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書名

やさしい電解質 血液ガス 酸塩基 (訂補6刷)

筆頭著者

柴垣昌功・他著

出版社名

中外医学社

ISBNコード

ISBN978-4-498-02341-3

発行年

1999年8月

判型 / 頁数

A5判 / 110頁

分類

臨床医学系/内分泌・代謝

価格

定価(本体2,400円+税)

内容

本書は初心者のために,とかくわかり難いとされている水電解質および血液ガス・酸塩基平衡の基本的な知識を,豊富な図表を織りこんでやさしく解説したものである.内容は水電解質・血液ガス・酸塩基を理解するうえに必要最小限の基本的な原則にしぼって,日常臨床に結びつけながらまとめている.読者は本書によりこれらのテーマへの第一歩を確実にし,さらに次のステップにふみ出す事ができよう.

2年前,カリフォルニアのサンディエゴ大学病院を訪れた時,私は大変なショックを受けた.というのは,火傷患者治療ユニットでの輸液の種類,速度および量が完全にコンピューターによってコントロールされていたのである.患者の性別,身長,体重,火傷の程度,合併症等の基本データをインプットする.すると検査室で測定された血清蛋白,アルブミン,電解質,血液ガス等のデータが直接オンラインでテレビモニター上に表示される.さらに尿量および心拍出量が間欠的に自動的にモニターされていて,それも表示される.そういった情報を総合して,輸液の種類,速度および量が自動的に算出され,医師はコンピューターのオーダーを受けて処置をすればよい.
それより10年前,私が米国の病院で臨床研修を受けていた頃は,輸液と電解質のバイブルとも言ってよいGOLDBERGERのテキストをかいま見ながら,乏しい能力を振り絞って体液バランスの計算を行ったものであることを考えると,隔世の感を禁じ得ない.
数年後には,日本でもこのようなコンピューターシステムが応用されるようになることが予測されるが,十分な基礎知識がないと人間がコンピューターに使われるロボットになる可能性が少なくないと思われる.
体液,電解質および血液ガスについての成書はすでに多数出版されている.しかし,まったく予備知識のない人が読んでも理解でき,しかも電解質と血液ガスの両者を包括したテキストは極めて少ない.そういったことで本書は企画され,これから勉強してみようと思われる看護学生,看護婦,医学生,研修医,検査技師,さらに知識の再確認を望まれる一般医家の方々に気楽に読んで頂けるものと思っている.
本書はわかりやすさ,読みやすさを第一目標に書かれているために,内容的に簡略化しすぎている点もあり,物足りないと思われたり,疑問を持たれることがあったら,ぜひその場ですぐにさらに高度の成書を参照し,御批判,御意見を伺えたら大変うれしく思う.
なお,前半の体液と電解質は腎臓専門の柴垣先生が,後半の血液ガスと酸塩基平衡は呼吸器専門の私が担当しているために,前半は腎臓中心的,後半は呼吸器中心的な内容になってしまっているので,その点を予め念頭においてお読み頂きたい.
最後に,本書の発刊に多大な御尽力を頂いた中外医学社の青木三千雄社長を始め,中田久夫,山口由紀子両氏,およびその他のスタッフの方々に心から感謝申し上げる.
昭和60年7月
塚本玲三

目次

目次
1.体液とホメオステーシス 1
I.体液とその分布 1
1.生命活動と水 1
2.体液の量と分布 3
II.電解質について 4
1.電解質とは何か 4
2.体液の電解質構成 6
3.電解質濃度の単位について 8
III.細胞の生活環境とホメオステーシス 15
2.体液の浸透圧と水 17
I.浸透圧とは何か 17
II.体液の浸透圧とその調節 19
1.浸透圧の変化によって何が起こるか 19
2.体液浸透圧調節のしくみ 19
3.1日の水の出入り 21

III.水分調節の異常(体液浸透圧の異常) 28
1.水分の欠乏(体液浸透圧の上昇) 29
2.水分の増えすぎ(体液浸透圧の低下) 29
3.体液浸透圧異常のみかた 29
4.体液浸透圧異常への対応 33
3.細胞外液とナトリウム(Na) 34
I.細胞外液量の調節 34
II.細胞外液量と血漿量(血清蛋白の役割) 37
III.Na調節の異常 38
IV.脱水症,溢水症へのアプローチ 40
1.病歴と症状 40
2.身体所見 41
3.検査成績 43
V.脱水症,溢水症への対応 44
VI.Naと水の混合性調節障害 45
1.Naと水の欠乏 46
2.Naの欠乏と水の増えすぎ 46
3.Naと水の増えすぎ 46
4.カリウム(K)平衡 47
I.K平衡の考え方 47
II.K平衡とその異常 48
1.体内でのKの動き 48
2.血清K値に影響を与える諸因子 49
3.K調節異常の原因 53
4.K調節異常によって何が起こるか 53
III.K調節異常への対応 55
1.低K血症への対応 55
2.高K血症への対応 56
5.血液ガスと酸塩基平衡 60
I.血液ガスとは何か 60
1.血液ガスの成り立ち 60
2.血液ガスの正常値と単位 61
3.血液ガスの測定意義 62
II.酸素と呼吸 63
1.酸素加 64
2.低O2症と低O2血症 65
3.低O2症に対する生体の反応 72
III.炭酸ガスと呼吸 72
IV.酸塩基平衡 75
1.酸,塩基(アルカリ)とは何か 76
2.pHとは何か 76
3.緩衝系 78
4.代償作用 81
V.酸塩基平衡障害 82
1.その基本型 82
2.アルカローシス,アシドーシスによる臨床所見とその治療法 98
VI.血液ガス測定に際しての注意事項 102
1.採血器具について 102
2.採血に際しての注意 103
3.採血部位 106
4.採血から測定までの検体保存方法 106
索引 107