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書名

救急医学 ―救急患者の初期対応と以後の治療方針

筆頭著者

瀧 健治・他編著(佐賀医科大学医学部救急医学講座教授)

その他著者等

編集者瀧 健治(佐賀医科大学医学部救急医学講座教授)西村謙一(佐賀医科大学医学部救急医学講座非常勤講師)十時忠秀(佐賀医科大学医学部麻酔学麻酔・蘇生学教授)

出版社名

新興医学出版社

ISBNコード

ISBN978-4-88002-604-6

発行年

2002年2月

判型 / 頁数

B5判 / 247頁

分類

臨床医学系/救急医学

価格

定価(本体6,500円+税)

内容

救急医学教育について,ほとんどの教育者は必要あるものと認めているが,どのように救急医学教育をしたらよいのかということは,今なお模索状態であると言っても過言ではないであろう。というのは,救急医学書というものは数冊見受けられるが,その内容は外傷学,集中治療学が中心となっており,一次から三次救急にいたる救急外来での内容は乏しく,その救急医療の実態はあいまいで,「たぶん各科でしているだろう」という推測に基づいている状況である。
救急医学教育がなぜ必要なのか,救急医学教育とは何なのか,救急医学教育はどのように行うのか,といった具体的なことになるとなかなか答えがたい。その理由の一つに,多くの大学において24時間体制の救急診療が行われておらず,そこが救急医学教育の場として利用されていない。そのために,救急医学の形が見えないで,どのように救急医学をイメージしたらよいかわからないということであろう。そうであれば,実際の24時間体制の救急診療なしには,“生きた,見えた”救急医学教育は行えないということになり,実動している救急医療からみた救急医学教育用の書を作る必要が求められている。
昭和57年には,わが国最初の救急医学の教科書が出版され,卒前・卒後教育のなかで救急医学教育とは何かと,救急医療に専従している人達は今日まで長年自問自答してきたことと思う。その後に救急医学の教科書が出版されてきたものの,我々の救急医学の一部の領域にあたる管理・治療が主体なものばかりである。そこで,本書は構成こそは他書と似ているが,症候学に基づく救急外来を中心とした佐賀医科大学における救急医学教育の実践をもとに,医学生や研修医にいかにして救急医学教育を行うか,をまとめた書である。本書の特徴を具体的に述べると,以下のようになる。1)救急医学とは何かを理解でき,今日の救急医学活動の全体を把握できる。2)一貫した救急診療が行えるように,救急患者来院時の初期対応として,ただちに実施すべきことを述べ,やってはならないことや避けるべきことを記した。さらに,以後の治療方針と専門医に相談・依頼すべき状態を記し,専門医の提言を加えた。3)今日のトピックスである脳死と臓器移植,災害時の救急体制と救急医療,および日帰り手術の麻酔についても解説した。
したがって,本書は医学生の救急医学の教科書,研修医,救急医学認定医を志す医師の指針書に有用なだけでなく,救急患者を扱う一般開業医,救急救命士,看護学科学生,救急看護婦の参考書として役立つものと信じる。
本書が本邦の救急医学教育の発展と充実に少しでも役立つことになれば,幸いである。(序文より抜粋)

目次

第 I 章 救急医学概論
1.救急医学とは
2.救急診療での連携
3.救急医療システム
4.救急患者診療の基本
5.高度外傷救命処置
6.心肺脳蘇生法
7.ショックの診断と治療
7.救急医療の社会医学的側面
9.救急医療とリハビリテーション
10.コミュニケーションとインフォームド・コンセント

第 II 章 救急患者の症候学と初期対応
1.頭痛
2.意識障害
3.腹痛
4.けいれん
5.悪心・嘔吐
6.めまい
7.外傷
8.急性中毒
9.旅行帰国者
10.婦人科疾患の訴え
11.来院時の画像診断学的な初期対応

