翻案に至る改変)は、申請を受け付けた出版社が取り扱いについて著作者と協議する等、権利侵害を生じないよう慎重な対応が求められるケースが多々あり、本ガイドラインの適用になじまないため除外しています。

Q11.「転載が当該出版物の販売に影響を及ぼすと考えられる場合」とは、具体的にどのようなものを想定していますか?

A11.本ガイドラインでも例示したような独創的な解剖図譜や漫画、地図、絵画、創造写真等は、たとえ3点以内の転載であっても、転載元の出版物の販売に大きな影響を及ぼす懸念があります。そのため、こうした転載を第 3 項1)の例外として、各出版社が、営業面への影響を勘案したうえで、独自の判断を行うべきものと位置づけました。

■第4項
4.電子版への再転載および翻訳を伴う再転載に対する一括許諾

許諾出版社は、利用者に転載を許諾する場合には、転載元著作物が掲載される出版物(以下「転載先出版物」という)の以下の利用についても同様に許諾することを原則とする。
1)利用者が転載許諾を申請するにあたり、転載先出版物の電子版(原則として、出版物全体を配信のために電子化したものをいう)へそのまま再転載することについて一括して申請があった場合には、許諾出版社は、当該再転載についても一括して許諾する。
2)利用者が転載許諾を申請するにあたり、その転載先出版物を翻訳出版する場合、あるいは第三者をして翻訳出版させる場合(ここに、翻訳出版とは、当該出版物全体を翻訳して出版することをいう)に、その転載元著作物を当該翻訳先出版物へ翻訳して再転載すること(当該翻訳先出版物をさらに電子化して当該転載元著作物を再々転載することを含む)につき一括して申請があった場合には、許諾出版社は、当該再転載(およびその電子版への再々転載)についても一括して許諾する。

Q12.「電子版へそのまま再転載すること」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

A12.たとえば、転載許諾を受けた図版を掲載した紙媒体の書籍がインターネットで配信される電子書籍として発行される際に、その電子版においても紙媒体と同じ図版を掲載することを指します。
 これはあくまで、紙媒体の書籍と電子書籍が本質的に同じ出版物と見なされる場合に限られます。本項が適用されない一例を挙げると、紙媒体の書籍発行時に転載許諾を受けた図版を、図版データとして取り出し、単独でデータベースに収載するといった行為は、一括許諾の対象になりませんので、注意が必要です。

Q13.「翻訳先出版物へ翻訳して再転載すること」とは具体的にどのようなことを指すのでしょうか?

A13.転載許諾を受けた著作物を掲載した日本語の書籍が外国語に翻訳される場合に、その外国語版にも日本語版と同じ著作物が翻訳されて掲載される場合のことを「翻訳出版物へそのまま再転載すること」と表現したうえで、「電子版へそのまま再転載すること」と同様に、一括許諾の指針を定めました。また、外国語版も最近では電子化されることが増えているので、それも一括許諾の対象に含めるために「さらに電子化して当該転載元著作物を再々転載することを含む」との括弧書きをしています。

Q14.将来の改訂版への再転載は一括許諾の対象にならないのでしょうか?

A14.STM や自然科学書協会のガイドラインでは、将来発行されるであろう改訂版への再転載も一括許諾の対象としますが、JMPA 著作・出版権委員会では改訂ごとの申請と許諾の手続きの機会を確保することを重視しました。つまり、将来の改訂版への再転載を一括許諾することにより、古い内容の著作物が適切なチェックを受けて更新されることのないまま、次版に再転載され、著作者に不利益となる事態を避けることが重要であると判断いたしました。このような理由から、将来の改訂版への再転載に関する一括許諾については、あえて対象とすることを見送りました。

■第5項
5.著作者/著作権者自身の承諾

転載元著作物が、第1項に定める転載許諾申請の対象出版物に掲載された著作物であっても、当該転載元著作物の著作者または著作権者(著作者から著作権の譲渡を受け、あるいは承継した者を含む。以下同じ)が、利用者から転載許諾の申請がある都度、改めて承諾を得るよう許諾出版社に求めている場合には、許諾出版社は、当該著作者もしくは著作権者から承諾を得、または利用者をして当該承諾を得させなければならない。

Q15.第5項を設ける主旨は、どのような点にあるのでしょうか?

