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書名

臨床のための神経機能解剖学

筆頭著者

後藤文男・他著(慶応義塾大学名誉教授)

その他著者等

天野隆弘

出版社名

中外医学社

ISBNコード

ISBN978-4-498-02880-7

発行年

1992年5月

判型 / 頁数

AB判 / 188頁

分類

臨床医学系/脳神経・神経内科学

価格

定価(本体16,000円+税)

内容

雑誌『Clinical Neuroscience』に,創刊号より89回連載された「診断に必要な機能解剖学」を再検討し,新知見を加えた.運動・感覚・言語・視覚・聴覚・高次機能,さらに脳血管・硬膜,髄液系・自律神経系・末梢神経・筋まで夫々の機能別に見開き2頁毎にまとめた.夫々に必要な神経経路,解剖学的部位とその生理機能,障害部位とそれに対応した症候や疾患また手術のための局所解剖の知識を独創的明快なカラーイラストで簡明に解説した.

神経診断学を教えて常に感じることは,学生の神経解剖に関する知識の不足である.我々自身の学生時代を振り返ってみても,解剖学の講義で神経解剖学は漏れなく教わっている筈である.にもかかわらず,その後,神経学を勉強するときになると,ほとんど何も覚えていない.結局初めからやり直しということになる.その原因を考えてみると,大まかな脳,脊髄,末梢神経の構造は理解し記憶しても,あの複雑な神経回路網のところで挫折してしまう.しかも,それが何の役にたつのかも分からず,無味乾燥で配線図のような神経経路は試験の時に一夜漬で暗記するのがせいぜいで,終わると,きれいさっぱり忘れてしまうのも無理はない.
これはあたかも旅行するときに,目的地までの間にある全ての道を路地の細かいところまで覚えてから出かけるのに等しい.車で東京から名古屋へ行くには,東京と名古屋が日本の中でどの辺にあるかという大まかなオリエンテーションと,東名高速道路およびその出入口を知っていれば十分,あとは必要な地図を持っていれば万全である.
神経内科,脳外科,精神神経科など神経系を扱う臨床の上で,実際に必要な神経解剖学はかなり限られたものであり,あの膨大な神経解剖の全てを知っている必要はない.運動,感覚,言語,視覚,聴覚,高次機能など,機能別に必要な神経経路の概要と,手術に必要な局所解剖の知識があれば十分である.あとは心要に応じ,手元に置いた神経解剖図を参考にすればよい.
そこで,雑誌“Clinical Neuroscience”の発刊に際し,実地臨床に必要な神経解剖の知識を分かりやすくカラーで絵説きする「診断に必要な機能解剖学」というコラムを設けた.この欄は,幸いにも,実地臨床のみならず,手元の神経マップとしても役立つとして,多くの読者の支持を得,89回にわたる長期の連載によって,必要な情報をほぼカバーすることが出来た.連載を終わってからも,多くの読者からこれらを一冊にまとめて欲しいという声があり,中外医学社からも同様の要請を受け,本書を刊行する運びとなった.刊行に当っては,既刊の紙面をすべて再検討し,一部の誤りを正し,すでに古くなった部分は新たに書き直した.著者のほか,編集の中田氏,イラスト担当の大熊氏を交え,全体にわたって可能な限り完壁を期したが,万一誤りがあれば著者の責任である.
本書が実地臨床医家のみならず,学生,研修医,専門医試験受験者および教育者の方々にも何らかのお役にたてば幸いである.終わりに,本書の刊行を実現して下さった中外医学社の青木社長をはじめ編集スタッフの方々に深甚なる感謝の意を表したい.
1992年5月
後藤文男
天野隆弘

目次

目次
運動系
錐体路 2
皮質延髄路 4
錐体外路 6
眼球運動…(l) 8
眼球運動…(2) 10
眼球運動…(3) 12
眼球運動…(4) 14
眼球運動…(5) 16
知覚系
知覚路 18
顔面知覚路 20
知覚路と病巣診断 22
感覚器系
視覚路…(1) 24
視覚路…(2) 26
視覚路…(3) 28
聴覚路 30
前庭系…(1) 32
前庭系…(2) 34
味覚路 36
嗅覚路 38
大脳
前頭葉 40
頭頂葉 42
側頭葉 44
後頭葉 46
大脳辺縁系 48
視床 50
大脳皮質連絡路
(1)半球内連絡路 52
(2)半球間連絡路 54
BRODMANN領野と大脳皮
質機能局在 56
小脳と脳幹
小脳 58
視床下部 60
中脳 62
橋 64
延髄 66
網様体…(1) 68
網様体…(2) 70
神経伝達物質と神経系
セロトニン系 72
ノルアドレナリン系 74
ドーパミン系 76
コリン作動系 78
脳神経
脳神経とその神経核 80
三叉神経 82
顔面神経 84
聴神経 86
舌咽神経 88
迷走神経 90
副神経・舌下神経 92
vagal system 94
前頭蓋窩 96
中頭蓋窩 98
語頭蓋窩 100
頭蓋底 102
脳血管
WILLlS動脈輪と脳への
流入血管 104
脳表の主な動脈 106
脳穿通枝・前脈絡叢動脈 108
脳水平断と血管支配領域 11O
前大脳動脈近位部・前交
通動脈 112
脳幹の動脈 114
小脳の動脈 116
脳底動脈先瑞部 118
脳主幹動脈灌流域 120
脳静脈・静脈洞 122
海綿静脈洞 124
眼窩の静脈系 126
脳硬膜,随液系
脳硬膜 128
小脳テントと脳ヘルニア 13O
脳槽 132
髄液循環の解剖 134
脊髄
脊髄レべルと横断面 136
脊髄の筋支配と深部反射 138
前角細胞をめぐる連絡路と反射 140
運動調節の経路と神経伝達物質 142
皮膚分節 144
脊髄内の運動および知覚路 146
脊髄円錐・馬尾 148
脊髄の血管系 150
自律神経系
交感神経系と副交感神経系 152
瞳孔と自律神経 154
膀胱・生殖器と自律神経 156
自律神経の機能診断 158
末梢神経と神経叢
腕神経叢 160
上肢の末梢神経 162
下肢の末梢神経・腰仙骨神経叢 164

上肢近位部の筋 166
上肢遠位部の筋 168
手の筋…(1) 170
手の筋…(2) 172
下肢近位部の筋 174
下肢遠位部の筋…(1)176
下肢遠位部の筋…(2)
幹筋 178
欧文索引 181
和文索引 185