第 III 章 患者来院時の初期対応と以後の治療方針
1.急性消化器疾患の保存的対応について/出血性消化性潰瘍/食道・胃静脈瘤破裂/急性膵炎・慢性膵炎急性増悪
2.外科的処置の必要とする一般・消化器急性疾患について/急性虫垂炎/イレウス/腸間膜動脈塞栓症
3.神経内科的急性疾患への対応/急性髄膜炎/脳炎/脳梗塞/脳出血/てんかん/Guillain-Barre 症候群
4.手術適応判断を含む脳外科的急性疾患について/頭部外傷一般/脳振盪症/頭蓋骨骨折/急性硬膜外出血/急性硬膜下血腫/外傷性脳内血腫/びまん性軸索損傷/脳血管障害一般/高血圧性脳内出血/クモ膜下出血
5.急性腎疾患について/腎不全/透析患者の急性疾患
6.急性泌尿器疾患について/尿管結石/尿閉/腎外傷/尿道損傷/精索捻転症/尿路感染症/外陰部の外傷
7.代謝性疾患の初期対応と治療方針/糖尿性昏睡/低血糖性昏睡/肝性昏睡
8.急性循環器疾患について/急性心筋梗塞/狭心症/不安定狭心症/急性心不全/急性解離性大動脈瘤/肺血栓症,肺塞栓症/心タンポナーデ/急性心筋炎/心室細動/失神発作や高度徐脈による症状を伴う完全房室ブロック/失神発作や高度徐脈による症状を伴う洞機能不全症候群/高血圧緊急症/悪性高血圧
9.胸部心臓血管外科的疾患について/急性心筋梗塞/急性大動脈解離/肺塞栓症/胸部外傷/血管の救急疾患
10.呼吸器の急性疾患について/気管支喘息発作/急性呼吸不全/肺炎/慢性閉塞性肺疾患の急性増悪/喀血・血痰/気胸
11.整形外科的な急性疾患について/四肢切断/開放骨折/脊椎・脊髄損傷/四肢関節捻挫/上肢の脱臼
12.小児の急性疾患について/発熱/咳嗽と呼吸困難/意識障害/けいれん/腹痛/脱水/心不全と低酸素発作/気管支喘息/クループ/細気管支炎/熱性けいれん/腸重積/異物誤飲,誤嚥
13.産科の急性疾患について/流産,切迫流産/早産,切迫早産/異所性妊娠/胞状奇胎/前置胎盤/常位胎盤早期剥離/子宮破裂/弛緩出血/子宮頸管裂傷/子宮内反症/妊娠中毒症
14.婦人科の急性疾患について/細菌感染に関係あるもの/月経困難症/茎捻転/不正性器出血/暴行/外傷/癌患者の後遺症,合併症
15.皮膚科の急性疾患について/熱傷/化学熱傷/凍傷/蕁麻疹/薬疹/toxic epidermal necrolysis型薬疹/ツツガムシ病/丹毒・蜂窩織炎/壊死性筋膜炎/成人水痘/帯状疱疹/カポジ水痘様発疹症
16.耳鼻・咽喉頭・頸部の急性疾患について/急性/急性咽頭炎/急性口蓋扁桃炎/扁桃周囲炎,扁桃周囲膿瘍/急性喉頭蓋炎/深頸部感染症/食道胃物/気管・気管支異物
17.眼科的な急性疾患について/化学薬品による角膜腐蝕/網膜中心動脈閉塞症/原発急性閉塞隅角緑内障
18.口腔外科的な急性疾患について/歯痛/顎骨骨折
19.精神科的急性疾患について/自傷,自殺企図/薬物の過量服用/攻撃的な行動と暴力/多動や落ち着きがない行動/不合理な言動や行動,コミュニケーションの困難さ/寡動,反応の乏しさ/薬物乱用・依存と薬剤性精神病/パニック発作,不安発作,過呼吸発作/暴力や犯罪の被害者/子どもに関する諸問題/頻回の不定愁訴,注射・服薬の要求,入院の要求,退院拒否の患者/拒否的患者,家族内の意見の不一致
20.感染症の対応について
21.救急医療でのIVR

第 IV 章 脳死と臓器移植
1.脳死の予防
2.脳死・臓器移植
3.脳死・臓器移植における問題点

第 V 章 災害時の救急体制と救急医療
1.災害
2.災害対策
3.災害への備え
4.トリアージ
5.災害時救急医療
6.災害時の検視・検案・個人識別など

付録1 外来における神経ブロック
付録2 外来麻酔について