A15.第1項により著作権の譲渡、または転載に係る権利の許諾を委託されている出版物であれば、本ガイドラインの範囲内で、転載許諾の申請を受けた出版社が独自の判断で許諾をすることが可能であり、改めて著作者または著作権者から承諾を得る必要はありません。
 しかしながら、著作者または著作権者のなかには、どのような契約を出版社と結んだかにかかわらず、自身で転載の承諾の可否を検討したいと申し出る方もいます。そのような場合には意思を尊重し、たとえ著作権の譲渡、または転載に係る権利の許諾の委託を受けていたとしても、著作者または著作権者の承諾を得るプロセスを経ることとしました。
 この承諾は、許諾出版社か、利用者のどちらかが得ることとしていますが、実務的には許諾出版社から利用者に対して、著作者または著作権者の連絡手段を伝えた上で、直接承諾を得るように求めることが一般的であると思われます。

■第6項
6.出典の明示

利用者は、転載先出版物のうち転載元著作物を掲載した箇所に、必ずその出典を明記しなければならない。以下に出典記載例を挙げる。
[雑誌] 著者名、題名、雑誌名、巻、号、頁
[書籍] 著者名、題名、書名(編著名)、巻、版数、頁、発行年、発行所
[Website] 著作物タイトル(Webページのタイトル)、URL、参照日(閲覧日)

Q16.出典の明示は本ガイドラインの例にすべて従わなければならないのでしょうか?

A16.合理的な出典明示として一般的に認められるために、最低限必要とされる情報を例として記載したものであり、必ずしもすべて従う必要はありません。ただし、許諾出版社から特に表記の指定があった場合には、それが許諾条件となりますから、必ず従うようにしてください。

Q17.スペースの都合上「転載元著作物を掲載した箇所」に出典明示が難しい場合はどうしたらよいのでしょうか?

A17.たとえば、転載した著作物を掲載する箇所には文献番号と転載である旨を記載し、参考文献欄にその番号とともに、出典を詳しく明記するといった方法も代替案として考えられます。いずれにしても、その著作物が他の出版物からの転載であることが一目でわかるよう、近接して出典を明示することが大切です。

■第7項
7.転載先出版物の提供要求の自粛

許諾出版社は、特に必要と認められる場合を除き、原則として利用者に対して転載先出版物の提供を求めないものとする。

Q18.転載先出版物の提供が「特に必要と認められる場合」とは、どのような場合でしょうか?

A18.著作者または著作権者自身が提供を求めている場合や、転載にあたり印刷による色調の再現等が不可欠であり、許諾出版社が転載先出版物の現物の確認を必要とする場合などが考えられます。

Q19.転載先出版物の提供に要する費用はどちらが負担するのでしょうか?

A19.一般的には許諾出版社から転載先出版物の提供を求められた場合、利用者は自身の負担で転載先出版物を提供することとなります。
 第7項はこの慣行を前提として、利用者に過重な負担とならないよう、許諾出版社が「特に必要と認められる場合を除き」、転載先出版物の提供を利用者に求めないことを定めたものです。

■第8項
8.許諾申請の免除

1)会員社の意向による免除:会員社は、第3項に定める無償転載許諾の範囲内の転載について、利用者からの転載許諾の申請を免除することができる。許諾申請を免除する会員社は、免除する旨を JMPAの会員社向けサイトに本ガイドラインとともに公開する。
2)著作者/著作権者自らの利用:転載元著作物の著作者または著作権者が、当該転載元著作物につき第3項に定める無償転載許諾の範囲内の転載をする場合は、その転載許諾の申請を免除する。ただし、第3項2)に該当する場合は、この限りではない。

Q20.1)において「利用者からの転載許諾の申請を免除することができる」としたのはなぜでしょうか?

A20.著作権意識の高まりに伴い、転載許諾申請件数は増加傾向にあり、それに伴って、申請を受けた側でも審査の負担が増加しています。こうしたなか、出版社によっては、ある程度の転載までは申請を受け付けることなく許諾したいと考える可能性があるため、この条項を設けました。免除することを他の会員社に対して表明しない限りは、従来通り、転載許諾申請を受け付けることになります。

Q21.2)で著作者または著作権者本人の再利用について申請を免除したのはなぜでしょうか?

A21.医学系書籍、医学系雑誌の著作者または著作権者の多くは、出版にあたって出版社に著作権を譲渡するなどの契約を締結する一方で、自身が著作物を再利用することを妨げられたくない、という考えを持っています。そこで、著作者または著作権者自身の便宜をはかるために、第3項に定めた無償転載許諾の範囲に限っては、自身の著作物の再利用を希望する場合に、申請をしなくても済むようにしました。
 本人の再利用であるため、第3項に定めた範囲に従う限りは著作権トラブルや重複出版、二重投稿等の問題が生じることは考えにくいうえ、許諾出版社と利用者の双方の負担を軽減できるというメリットがあります。

■第9項
9.その他

会員社の出版物に著作物の転載を予定している著作者が、会員社を通さず、自ら転載許諾の申請をする場合も、本ガイドラインを適用する。

Q22.第9項はどのような主旨で設けられたのでしょうか?

A22.会員社の多くでは、転載許諾申請は著作者の役割とすることを原則としています。その場合、原稿を執筆する著作者自身が申請したときには本ガイドラインが適用されず、出版社が申請した場合にのみ適用されるということになると、転載許諾申請は著作者ではなく、出版社が行ったほうがよいということになってしまいます。そこで、著作者自身が申請したときにも、会員社の出版物に転載を予定している場合には適用されることとしました。

著作権契約と本ガイドラインの関係について

Q23.著作権の譲渡契約や管理の委託契約を締結していない出版物には本ガイドラインは適用できないのでしょうか?

A23.著作権の譲渡契約や管理の委託契約を締結していない場合は、本来、出版社が転載の許否を独自に判断することはできません。そのため、本ガイドラインは適用できないことになります。但し、権利を保有している著作者自身が本ガイドラインに従って許諾を与えることは可能です。また会員各社の契約状況が本ガイドラインを適用できない状態であっても、各出版社の転載許諾実務においては、本ガイドラインの主旨を尊重されることを期待しています。

Q24.本ガイドラインと出版契約書とは、どのような関係にあるのでしょうか?

A24.本ガイドラインを適用するには、第1項に示す契約が締結されていることが前提条件となりますが、既存の出版契約書ひな型のなかには「著作権法第 27 条(翻訳権、翻案権等)および第 28 条(二次的著作物の利用に関する原著作者の権利)に定める権利」の譲渡について明記(「特掲」といいます)されていないものや、権利処理の委託について定めがあったとしても、転載許諾申請の許諾について明示的に委託を受けてはいないものがあり、注意が必要です。
 出版契約書の内容をよく確認し、第1項の条件を満たしていることを確認してから、本ガイドラインを適用してください。

その他

Q25.JMPA がホームページで公開している「転載許諾申請書」と本ガイドラインはどのような関係にあるのでしょうか?

A25.和文の「転載許諾申請書」は本ガイドラインに準拠し、第 4 項の「電子版への再転載および翻訳を伴う再転載に対する一括許諾」に対応できるよう、本ガイドラインの運用に合わせて新たに作成されました。一方、英文の「転載許諾申請書」は、海外の出版社に対して申請することを想定して作成されたものであることから、必ずしも本ガイドラインに準拠していません。具体的には、英文では ”all future editions” 、つまり将来の改訂版への転載も一括で許諾申請できるように作成されていますが、本ガイドラインでは将来の改訂版への転載は一括許諾の対象としていません。
なお、いずれも「ひな型」であり、適宜修正して使用することが可能です。